「北の山・じろう」時事日記

内容は主に海外時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

イランがイスラエルを憎む理由は、何なのか❓&バンデーラ主義<2025・03・05

2025-03-06 18:30:54 | アフリカと中東

考えてみると、これ不思議でしょう❓
地理的にみると少し離れているし、それほど天敵の如く憎む理由はないはずです。
イラン人は、アラブ人ではないですからパレスチナが理由とも思えません。
こう考えたのは、次の記事を見かけたからです。(ちなみにバンデーラ主義はウクライナの話で中東とは無関係です。)

(1)バンデーラ主義(=ウクライナ民族主義)
スプートニク
ウクライナのネオナチ崇拝を調査、非難する=イスラエル外相
2025年3月5日, 09:34 (更新: 2025年3月5日, 10:15)
https://sputniknews.jp/20250305/19621181.html

何故、こんな話が唐突に出てくるのか❓
イスラエルが、この程度の歴史的事実を知らないはずがありません。東欧からイスラエルに移住したユダヤ系住民は沢山います。イスラエルが、ユダヤ系のゼレンスキーに冷淡だった理由は、これです。キエフ政府の「嘘」が、みえみえだったからです。ロシアはネオナチ排除をウクライナ軍事侵攻の理由の一つにあげました。
キエフ政府が、ネオナチがいない理由の根拠にあげたのがゼレンスキーがユダヤ系であることです。
しかし、キエフ政府を構成しているのは西ウクライナ過激民族主義者であり、そこにはネオナチも参加しています。
西ウクライナ民族主義者自体が、ナチスドイツと関係の深い思想集団です。
この西ウクライナ民族主義者を、ロシアは「バンデーラ主義者」と呼びます。
ほぼ、ナチスドイツの仲間扱いです。

ステパーン・バンデーラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%A9
ウクライナ民族主義者組織
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%B0%91%E6%97%8F%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E7%B5%84%E7%B9%94
ウクライナ蜂起軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D

この後継組織(思想)が、(西)ウクライナ民族主義です。バンデーラ主義ともいいます。
ばっちり「反ユダヤ主義」を掲げています。
何が問題視されるか❓
①ポーランド人民族浄化(大量虐殺=ジェノサイド)
②ナチスのホロコーストへの協力、ユダヤ人虐殺
③前身組織時代の1941年のリヴィウでユダヤ人に対するポグロム
【リヴィウポグロム】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%83%9D%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%A0

この暗い時代の指導者である「ステパーン・バンデーラ」を英雄として復活させたのが、現在のキエフ政府です。
つまり、現在の(西)ウクライナ民族主義は、この時代の思想を受け継ぐ組織です。
およそ民主主義の擁護者とは言えないと思います。
2014年暴力クーデターで政権を乗っ取った後は、西ウクライナ至上主義を政策として、他民族の差別と弾圧を始めます。東部独立派が武装蜂起して独立を目指して内戦を始めたのは、これが理由です。

これをイスラエルのような情報収集に優れた国家が知らないはずは、ありません。
「まず第一に、私はこのことを知りませんでした。調べてみます……」
嘘コケ!
トランプ大統領は、カチンコチンのイスラエル支持者です。
今、トランプ大統領は「キエフの跳ね返り」を持て余しています。
そこでキエフの暗い過去を、持ち出してそれを思い出させようという話に協力しているのでしょう。
イスラエルが問題視し、発言するのが一番効果的だからです。
ゼレンスキー(またはキエフ政府)ネガテイブ・キャンペーンの一つだと思います。
ユダヤ系の癖に反ユダヤ主義者に乗っかっているゼレンスキーは、ユダヤの裏切り者と言えます。
ヨーロッパのユダヤ系の人々が呼応すると大きな動きになる可能性があります。
※この視点から見るとイスラエルやユダヤ系の人々は、ロシアを支持しなければ、ならない事になります。
ロシア(旧ソ連)は、ナチスドイツと戦って打倒しました。
ゼレンスキーなど絶対、支持できないでしょう。(ユダヤの裏切り者)

と、言うような意味があります。

(2)イランがイスラエルを憎む理由は、何なのか❓
ここから、この問題を思い出しました。

①『私とスパイの物語』著者「孫崎享」と近藤大介の対談~その2<2025・01・31
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6b03d9d4f5d9115c8e5173b5dd6c1319
『私とスパイの物語』著者「孫崎享」と近藤大介の対談<2025・01・31
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/4e028ae638edd4954d8fbdb85d497a6c

①の中に孫崎享氏の話で(1)ホメイニ師とCIAの接触の話が出てきます。
(2)あるパーティで、女性の参加者からこう囁(ささや)かれたんです。
イスラエルの謀略の可能性を言っています。
私は、ここでは真偽不明と書きました。

しかし、かなり強い状況証拠があることに気が付きました。
イラン革命後に制定された憲法に「イスラエル撲滅」が書き込まれています。
イランのイスラエルに対する攻撃は、ここに起因すると言っていいでしょう。
それを考えると、やはりイラン革命の時のアメリカ大使館占拠事件に考えが及びます。
誰か(又は、組織)が、デモを過激化させて学生たちのアメリカ大使館占拠を扇動しています。
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だから、デモを過激化させてアメリカ大使館占拠事件にまで持っていったグループと勢力は、三つ考えられます。
①孫崎説⇒(イスラエルのモサド)
②反アメリカを主張するイスラム過激派、追放されたパーレビ国王は親アメリカです。
③ソ連の影響を受けた左派のどこか
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アメリカとイランが徹底的に対立してほしい誰かが犯人です。実際、そうなりました。
そうなると、ホメイニ師がイスラエル撲滅をあえて憲法に書き込ませた理由が推測できます。
アメリカ大使館占拠事件の謀略への報復と考えると話の筋道は通ります。
イランは、旧ソ連時代もその後のロシアとも関係は悪くありません。
③は、なくなり①か②のどちらかです。

その後のイランのイスラエルに対する攻撃行動を見ると、①の可能性が強いと言えます。
ここら辺のこんがらかった事情を解きほぐさないと、関係改善は難しいかもしれません。

(3)こうして見てくると孫崎氏の本の意味も分かります。
政治家が外交において方針や政策を決めるのは、スパイの集めてきた情報が大きな決定要素になるのは当然です。
外務省情報がアテにならないは、どの国も同じです。
「世界はスパイが動かしている」
と言うのは本をアピールするためのタイトルで「スパイの情報が世界を動かしている」と言うべきでしょうね。
それが行き過ぎるとスパイが政治家の鼻ずらを引きずり回すようになります。
アメリカ外交の失敗例を見ると、そんなケースが見えます。
ベトナム戦争やウクライナ紛争は、典型的な失敗例です。


※関連日記目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2



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