ウクライナはNATO加盟せず中立国に 米共和党副大統領候補のバンス氏が和平案示す
2024/9/14 19:25
https://www.sankei.com/article/20240914-HK2PPTWGBVLKVIEOPGKKZ4TS3I/
スプートニクが報道していた内容を共同通信が報道しています。内容は曖昧です。
『ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に加盟せず、中立国とするほか、現在の前線を非武装地帯として、ウクライナ側は再びロシアの侵略を受けないよう防備を固めるとした。』
『ウクライナはNATO早期加盟、領土奪還を掲げており、バンス氏の案は受け入れ難い内容。米紙ニューヨーク・タイムズは「ロシアのプーチン大統領の和平案のようだ」と批判的に伝えた。』
そもそもロシアもこの和平案を受け入れるとは思えません。
ロシア側の条件は、6月に提示されています。
ただし、6月とは状況が変化しており領土的な部分では変わると思います。(多分、ロシアはもっと広い領土を要求すると思います。)
トランプ提案では、領土的な部分は現在の前線で固定です。⇒これはロシアは絶対拒否すると思います。
更にロシアが受け入れられないのは、ウクライナの武装制限に何も触れていません。
非武装がロシアの主張です。
また西ウクライナの過激民族主義者の政権からの排除にも何も触れていません。
ロシアがネオナチと言っているのは、「西ウクライナの過激民族主義者+ネオナチ+その他暴力的極右」を指しています。
要は、2014年暴力クーデターを実行した勢力を指しています。
ロシアは、ベースになるのは2022年のイスタンブール合意だと主張しています。それで一旦は、停戦合意していたんでしょうね。これをぶち壊したのは、当時イギリス首相のボリス・ジョンソンです。
トランプ案は、ウクライナの中立とNATO非加盟以外何も言及していません。
ロシアが戦況が不利で有ったり、戦争継続が難しければこの提案に乗るかもしれません。
しかし現在戦況は大きくロシア有利に傾いています。
ロシアは戦争継続に困っていません。
困っているのは、ウクライナとEUの方です。
だから簡単に言うと戦争に勝っているロシアが、ロシアの主張を取り入れない和平合意を受け入れる可能性は、極めて少ないと思います。
戦争絶対継続で凝り固まっているウクライナも受け入れないでしょう。
仮にトランプが大統領になり和平を仲介しようとしても、双方から拒否されると思います。
どっちも反対の和平案を提示しても意味はないと思います。
NATOは、「ロシアが二度と立ち上がれないようにする!」と口々に言いました。
今、ロシアは同じ事を考えていると思います。
「EUとウクライナが二度とロシアに歯向かえないようにする!」
最低限ロシアの主張を全部丸呑みして、その上で領土的な部分でどう折り合うかの問題だと思います。
トランプ案では、全然無理だと思います。
相当トランプ氏の現状認識は、おかしいと思います。
残念ながら、トランプ案には全然期待できませんね。
ロシアは交渉を望んでいるのではなく、単に終戦の条件を提示しているだけです。ウクライナが受け入れなければ、最後まで戦争をするでしょう。それを、全然理解していないようです。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27