「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

クルスク戦線の現状と見通し<ウクライナ紛争2024/08/25

2024-08-25 14:20:52 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.08.24
逼迫してきたポクロフスク方面、ドローンパイロットまで塹壕に送り込む
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/as-the-situation-becomes-more-tense-in-the-pokrovsk-area-drone-pilots-are-sent-into-the-trenches/
2024.08.22
侵攻910日目、ウクライナ軍がロシア領クルスク州のコレネヴォに迫る
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-910th-day-of-the-invasion-ukrainian-forces-approach-korenev-in-russias-kursk-oblast/

ウクライナ軍の奇襲作戦と情報戦略が成功して、ウクライナ軍が進撃している以外のことは、よく分かりませんでした。
小規模な部隊を広範囲に送り込んで攪乱工作をするので、実際の前線がどこにあるのか、不明だったからです。

ここに来てやっと大雑把な勢力の境界線が判明しつつあります。

ロシア側の迎撃部隊も大体数が揃いつつあるのでは、ないかと思います。今後は、ウクライナ軍は占領した地域を守る戦いになります。
占領した地域から追い出されれば、単にクルスク州を荒らしまわってドネツク中部を失っただけの結果に終わります。

ロシア側は、なぜ混乱しきっているように見えたのか❓
国境地帯をほぼがら空き状態にしていましたが、これは兵力の節約のためでしょう。
全ての国境地帯に防衛のための兵力を配備すれば、膨大な人数になると思います。省略した分をウクライナ戦線に送り込んでいたのだと思います。

ロシア軍に防衛計画は、なかったのか❓
当然、あったと思います。
しかし、その内容が明かされることは永遠にないと思います。
推測してみると国境の一定の面積を犠牲にする計画であったと思います。
ロシアの領土の広大さを利用した防衛計画だと思います。
敵をロシア領に引き込み逃げの利かなくなったところで反撃して殲滅する計画だと思います。

あれほど混乱しているように見えましたが12万人以上の地域住民を比較的短期間に強制避難させました。事前の避難計画がなければ、出来るはずがありません。
その中でロシア軍は、どうするのか❓

BBC
ウクライナが越境攻撃で前進、ロシアは塹壕を設置 衛星画像や動画でわかること
2024年8月15日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c39kv2vz72zo

BBCの解説は、相変わらずトンチンカンです。
しかし、この動画のおかげでロシア側の防衛計画の一端を知ることが出来ます。
ウクライナ軍が現在、進撃しているエリアの更に深いところに突貫工事で長大な防衛ラインを建設していることが分かります。
おそらくクルスク原発や州都クルスクを守る防衛ラインを建設したのだろうと思います。
ウクライナ軍が、現在の位置より更に深く進撃するとその防衛ラインに行き当たるという仕掛けです。

一方で要になる拠点では頑強に抵抗しています。
「ここを落としたらマズイ!」と言う拠点は守っているのですね。
それは重要な集落であったり高い位置の拠点です。
だからウクライナ軍は、ロシア軍が頑強に防衛する拠点は制圧できていませんし、高地にある拠点も制圧できていないようです。
ロシア軍が予定したエリアに引き込まれているようです。

「コレネヴォ」「ギリ」などが、その拠点です。
「コレネヴォ」は北西にあるセーム側の東側にある拠点でここは開戦後かなり早い段階で攻撃を開始しました。
まだロシア軍は、防衛を続けています。
「ギリ」は南東方向にある拠点です。
「ギリ」を巡っては情報が錯綜していましたが、やはりロシア軍が防衛しており、この東へのウクライナ軍の突破を阻止しています。

最終的に制圧されましたが、「スジャ」の東に市街地でもかなり長い間抵抗していました。それが州都クルスク方面にウクライナ軍が進撃するのを阻止していました。
その間にロシア軍は、「ボリショエ ソルダツコエ」付近の防衛を強化したと思います。その大分手前でウクライナ軍の進撃は止められています。

国土の広さを利用したロシア軍の防衛計画とは、このような意味です。
1200平方km以上の面積を短期間に占領したことをウクライナは誇らしげに広報しています。
しかし、それはロシア軍が最初から敵を引き入れるために想定していた面積である可能性が高いと思います。

そのエリアにいる少数の部隊が抵抗戦を戦ううちに近隣の他の部隊が、応援に駆け付けるのが最初からの防衛計画だろうと思います。
だから、こんな防衛計画は絶対に表には出てこないと思います。

既に現在の戦闘エリアの大分奥には、防衛ラインが建設済みです。もし今の防衛ラインをウクライナ軍が突破しても次の防衛ラインが待っています。
だからウクライナ軍は、もうこれ以上の突破は難しいと思います。
そうなればロシア軍が想定している通りの消耗戦に移行するでしょう。

果たしてウクライナ軍の側にその消耗戦に耐えられるだけの準備があるかどうか❓が、今後の問題です。
なければ東部戦線と同じことになるでしょう。
じりじりと削られていき、やがては壊滅するか敗走すると思います。
敵地ですからウクライナ領内のように補給が順調にいくとは思えません。この広いエリアの補給を支えるのは、幹線道路1本だけです。

それだけではなく、後方のスームイ州の補給拠点や軍事拠点には、推定で700発の滑空爆弾やミサイル(数不明)が撃ち込まれています。相当な被害が発生していると思います。

ウクライナ軍が現在支配しているエリアに閉じ込められてしまえば、今後は消耗と補給(兵站)の戦いです。
ロシア軍の防御が甘いと思ったら大間違いです。

ザポリージャ戦線のトクマクを中心とする防御網を思い出せば分かると思います。
私はロシア軍の本当の強さは、防御にあると思います。
守り切って相手を疲弊させて、弱ったところを攻撃して勝負を決するような戦い方が、ロシア軍の戦い方だと思います。
最初の2~3週間の勝利で勝った気になっていると、2か月後には壊滅するように思います。

第一、占領地を維持するなら防衛ラインを建設しなければなりません。塹壕や陣地建設の苦手なウクライナ軍にそれが出来るとは思えません。
これを考えると2か月も持たないかもしれません。

ウクライナ政府や軍のコメントを聞いていると現在占領しているエリアを終戦まで維持できると勘違いしているようです。維持出来るかどうかは、これから始まるロシア軍の本格的な反撃を退けてから決まることです。
今は、一時的に占有しているに過ぎません。
来月半ば過ぎから、段々どうなりそうかが分かってくると思います。

現在ですら私が見るところでは、無理っぽいです。
現在、ベラルーシ国境にいると言われている12万人のウクライナ兵をかなり移動して防御につかせないと無理だと思います。
※もしベラルーシが言うようにウクライナ兵が12万人いるとしたら、東部戦線が苦戦しているのに何故❓ここに12万人の兵力を遊ばせているのかも謎です。
謎と言うべきか意味不明なことが多い、ウクライナ軍です。(まさか、賄賂を取って前線に送らない兵士をここに遊ばせているんじゃ、あるまいな❓と言う疑いが浮かんでくる腐敗汚職大国のウクライナです。腐敗汚職に関しては、何があっても驚きではありません。塹壕や陣地建設の金さえチョロマカシテいたんですからね❓)

まあ、どうなるのか❓

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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