
湊川神社(神戸市中央区 神戸高速線高速神戸駅)
~名残の黄門さま~
阪神電車元町駅からたったふたつだけ乗ったら高速神戸駅。妙な名前の駅名ですが、神戸高速線の神戸駅ですよというネーミングです。すぐ南側にはJRの神戸駅もありますから区別しているのです。では高速というほど早いのか。かつてあった路面電車に比べて高速という意味なのだそうですが、比較対象が消えてしまった今、名は体をなしていませんね。
湊川神社は驚くことなかれ、高速神戸駅で下車して東改札を出て階段を上がると、そこが正門前です。雨の日でも傘なしに正門まで着いてしまう、いたれりつくせりの神社です(正門からは傘が必要だけれど…)。これは生田神社以上にラクチン。正門から南を眺めるとJR神戸駅のホームが見えますから、JRからだって地下街を通って正門前までは傘なしです。
ここも並びがすごい。やはり兵庫県人は秩序正しいのか?それとも自分の願いを聞いてもらうことに執着するのか?とにかく文句も言わずみんな並んでいます。4日でこんな状況ですから元日はどんなだったのでしょう。先ほどの生田神社での学習を生かして列には加わらず前へ前へと歩いていくと、やはり私のようなズル組がいました。私も早々とお参りを済ませました。
湊川神社は通称「楠公さん」。祭神は言わずと知れた楠正成。後醍醐天皇のために鎌倉幕府を倒そうとした人です。小学生のとき社会科の先生が、「水戸光圀公がやね、楠公さんの偉業をたたえて…」と言っていたのを思い出します。正成の墓所とされるところには水戸黄門が「嗚呼忠臣楠子之墓」と記し建立したとされる墓碑があり、その右手には黄門の銅像(上の写真)がありました。水戸黄門が生きていた時代にはまだ湊川神社はなかったのですね。Webで確認したら、湊川神社の創建は明治5年(1872年)、明治天皇の命によるのだそうです。今年で140年の歴史ということでしょうか、神社としてはまだ新米ですね。水戸黄門が墓碑を建立したことが、世間の人たちが楠正成に注目するきっかけを作ったということらしい。私も一応(やはり信心に乏しい)、「嗚呼忠臣楠子之墓」に手を合わせて神社を後にしました。
私が子どもの頃から親しんできた「水戸黄門」。昨年の12月で42年の歴史に終止符を打ちました。名残惜しいことです。これからの子どもたちには水戸黄門という名称そのものが、車寅次郎同様に通用しなくなりますね。なんとなく楠公さんも遠くなってしまいそうです。
絵馬は見つけることができました。社殿の前にでっかいのがありました。湊川神社のご利益については記したものを境内では見つけられませんでした。神社のWebではたくさん書かれています。国家安泰から海運招福…。そこで別のサイトを探すと「神戸のご利益さん」というサイトでは学業成就、合格祈願と書かれていました。これからが楠公さんの頑張り時ですね。
(つづく)
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