「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

イラクの戦争とその後と今<2024.1.8

2024-01-09 22:08:06 | アフリカと中東

アメリカと関わり合いを持った国は、ほぼ全部不幸な歴史を歩んでいます。
古くは、ベトナム戦争。民族独立闘争に参戦して結局泥沼の長期戦を戦い、どうにもならなくなり撤退しました。
アメリカ社会はその後遺症でズタズタになり経済的には大不況に陥りました。

そのような時にアメリカが作る傀儡政権や地元の政権は、必ず腐敗してその国を統治するのには役に立たないのは、共通しています。アメリカが手を引くとすぐ、崩壊します。
崩壊しなかったのは軍が軍事クーデターを起こして政権を掌握した韓国。
北ベトナム政府が政権を掌握した、現在のベトナム。
これ位しかないと思います。

ベトナム戦争後、長く大人しくしていましたが・・・
第1次湾岸戦争から、また戦争を始めました。
第2次湾岸戦争。
アフガン戦争。
リビア内戦介入。
シリア内戦介入。

主な戦争だけで、これだけあります。
今そこにウクライナ紛争とガザ紛争が加わりました。

イラクと戦争する前は、イランのパーレビ王朝を支えました。
パフラヴィー朝
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%9C%9D
イランの石油利権を維持するためです。
結局、イスラム宗教勢力が革命を起こしアメリカは追放されました。
その後、アメリカのイラン潰しが始まります。

その手段としてイラクを利用しました。
イラクと友好を結び、イランを攻めさせました。
イラン・イラク戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%88%A6%E4%BA%89
戦争は、1980年から1988年まで続きましたが決着がつかず停戦になりました。
しかし、これがその後の湾岸の不安定化を招きます。

アメリカの暗黙の合意があると誤解したイラクは・・
1990年の8月2日にイラクはクウェートに侵攻しました。
これが翌年の湾岸戦争を引き起こします。
湾岸戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%BE%E5%B2%B8%E6%88%A6%E4%BA%89
1991年1月17日 - 同年3月3日
戦争はアメリカ率いる多国籍軍が圧勝し、イラクはクウエートから撤退して、いったんは戦争は終わりました。

しかし、イラクのクウエートの原因はイラン・イラク戦争の戦費負担が大きくイラク経済の負担となった側面が強いです。アメリカに利用されてイランと戦争して経済的に行き詰まり、それを打開するためにクウエートに侵攻したら、今度は逆にアメリカに攻められて負けました。

こうして見てみるとイラクは、アメリカ外交の犠牲になり利用されて用事が済んだら「極悪の烙印を」押され、戦争を仕掛けられて負けて国際社会から排除されました。

その仕上げが、第2次湾岸戦争です。
イラク戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%88%A6%E4%BA%89
何の理由もなく一方的にアメリカが戦争を仕掛けて、当時の大統領のサダム・フセイン政権を叩き潰しました。

※私が第三者的にみると❓これは、一方的なアメリカの侵略戦争としか言いようがありません。

しかし❓
アメリカがやれば、正義です。
理由は、サダム・フセインが「極悪」だからです。
※アメリカが言う「極悪」は❓
アメリカに逆らって、生意気だ!と言う意味です。
それを誤解している人❓結構、いるでしょう❓

ウクライナ紛争と、よく似ているでしょう❓
(誰かが、極悪❓)
そして占領後は、お決まりの傀儡政権を作りました。
やっぱり腐敗した安定性のない政権が出来上がり、今も続いています。

しかし大雑把にイラク国内の勢力が4つに分かれているので、内戦にはならず何とか統一政府を保っているのが現状です。ISとの戦争で、1回まとまったのが良かったのかもしれません。内戦をやれば、外国の敵に侵略されることが分かったからです。
主な勢力は・・
①北東部のクルド人
②西北部のスンニ派勢力
南部は、シーア派が二つに分裂しています。
③イラクの宗教的指導者のサドル師を指導者とするイラクの民族派シーア派勢力
④イランを頼るシーア派勢力

現在は、③と④が主導権争いをしています。
やはり政治的混乱(不安定)は続いています。
腐敗と汚職もあります。
そんな国内状況ですから貧しいです。

それでもそれぞれ内戦は避けて何とか折り合いを付けようとしているのが、今の政治状況かと思います。日本から見てもなんだか良く分かりません。全然、上手くいっていないのは分かります。

そんな支離滅裂なイラク政府にも、腹に据えかねる事があるようです。
『イラク、米主導の駐留連合軍の撤収手続き着手=首相府』
2024年1月6日午前 4:38 GMT+910時間前更新
https://jp.reuters.com/world/security/SFGZ7AHU7RKCJPOV77GYGGNLMU-2024-01-05/

何とかアメリカ軍を追い出そうとしています。ガザ問題もあり、「もう我慢ならない!」と言うことでしょうね❓
傀儡政権をアメリカがコントロールしようにも4つに分裂しているので、出来ません。どれかを立てようとするとそれ以外の3つのグループが反発して逆らうからです。
傀儡政権にすら追い出しをかけられているようでは、アメリカの先行きはイラクにおいては、暗いように見えます。

ほぼアメリカの犯罪行為でしたね❓
これを正義!と強弁する欧米の厚顔さ!

※以下、関連ニュース(1)
イラクで新大統領選出、首相候補に政権立ち上げ指示
Reuters
2022年10月14日午前 10:25 GMT+91年前更新
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2R902Y/
2021/10/14
民主化後、最低の投票率となったイラク総選挙
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/makino/2021/10/post-20.php
サドル師が引き起こしたイラクの政治危機からの教訓
(2022/09/09)
https://www.spf.org/iina/articles/mizuguchi_17.html
「サダム時代の方がよかった」腐敗や混乱に絶望する市民 イラク戦争から20年
2023年3月20日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/239001
2023-03-19 14:49
イラク、遠い秩序再建=政情不安、今も残る過激派―米英開戦から20年
https://sp.m.jiji.com/article/show/2912895
21万人の民間人犠牲か 開戦から20年、イラク戦争は何を生んだか
2023/3/19 19:51(最終更新 3/19 20:35)
https://mainichi.jp/articles/20230319/k00/00m/030/157000c

※(2)典型的なヨイショ!記事
イラク戦争20年 米は中東関与を弱めるな
2023/3/20 05:00
https://www.sankei.com/article/20230320-6ABNEGC2EFL5FN3EADLBNXGDSE/

(1)と(2)を読み比べると、よ~く分かると思います。


※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2



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