近年、日本だけでなく世界各地で豪雨災害が多発するようになりました。
中国では、台風5号によりかなりの死亡者と被災者が出た模様です。北京とその周辺だけで20人死亡、19人不明が確認されています。確認されている人数ですので今後増える可能性もあります。
中国・北京と周辺に豪雨 20人死亡、19人不明
2023年8月1日 22:11 発信地:門頭溝/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3475349?cx_part=top_latest
北京市内でAFPの取材に応じた男性の感想は、2012年7月に79人が死亡した洪水被害より「今回はそれよりはるかに甚大だ」と感じているようです。
「車の墓場」に23万8000台、水害の威力物語る伝承碑 中国
2021年8月13日 13:41 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3361527?cx_part=related_yahoo
7月中旬河南省300人以上が死亡
記録的洪水、なぜ中国で頻発するのか
2021年7月22日 19:50 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3357992?cx_part=related_yahoo
ここ10年~15年の間に豪雨災害が大型化し毎年のように台風シーズンには、大きな被害が発生しているようです。これは日本も全く同じです。
しかし中国は国土が広大である分、河川の流量は日本と比較にならないほど膨大で、それが豪雨災害を拡大しています。
特に南部の長江流域で豪雨に見舞われると堤防が危険になるほど増水するようです。堤防が決壊すれば、被害は途方もなく大きな規模になりますから増水した水は、どこかを犠牲にして貯水池に流し込むとか非常手段が必要なケースもあるようです。
そもそも堤防や治水対策の想定していた流量をはるかに超えているのが、洪水被害を拡大する原因の一つのようです。
中国政府は国内各地に設置した巨大なダム・堤防ネットワークを対応策としてきました。どうも、これでは全然足りないようです。
更には、急速に進んだ都市化が対応を難しくしています。新しく都市化が進んだ地域では、そもそも治水対策自体がないケースもあるようです。
北京の近郊などを見ると川の流域がほとんどない地域もあります。増水即市街地の冠水が起きる地域は、特に新興の市街地には多いように見受けられます。
そして日本でも見られますが山に近い地域まで開発が進んでいるために土砂災害も頻発します。
このようなことが複合的に合わさって中国の豪雨災害を大きなものにしているようです。
だから、いいの悪いのの話ではありません。やはり治水対策を考え直さなければならないのは、日本も同じです。長野県では洪水の想定を超えた増水で千曲川の堤防が決壊したこともあります。
鬼怒川では昔から豪雨のたびに洪水被害が出ます。
最近で大きかったのは2015年9月の堤防決壊による洪水被害です。この時は、かなりの面積で水が溢れました。本流の利根川の大増水で鬼怒川の水が行き場を失い、どんどん溜まり続けたために堤防が決壊しました。正確には堤防の高さを水が超えてしまいました。それが堤防決壊を引き起こしました。かなり広範囲に冠水しました。
これから気象変動の影響で集中豪雨が多くなると思いますし、その降雨の分量も増えていくと思います。
難しい問題ですけれど、地道に取り組む必要があると思います。以前、元石原都知事が、多摩川のスーパー堤防構想を提案したことがありました。その時は・・
「何を、オーバーな・・・」
的な感じで無視されました。
しかし、今その必要性が出てきました。
もし多摩川に想定を超えた水量が流れ込めば、東京南部と川崎は水浸しになります。
東京の荒川あるいは江戸川の堤防が決壊すれば、東京の下町方面は水没します。東京だけの例を挙げましたが、今余裕のあるうちに対策を取らなければ、やがてそのような事態が起きる可能性は高まりつつあると思います。
「しんげんつづみ」や「きよまさてい」はどこにあるの?
https://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/chiebukuro/search/mame/No_122.html
あるいは?
江戸幕府 60年かけ瀬替え、開削の大規模治水事業
https://token.or.jp/magazine/g201605.html
戦国時代末期から江戸時代初期にかけての優れた治水事業の例です。東京が利根川の大洪水から守られてい居るのは、「利根川の東遷 荒川の西遷」と呼ばれる徳川家康の治水事業によるものです。60年の歳月が必要だったようです。しかし、その優れた治水事業は、今も東京の街を守り続けています。
過去の優れた先人から学ぶべきことは、まだまだ沢山あると思います。治水事業もその一つです。