少し、翔平君のHRの内容を深読みしてみます。
<去年のナ・リーグのHR上位打者>
左2023年、右2024年
マット・オルソン54⇒29
カイル・シュワバー47⇒38
ピート・アロンソ46⇒34
マルセル・オズナ40⇒37
大谷翔平44⇒54
※2023年は135試合、160試合換算52
ジャッジ37⇒58
※2023年は106試合、160試合換算56
去年はナ・リーグは打者優位の年で40HR以上打った打者が5人いました。
ア・リーグは翔平君1人です。
ただし翔平君もジャッジも怪我で試合を欠場しています。
160試合換算ならジャッジ56本、翔平君52本です。
この二人は、どっちにしても飛びぬけています。
ナ・リーグでは各球団がオフに徹底的に成績上位の打者の分析をして今シーズンに臨んでいると思います。
見事にHRを去年40本以上打った打者が封じ込められています。打率もかなり低いです。
投手上位のナ・リーグにあって54本打っているのは、飛びぬけています。
更にリーグを変わったジャンデイがあります。
ナ・リーグの投手は対戦したことのない投手が多かったと思います。対戦が少なければ、普通は投手有利です。
この意味でも、お構いなしに自己ベストを大きく更新して54本打ったのは、凄いことだと思います。
そして球場の違いです。
去年まで翔平君のホームだったエンゼルスのアナハイム球場は、全体ではホームランの出やすい球場です。
一方、ドジャーススタジアムはホームランの出にくい球場です。翔平君が今年、球団記録を塗り替えるまでの記録が49本です。
一番、ホームランの出にくい要素はナイターの時の風だと思います。昼間は無いようですが、ナイターの時はスタンドからホームに向かって風があるそうです。
高く上がったフライや、ギリギリのホームランが出にくいのです。
こう言った色々なハンデイを乗り越えての球場の記録49本を更新しての54本には、大きな価値があります。
一方でアーロン・ジャッジは慣れ親しんだヤンキースタジアムがホームです。
ヤンキースタジアムでは、ホームからスタンドに風が吹きます。フライを打ち上げるとホームランになりやすい球場特性があります。特にライト方向には、より強く風が吹くそうです。
ジャッジは、当然この風を計算に入れてフライを打ち上げているでしょう。
左バッターは、更に有利ですから翔平君がヤンキースタジアムをホームにしていたら、あるいはジャッジ以上の本数を打てるかもしれません。
と言うように諸々考え合わせると単純に本数比較をしても優劣は、決められないことになります。
ジャッジは、ヤンキースタジアムではNo1です。
翔平君は、ドジャーススタジアムではNo1です。
こうしか言えません。
もっとも、これはホームランだけの話でありジャッジは今年打者として格段の進歩を遂げました。
それは、OPS・長打率・出塁率をみれば差が歴然としています。
特に出塁率が大きく向上しました。
2022年.425 ⇒2024年.458
OPS
2022年1.111⇒2024年1.159
長打率
2022年.686⇒2024年.701
違いは明らかです。
ホームランの本数比較は楽しいですけれど、それはバッターの一部分でしかありません。
やはり打者比較に優れた指標は、「OPS」です。
そして「出塁率」と「長打率」を見ると、内容がより分かります。
しかし、ここにもう一つ加えたい指標があります。
「塁打数」です。「長打数」も加えていいかもしれません。
この指標を見ると強打者の度合いが分かります。
強打者のタイプも分かります。
ジャッジは、ホームラン・バッターのタイプの強打者です。
翔平君は、5ツールプレーヤー型の強打者です。
翔平君は、OPSから見るとまだまだ進歩する余地があります。OPS「1.500」を超えるようになると、超!凄いバッターになると思います。(今でも十分、凄いです)
ジャッジは、ベーブ・ルースの系統です。
翔平君は、ルー・ゲーリックの系統でしょうね❓
※これは翔平君が400塁打を達成したことに現れています。ルー・ゲーリックはメジャー最多の生涯に400塁打を4回達成しています。
ベーブ・ルースは2回です。
もっとも、この当時は年間試合数が156試合です。
今の162試合なら、ルースもゲーリックももっと数字が増えると思います。
こうやって考えていくと面白いでしょう❓
色々、楽しんでください。
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