東部激戦地から撤退決定 軍総司令官「包囲を回避」―ウクライナ
2024年02月17日10時55分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024021700324&g=int
ウクライナ軍総司令官、東部アウディーイウカからの撤退を表明…ロシア軍から猛攻
2024/02/17 11:02
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240217-OYT1T50050/
現在、アウディーイウカ市内は混乱の極みにあると思います。隠しようもありませんから「撤退の決定」を表明したのであろうと思います。
これで参謀本部の指示が出ましたので撤退が本格的に始まるとは、思います。
しかし現実問題、既に市内では司令部が命令を出しても無意味な状態にあると思います。市内の防御は完全に崩壊していると思われ、全体としての軍事行動が出来ないと思われるからです。
特に市街東の郊外で防衛していた部隊は、市街西までは多少距離があります。
市街の三方向から(東・北・南)ロシア軍が攻撃しています。
単純に撤退するのさえ、かなり難しいと思います。
しかも撤退に使える道路は、ほぼ農道と言っていいような細い土道です。大型の軍用車両が歩兵と一緒に移動するのは不可能です。
つまり❓
重火器を伴った撤退は出来ません。
歩兵だけが徒歩で撤退するしか方法はないと思います。
道が細ければ2列縦隊形式で移動するしかありません。
仮に3000人以上の部隊が市内に残っているとすれば、全部撤退するには、かなりの時間が必要だと思います。
逃げたくても逃げる方向は市外の西に限定されており、しかも細い農道しかありません。
ここに三方向からのロシア軍の追撃があります。
撤退する農道もロシア軍の砲兵部隊やドローンの射程の範囲です。細い農道を撤退するウクライナ軍には、砲弾やドローンが攻撃を加えるでしょう。
うっかりすると、北方向から迫りつつあるロシア軍から銃撃されるおそれすらあります。
ロシア軍の市街北側の攻撃が速すぎて、ウクライナ軍としては事態が把握できないうちに、一気に市街北側を西の郊外まで突破されてしまいました。
その間、5日もあったかどうか・です。
出来ることは、ほぼ何もなかったと言うことです。
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https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/victory-for-the-russian-army-commander-in-chief-shirsky-announces-withdrawal-from-audi-iuka/
<タブリア作戦軍司令官のタルナフスキー准将>
「命令に従いアウディーイウカから事前に準備された陣地まで撤退した」
しかし、この発表とは異なり市内には、かなりの部隊が残っているようです。
事前に撤退が発表されていたのは、「ゼニト」(旧防空基地)の守備部隊だけです。
それ以外では、第110機械化旅団の兵士の一部が後方に撤退したようです。
それ以外にまとまった数の部隊が撤退したことは、少なくとも確認されていません。
更にこの記事の略図によると、撤退路となる脇道の農道は戦闘範囲に入っているようです。
市街西への代用の撤退路は、危険が増しておりロシア軍の進撃スピードを考えると2~3日のうちに遮断されると思います。
今となっては、出すべき命令は「撤退命令」ではなく「降伏命令」であるべきなように思います。
理由は、既に撤退するには遅すぎます。
無理に撤退しようとすれば、ロシア軍に追撃されますし撤退路でも襲撃されると思います。
つまり❓
今となっては、逃げても犠牲が増えるだけです。
といって補給が途絶えている以上、長く戦闘を続けることも不可能です。
市内に残されたウクライナ軍兵士は、全滅するか降伏するかしか選択肢はないように思います。撤退しても半分も撤退できないと思います。今となっては、犠牲が一番少ない道を選ぶべきだと思います。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27