
生田神社(神戸市中央区 阪神本線三宮駅)
~初詣は東急ハンズの袋を提げて~
名前はよく聞くのに、三宮だって何十回も行っているのに、一度もお参りしたことのなかったこの神社。なんとアーバンな神社でしょう。たいがい神社というものは、街からは少し離れていて、その佇まいを作っているものだと思うのですが、地図で確認すると阪急三宮駅からせいぜい200mくらいです。ならばもっと目立ってもいいはずなのに、神社の南側を覆うように東急ハンズのビルが建っています。駅周辺をウロウロしていても神社を探す気持ちのない人には絶対わかりっこない、隠れ家のような生田神社です。
昔、私が子どものころは神戸市には生田区と葺合区があって、後にひとつになって中央区となりました。その両区の境目が三ノ宮駅(JRだけは三宮と表記せず三ノ宮と書くそうだ)あたりだったと記憶します。生田という単語はそんなわけで私の頭の隅のほうにかすかにしがみついているのです。
名前ほど広くはない境内(失礼!)に入ると、びっしりの参拝者。先ほどの西宮神社での数とは比べ物になりません。歩くのもややしんどい状態です。さすが大都市神戸の真ん中に位置する生田神社です。どちらがついでかは別にして、三宮へ食事に、買い物に、遊びに行ってお参りすることができます。ハンズの福袋でしょうか、紙袋を提げた人も境内でたくさん見ました。
ここでも驚いたことに、みんな列を作って順番を待っています。兵庫県の人はみんな秩序正しいということでしょうか。仕方がないので私も並んで待っていました。境内の周囲を見渡すとどちらの方角ともビルに囲まれています。やがて「左右にも賽銭箱がある」とアナウンス。私も脇から手を合わせましたが、やはり神様にも正面があるようで、なんとなく脇からでは願いを聞いて下さらないような気もしました。生田の池の横では、年も改まったというのに、紅葉の葉がまだ残っています。街中は暖かいのかな。
本尊は稚日女尊(わかひるめのみこと)、縁結びの神さんなのだそうです。三宮でデートをして、ここにお参りできるのはいいですね、私にはもう手遅れですが。それから神戸という名はこの生田神社に租税を納める民のことを神戸(かんべ)といったところからついたのだそうです。神戸の中心地ですね。
歩かないで可能な限り電車で移動する目標を立てたのに、阪神の元町まで一駅分歩いてしまいました。どこかヨーロッパ風の外観のメディテラスを久しぶりに見たら、ずいぶん色あせているように見えました。
(つづく)
今度行ってみてくださいね。都会のビルの間にぽっかりとある神社です。どうぞハンズのついでにでも。