「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

トランプ氏4回目の起訴(ジョージア州の大陪審)<2023年8月

2023-08-19 08:54:01 | アメリカ合衆国

トランプ氏4回目の起訴、米国の選挙崩壊がまた近づく
2023.08.17 Thu posted at 07:26 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207893.html

今度は、ジョージア州の大陪審から起訴されました。
誰が見ても犯罪を犯しているのに、司法手続きを通してしか罪を追及できません。司法制度がある以上、仕方のないことですが歯がゆく感じるのも事実です。

「今回起訴されたトランプ氏をはじめとする被告人らは、トランプ氏が敗北したことを受け入れようとしなかった。そして実態を十分認識したうえで意図的に陰謀論に加担した。選挙結果を違法な形でトランプ氏に都合よく変えるために」(起訴状より)

これをやったら自由選挙の意味がなくなります。権力者が恣意的に選挙結果を覆すのは、アフリカの独裁国家や共産圏でよくあるパターンです。

そしてそのような事実が強く疑われるのに、トランプ氏を支持する共和党員が沢山いる現状が救いようのなさを表しています。ほぼ、共和党員においては司法制度も民主主義も価値観として崩壊しています。一人の独裁者が恣意的に政治を行って良いと言っているのと同じです。

言論の自由が、ほぼ詐欺的なトランプ氏の主張を保護しています。言論の自由が、本当に必要であるかどうかさえ疑われるような状況さえ出現しました。通信の秘密を理由にネット上のフェイクニュースや陰謀論、過激な極論を放置したことが、結果としてこのような事態を招きました。アメリカのSNSを運営する有力者は、「ネット上のフェイクニュースや陰謀論、過激な極論」を「完全なる言論の自由」と嘯いている有様です。

だから、根拠もなしに「選挙は盗まれたものだ」と主張することに問題はなく、選挙結果を覆すために違法行為を行っても問題はない・と言うことになってしまいます。嘘を盛大に垂れ流すことを許すから、結果として嘘が事実として受け止められます。「声の大きいものが勝つ」と言う論理です。そこに合理も合法もありません。勝てば全部正しいという事です。

しかし、トランプ氏の見過ごした点はトランプ主義者がどう圧力をかけようとアメリカの司法制度はまだ崩壊していません。

共和党支持者はアメリカ国民の半分以下です。せいぜい、3分の1でしょう。アメリカの有権者の3分の1は無党派層だと思います。3分の1を騙しても残りの3分の2は、騙せるとは限りません。

ジョージア州の大陪審が明らかにした起訴内容は、驚くべきものです。そして、それに多くの人間が加担していたことにも驚きます。大統領選挙の結果を覆すのは明らかな犯罪行為です。トランプ氏以外にも18人が起訴されました。98ページに及ぶ起訴状に記載された41件の罪状が記載されているそうです。

今回のジョージア州の大陪審の起訴は、大統領ならではの特権をもっても阻止できません。仮にトランプ氏が大統領に当選してもジョージア州の大陪審の裁判は、終わらないと言うことです。連邦裁判所なら大統領権限で妨害できるかもしれません。しかし、米国連邦制度では州政府の裁判には大統領も介入できません。

そして、余りにもあからさまに選挙結果に介入したために状況証拠は膨大にあります。特にジョージア州への介入は酷かったようですから、証拠の山でしょうね。無罪になる可能性は、限りなく少ないと思います。

それでも、共和党員はトランプ氏を支持するのかどうか?
トランプ氏が大統領になれば、現職の大統領が州政府の刑事裁判で有罪判決を受けるという前代未聞の珍事が起きる可能性が濃厚です。

そしてトランプ氏の違法行為に加担した18人も無事では済みません。複数の裁判で起訴されている被告人には莫大な裁判費用(主に弁護料)がのしかかります。弁護料が払えなくなれば無能な弁護士しか雇えません。アメリカの裁判で弁護士が無能だとすぐ、負けます。

そんな一人に元弁護士ルディ・ジュリアーニ氏がいます。元NY市長でもあります。やり手の検察官として名をあげ、NY市長時代には大きな功績があります。2008年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬しました。(敗退)その後、トランプ氏支持に回ります。そして違法行為に手を染めて2020年のアメリカ合衆国大統領選挙を覆す工作の中心人物になりました。

トランプ氏が「選挙は盗まれたものだ」と主張し続けられたのは、ジュリアーニ氏のような大物の支援があったからです。ジュリアーニ氏は法律の専門家です。トランプ氏の取り巻きの中では最大の大物だと思います。

しかし?

ジュリアーニ氏、巨額の弁護士費用に苦慮 大統領選後のトランプ氏弁護受け
2023.08.16 Wed posted at 16:07 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207876.html

トランプ氏の取り巻きも複数の裁判で起訴される以上、多額の弁護士費用が必要になります。仕事で収入を得るなど無理でしょうね?

トランプ氏自身も膨大な裁判を抱えるわけですから膨大な訴訟費用と裁判に費やす時間が必要になります。
ジャック・スミス特別検察官が起訴した裁判は、来年の1月から審理が開始される予定です。大統領選挙の予備選が開始される時期です。この裁判が一番重要ですから予備選のスケジュールをこなしながら、裁判闘争をしなければなりません。ここにNY市の裁判とジョージア州の裁判が加わります。その他、民事訴訟もかなり抱えています。

アメリカ大統領選挙の結果を違法に覆そうとした罪は重いと思います。

更には、連邦議会襲撃事件を扇動しそれを放置して大統領としてなすべき行動を取らなかった罪も重いと思います。

被告人は有罪が下されるまで、推定無罪です。
しかし、限りなく疑わしいと言えるでしょう。
幸いにしてアメリカの司法制度は、まだ機能しているようです。

トランプ氏は、罪を逃れようとしてアメリカの大統領になることを試みていますが、それも悪あがきと言えるでしょう。ジョージア州の大陪審に起訴された以上、トランプ氏にそれを阻止する手段はありません。

「天網恢恢疎にして漏らさず」

大衆を扇動して罪を逃れようとするトランプ氏にアメリカの司法制度が正しい判断をすることを願っています。

 

※関連記事

ジュリアーニ氏、巨額の弁護士費用に苦慮 大統領選後のトランプ氏弁護受け
2023.08.16 Wed posted at 16:07 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207876.html
20年大統領選介入の訴訟、トランプ氏の言論の自由は「絶対ではない」と担当判事
2023.08.12 Sat posted at 13:00 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207729.html
トランプ氏、起訴は「政敵の迫害」と批判 出廷後にコメント
2023.08.04 Fri posted at 07:54 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207414.html
ペンス氏、トランプ氏起訴に言及 憲法の上に立つ者は「大統領になるべきでない」
2023.08.03 Thu posted at 09:36 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207357.html
トランプ前米大統領を起訴、大統領選の結果覆そうとする試み巡り
2023.08.02 Wed posted at 13:50 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35207312.html
トランプ氏、20年大統領選前の会議で選挙の安全性を称賛か 特別検察官が調査 CNN EXCLUSIVE
2023.07.25 Tue posted at 18:45 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35206961.html

 

米ジョージア州、マフィア対策の州法でトランプ前大統領を起訴 それはどういうものか
2023年8月18日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66530101
【解説】 トランプ前大統領の3度目の起訴、なぜこれまでより深刻なのか
2023年8月3日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66391474
トランプ前大統領、3度目の起訴 大統領選の結果を覆す試みで
2023年8月2日
https://www.bbc.com/japanese/66380089



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。