鷹峯御土居(たかがみねおどい)から千本通を少し歩くと、「しょうざん 光悦芸術村」の入り口が見つかりました。「しょうざん」は谷を下っていったところにあるらしい。
私が子どものころ、年末の楽しみはあちらこちらから届けられるカレンダーでした。ヘンな少年だったのか、和風の庭園の写真がついたカレンダーが好みでした。鄙で大きくなった私は、京都にはたくさんあるという庭園に憧れました。月ごとに桜が咲いていたり、秋には紅葉だったり、そして雪景色の庭園だったり。庭園の名前で覚えているのは、「白沙村荘」と「しょうざん」。白沙村荘へは20年ほど前に念願かなって行くことができました。躑躅がきれいな季節でした。
「しょうざん」へは今回が初めて。40年ほどのあこがれが今日叶うのです。道路わきのよく手入れされた楓、北山杉を見ながら下っていきます。
紙屋川沿いの狭い谷がここの敷地です。庭園入園料480円也を払って入ります。紅葉の一番いいシーズンだったと思います。また庭がいい。魅力を挙げてみます。
- よく手入れされた庭園の割には入園料が安い。
- 紅葉と北山杉のコントラストが素晴らしい。
- 知名度が低いのか、ベストシーズンなのに、そんなに入園者が多くない。よって静かで、撮影も遠慮したり、待ったりということがほとんどありません。
むしろ、もっとたくさんの人たちが訪れたらいいのにと思います。というのは、やってくる観光客を見ていると、相当数がタクシー運転手に案内されています。つまり、観光コースのひとつとして「連れてこられた」わけで、自主的にここを選んだとは考えにくい。京都の寺院がごった返している現実と比べるとむしろ寂しいくらいです。
私もしつこく撮影をしていたほうですが、私に負けないくらいしつこく撮影していたおじさん(自分だって相当のおじさんだ!)と、後で話をしました。大阪から来たという彼もまたこんな庭園があるとは知らなかったそうです。そして、タクシーの運転手がこんなふうに話していたよと教えてくれました。
「今年の紅葉はどこも天候の影響でもうひとつなんだけれど、『しょうざん』の紅葉はきれいだ」
狭い谷にあるので、外気の影響を受けにくかったのでしょうか。
時雨のおかげで、苔の上の落ち葉もキラキラしてきれいでした。
「しょうざん 光悦芸術村」は庭園だけでなく、和洋兼ね備えたリゾート施設のようです。結婚式場、和洋中のレストラン、ボウリング場、夏にはプール。衣料関係の会社としてスタートをして多角的に商いをしているようです。したがって、こんな風景も「しょうざん」の一面です。
この日は、結婚式が3組入っているようでした。
憧れの「しょうざん」に一番紅葉のきれいなときに来ることができて幸せでした。
(つづく)
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