ウクライナから届く写真や映像を見て不思議に思うことは、ありませんか?
ミサイル攻撃や砲撃のある地域では、ウクライナ国民は地下施設や地下壕に避難しています。
前線の兵士もそうです。ロシア軍が砲撃しているときは、地下壕に避難しています。ロシア軍の砲撃が終わると地上に出て迎撃戦を行います。
東西冷戦の時代に全面核戦争とNATOの軍事侵攻に備えて、旧ソ連は、巨大な地下施設や地下壕をソ連全域に建設しました。特にNATOの進撃路に当たるウクライナでは、念入りに建設されたと思います。一般の共同住宅や戸建てにも地下室が設置されています。
それが、ウクライナ国民の避難場所となり、ウクライナ軍の抵抗拠点になっています。バフムートでは地上の建物は、ほぼ破壊されました。それでも4000人程度の市民が生き残り、ウクライナ軍が戦闘を継続できる理由は、その地下施設があるからです。
もし、そのような地下施設がなければ、ウクライナ軍は地上でロシア軍に敗北していたでしょう。ウクライナ国民にも、もっと大勢の犠牲者が出たと思います。
皮肉にも旧ソ連時代に建設された膨大な地下施設が、ウクライナを助け、ロシア軍の進撃を妨げています。
東西冷戦時代の緊迫感は、日本人には想像できないと思います。双方の陣営で似たような施設が無数に建設されました。スイスでは、今でも住宅の建設には地下室の設置が義務付けられています。スイス国民の人数以上の地下退避施設も建設されています。その時、国民がどこにいるか分からないから多めに建設しておこうという、スイス人らしい綿密な配慮です。
日本政府も真剣に考えるべきでしょうね。
いざ!その時、国民はどこに避難するのか?
ないです!
昔もありましたね。
大空襲で大勢の犠牲者が出ました。
もし、地下施設を建設して備えていたら、多くの民間人の命を救えたでしょう。今だって、ウクライナを見るなら事情は、同じです。
膨大な地下施設や地下壕の建設にかかる費用は、無駄なようにも思えますが、いったん事あらば、それは国民の命を救い、あるいは行政や自衛隊の活動拠点となるでしょう。
日本にだって軍需工場はあります。
多分、全部地上にむき出しでしょう。
軍備や兵器を整えるだけが、国防ではありません。
それを、ウクライナ紛争が教えてくれます。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/