ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

京都府北桑田郡京北町芹生

2013-10-09 07:19:41 | PiTaPaより遠くへ

 芹生峠を越えたらひたすら下るだけ。やはり杉林の中の林道のような薄暗い道を下ります。1kmちょっとで目の前が明るくなり、そこが何十年と思いを寄せていた芹生。谷川が流れていて、その橋の手前に「芹生の里」と書かれた看板。北桑田郡京北町時代に観光協会が建てたもののようです。小さな橋の向こうに人家が見えます。橋を渡るとT字路で、右は花背方面、左は川に沿って周山方面と案内があります。しかし、右方向は通行止めと書かれていて、その先には工事関係と思しきトラックの姿が見えます。右方面の探索は諦めなければなりません。

 左方向に下っていくと民家が一軒、その少し先に「芹生の里」と看板のある建物が一軒。これはきっとうどんや山菜を出す飲食店なのではないかと想像しますが、閉まっているばかりでなく、あたりに人の気配がしません。道端に腰を下ろして観察すると、イノシシかサルの被害から畑を守るためのネット。ススキが風に揺れて谷川の流れる音だけが聞こえます。川の水は澄んでいます。徒然草の「つゆおとなふものなし」の気分です。そして、谷川をよく眺めると堤がえぐられた個所も見えます。この灰屋川はやがて桂川に合流します。その桂川はぐるっと亀岡方面へ迂回するように流れ、保津峡を経て嵐山に至ります。嵐山が濁流にのまれた過日の台風18号。あの台風の影響かもしれません。となると、さきほど花背方面への通行止めも同じ台風の仕業かもしれないと思いました。
 「昔、『花ぐるま』ってドラマがあったでしょ」と話しかける相手も見つからないので、走ろうかと立ち上がったとき、件の自転車氏が峠から下りてきました。軽く会釈をして、彼は風のように静かに下っていきました。


 この後、人家もないまま芹生という所を過ぎてしまいました。人家が見えてくるのは5kmほど下ってから。途中、塩カルを置いておく小屋が空を仰いでいるのを見かけました。これもおそらく18号のなせる技。結局、長い間憧れていた芹生というところは通行止めのせいもあり、端っこをかすめただけで去らねばならなかったのです。桃源郷のような芹生、山間とはいえおばあさんが畑仕事をしているような静かな里を勝手にイメージしていた私には不満が残る芹生でした。いつかリベンジをしなければなりません。
 上黒田というところで、国道477号に入り、周山方面に走ります。センターラインもあるとても走りやすい道路。稲の刈り取りが終わったところ、これからのところもあります。ときどきキンモクセイの香りが漂ってきて、コスモスが風に揺れる風景の中を大変気持ちよく走りました。この辺りでは民家の屋根の傾斜が若干ゆるくなっているような気もします。雪下ろしをしなければならないほど、雪深いのかもしれません。件の自転車氏をこの国道でまた追い越しました。西三角というところでは道に遊ぶ2羽のキジが。気持ちよい季節ですし道路も気持ち良く走れる。バイク野郎ともたくさんすれ違いました。

 芹生の里から約24km。およそ50分でウッディ京北に到着。ウッディ京北は道の駅です。バイク野郎も休憩していますし、自転車野郎も休憩しています。私にはよく区別ができませんが、彼らの自転車を留めるにはそれなりの装置が必要のようです。このウッディ京北には自転車スタンドが作ってあることに驚き。自転車でやってくる人も想定してあるというわけですね。


 「さてと…」ベンチから立ち上がったとき、カメラが落下。レンズ周りがへこんでしまいました。わちゃーっ。スクーターで走るときは、いつでもカメラを取り出せるようにずっと首から下げているのです。そのストラップがカメラの金具側で疲弊していたのですね、切れたのです。(T_T) 気持ちまでへこみましたが、それでもカメラはちゃんと動作する模様。時速60kmで走っている最中でなくてよかったと思うことにしました。

  売店で鯖かぶら寿司なるものを買い、誰もいない休憩室で食べました。本棚に林業関係の本がいっぱい並んでいたのですが、その中に「京北町五十年史」という大層な一冊がありました。取り出してページをめくってみました。巻末の年表を開くとありました!1974年(=昭和49年)の4月、「NHK大型ドラマ『花ぐるま』放映始まる」というくだりがありました。京北町にとってもこのドラマに大きな期待を寄せていたわけですね。

 

(つづく)


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