「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナ軍の反撃作戦が停滞している理由と作戦の変更<2023年8月

2023-08-09 21:05:03 | ウクライナ紛争

理由は、二つあり?
ロシアの地雷は「異常な」密度、ウクライナ軍が反攻への期待感を抑制
2023.08.04 Fri posted at 12:43 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35207435.html

ロシア軍が半年以上かけて建設した防御網が想像した以上に強力であったことです。地雷原でも1平方メートル当たり3~5個埋められているとのことです。つまり50cm間隔で縦横、びっしり地雷が埋められている事になります。それが、一つの地雷原で延々と何百メートルも続きます。そこに塹壕と砲撃陣地や機関銃陣地などを組み合わせた、難攻不落と言ってもいいような防御網が築かれていました。ウクライナ軍も西側の関係者も、まさかここまでとは思わなかったようです。

その地雷を工兵部隊が、一々手作業で除去しないと重戦闘車両は進めません。犠牲を少なくしようと思えば、ごくわずかしか進めない状況のようです。

もう一つの理由が・・・
米軍がウクライナ兵に教えた戦術は間違っていた、これからは従来の戦法で
2023年8月7日(月)18時02分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/08/post-102378.php

アメリカ軍やNATOが想定していた戦争とは異質の戦争が展開されていることです。つまり、イラク戦争のような戦争を想定して作戦計画や訓練をしたようです。しかも航空優勢がありません。強力な陣地網を攻撃するには、全く役に立たない訓練でした。従って、作戦計画も最初から間違っています。

だから攻撃開始当初、ウクライナ軍に戦闘用車両に大きな被害が出ました。ほんの1週間くらいで40~50両破壊されたと思います。損害が大きすぎてウクライナ軍は作戦を変更して、まず地雷を除去する計画に変更しました。だから簡単に言うと、当初のスピードは放棄されました。時間はかかるけれど損害の少ない方法を選択したようです。

そのためウクライナ軍は、新規で編成した強襲旅団を温存しています。そして現在の戦闘に合った訓練をやり直していると思います。NATOで受けた訓練は、ほぼ役に立たないからです。

※そのような事情があり、ウクライナ軍は全体の作戦計画を練り直したように見えます。地上の攻撃が遅いので、それはやむを得ないこととして、ロシア軍を消耗させる作戦を今、実行しているように見えます。

それは、去年ヘルソン州のドニプロ川西岸を奪還した時の作戦です。装備と兵力に劣るウクライナ軍は、徹底的に後方の物資の備蓄基地や司令部、レーダーなどを破壊して前線のロシア軍を弱体化させる作戦です。
それは成功して補給が滞り指揮命令系統が混乱したロシア軍は、徐々に後退を余儀なくされました。こうして戦って勝ったというより、ロシア軍を追い出しました。最後は、補給の出来なくなったロシア軍は、自らドニプロ川東岸に撤退しました。

同じような発想で、クリミアの武器庫を破壊したり、あるいは戦線を広げるための攻撃も始めました。モスクワなど都市部へのドローン攻撃もその一つです。

黒海のロシア軍の艦船の攻撃も始めました。クリミア橋を攻撃するようなあまり効果の期待できない攻撃は止めて、直接軍艦やタンカーを攻撃しました。

黒海軍港への無人艇攻撃、ロシアで憤りと懸念 紛争の「飛躍的拡大」
2023.08.05 Sat posted at 09:36 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35207466.html

ロシアのタンカーに無人艇攻撃 当局が報復を示唆
2023.08.06 Sun posted at 10:25 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35207480.html

ウクライナ軍の無人艇(ドローン)は、完成しており実戦配備されています。ウクライナ軍がロシアの海軍基地や港湾の攻撃を決意した以上、黒海のロシアの軍艦やタンカーなどは無事ではすみません。航続距離は、軍艦の攻撃を見れば700kmを超えます。クリミアに近いロシア領は、全部航続距離の範囲です。ケルチ海峡付近を航行中のタンカーが攻撃されましたからこの付近も攻撃範囲です。

更には、輸送路の攻撃も始めました。
クリミアとヘルソン州を結ぶ2つの橋で爆発 「ウクライナのミサイル攻撃」と親ロ派
2023.08.07 Mon posted at 10:23 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35207497.html

これは、以前にも攻撃されたことがありますがクリミア半島とヘルソン州を結ぶ橋です。言ってみれば高速道路です。ここが通行不能になると陸路の一般道しかありません。当然、時間もかかりますし輸送量も減ります。この攻撃が、占領地のロシア軍には一番堪えると思います。ヘルソン州とザポリージャ州のロシア軍の補給路だからです。つまり、ウクライナ軍はロシア軍の補給を妨害する作戦を開始しました。やはり大きな橋などはウクライナの国有財産でもありますから本格的な破壊は避けていたと思います。ロシア軍の補給路を破壊するためなら何でも実行すると思います。

そうしてヘルソン州とザポリージャ州のロシア軍を弱体化させないと、陸上部隊が防御網を突破して進撃するのは現実的に無理だと気が付いたと思います。そうであるなら去年、ヘルソン州のドニプロ川西岸を奪還した時と同じ方法を取ると思います。(既に、そうしています)

その上でヘルソン州やザポリージャ州の物資の備蓄基地を小まめに潰していくと思います。このような作戦計画は、NATOが指導した作戦には、なかったと思います。

地上部隊の進撃が遅ければ、他の方法を考える必要があります。ウクライナ軍の作戦本部は、様々な方法を考え出すと思います。やはり実際の戦闘に合わせた作戦計画は、ウクライナ軍にしか立てられません。そうすると思います。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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