ウクライナ軍の矛盾については、下記の記事に半分くらいは書いてあります。ウクライナは腐敗した汚職が横行する社会ですが、それが行政にも軍にもはびこっていて少々何をやろうとどうにもならない現状があります。
2024.02.10
シルシキー総司令官の初仕事、兵士70万人が何処にいるのか突き止めること
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/commander-in-chief-sirshikis-first-task-is-to-find-out-where-700000-soldiers-are-located/
2月9日のポドリャク大統領府顧問の発言を簡単に言うと・・・
前任の総司令官(ザルジニー)は、100万人の兵士のうち70万人程度を前線ではない後方のどこかに配置していたことになります。
当然、前線からは兵士不足の声が上がっています。
現状では、どうにもならない状況です。
これに対し12月ザルジニー総司令官(当時)は、40万~50万人の追加動員を提案しました。これは現在ペンデイング状態です。まず資金がありませんし、現在でも徴兵に苦労しているようでは到底無理です。
(この問題は、ウクライナ軍と大統領府の闘争とも言えます。70万人を隠したまま50万人を追加動員しろ・と言うわけです。ここまで最高司令官が無茶を言っても即時解雇できないのは、根回しをしてからでないとウクライナ軍が反乱を起こす可能性があったからだろうと思います。結果、この綱引きは際どく大統領府が勝って、ザルジニーを更迭してNo2のシルスキー陸軍司令官を新司令官に任命することが出来たのであろうと思います。条件は、ザルジニーを英雄のままにしておくことのようです。)
国防省の巨額の汚職も2件摘発されました。
国防省とウクライナ軍は、腐敗と汚職の伏魔殿と言えます。そもそも現在のウクライナ政府は2014年クーデターにより政権を奪取したグループが権力を握っています。アメリカが関与してウクライナ(過激)民族主義者や過激右翼集団を動員して起こしたものです。
ウクライナ軍がクーデター側についたので政権を掌握できました。ウクライナ軍が追放された大統領側についていたら、クーデターは失敗に終わっていたでしょう。
つまり現在のウクライナ政府は、ウクライナ(過激)民族主義者とウクライナ軍が合体して出来上がりました。
直後に親ロシア派が武装独立闘争を起こしました。これでドンバス戦争が勃発します。
当然ウクライナ軍が戦争を担当します。2014年からは、かなり長い期間が経過しています。この間に国防省とウクライナ軍が政府に占める比重が増していったと思います。ウクライナ国内最大の伏魔殿の完成です。
結局、今分かることは戦争に従事していたのは長くドンバス戦争を戦ってきた歴戦の兵士と2022年ロシア侵攻後、愛国心から軍に志願した志願兵が中心であったことになります。だから、これまではウクライナ軍は強かったのだと思います。
一方で国内で徴兵業務を担当するのが各地の軍事委員会(徴兵事務所)です。強引な徴兵義務者の連れ去りは度々問題になっていました。何かのきっかけで軍事委員会幹部の広範な汚職が判明しました。賄賂をの見返りに徴兵の割り振りをしていました。賄賂を払って兵役逃れをしている人間が大勢いました。
ゼレンスキー大統領は事件発覚後、汚職に関与した軍事委員会の幹部全員を追放しました。
当然のことです。
しかし、この後軍事委員会のサボタージュが始まりました。業務が複雑で難しいことを理由に兵士集めを事実上しません。
『ザルジニー総司令官も公の場で「軍事委員会の解雇が補充兵の供給を難しくさせた」と批判』とあります。
ザルジニー総司令官は、汚職まみれの軍事委員会を擁護しました。
ゼレンスキー氏を批判したのと同じです。そしてこれを見てもウクライナ軍にはびこる腐敗と汚職の擁護者であることが分かります。
加えて70万人の兵士隠しもあります。
2023年ザルジニー総司令官が統括したウクライナ軍の反撃作戦は、全部失敗に終わりました。
このような無能で(結果が出せない)ウクライナ軍にはびこる腐敗と汚職を擁護するザルジニーが、ウクライナ国内では有能の誉れ高く英雄軍人です。
どうしてそうなっているかと言うと❓
情報統制でザルジニー批判を封じ込めていたのだろうと思います。そしてプロパガンダで「有能の誉れ高い英雄軍人」を作り出したのだろうと思います。
もちろん、主体はウクライナ軍です。
※これがウクライナ軍の抱える内部矛盾です。
こんな組織が隠されている70万人を前線に送り出せると思いますか❓
組織の幹部、数百人ぐらい一気に首にして入れ替えないと無理でしょう。
※ウクライナ政府にも同じことが言えます。
こちらの方は、ゼレンスキー氏に従うメンバーが多少ゴミ掃除しました。しかし、まだ沢山はびこっていると思います。
※特にウクライナ軍が内蔵している腐敗・汚職構造を一掃しないと、そもそも戦争の継続は無理だと思います。
歴戦の兵士や愛国心から軍に志願した志願兵は2年の戦闘の中で死傷するものが増えています。またローテーション(交代)なしに戦っている兵士が大いのですから体力的にも精神的にも限界に近いと思います。
※ゼレンスキー氏と新任の最高司令官は、この現状を変えることが出来るかどうか❓
出来たとしてもロシア軍に勝利することは難しいと思います。しかしウクライナ軍が総崩れになる最悪の事態は回避できるでしょう。
前線を安定化させて、その後どうするかよく考えるべきでしょうね❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27