2024.07.24
ウクライナ人記者、ポクロウシク方面におけるロシア軍の前進速度は驚異的
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-journalist-the-speed-of-russian-troops-advance-in-the-pokrovsk-area-is-astounding/
ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏の引用を紹介します。
一応、ブトゥソフ氏の立場を書くとほぼウクライナ軍批判をする人です。言っていること自体は正しいです。しかし、結果としてウクライナ軍批判が大統領府(=ゼレンスキー)擁護になっています。
このような人たちが、ザルジニーやザルジニー派の軍幹部の更迭や降格に一役買ってきました。
今度は事実上のシルスキー最高司令官批判をしています。
要は、今のウクライナ軍最高司令官は誰がやろうと戦局は好転しないと言うことです。
理由は、そもそも軍事的リソースが不足しすぎてウクライナ軍としては、対応のしようがないからです。
※以上はウクライナ軍の現状の説明です。
先日伝えた状況とそれほど違いはありません。
余りにもロシア軍の進撃が急激だったので距離的な点に気が付きませんでした。
ブトゥソフ氏の報告
「敵は1週間で6kmも前進してディミトロフまで14kmの位置に到達した」
「ここはドニプロ州の手前にある最後の防衛拠点でロシア軍の前進スピードは驚異的だ」
「“敵はディミトロフまで14kmの位置に到達した。僅か14kmしか残されないのだ。既にディミトロフは大砲の砲撃を受けており、ロシア軍の侵入を許せばポクロウシクへの道が開かれる。ポクロウシク・ディミトロフ地区はドネツク州の西端に位置しドニプロペトロウシク州の手前にある最後の防衛拠点でロシア軍の前進スピードは驚異的だ”」
他の内輪もめや責任のなすり合いはパスします。
まず1週間に6km前進したとのことで、その距離に驚きます。
そしてデイミトロフМирноградまで14km地点までロシア軍が迫りました。
もう榴弾砲の砲撃を受けていると言うことです。
その手前の集落や都市が外郭の防衛ラインになるのかと思っていましたが、その後方のデイミトロフМирноградが榴弾砲の砲撃を受けているようでは、それも危いです。
手前は、もっと砲撃を受けるからです。
ロシア軍の現在地から西のルートT-0511上にある大きな市街地のあるフロデイフカHrodivkaで持ちこたえられなければ、その先がデイミトロフМирноградです。デイミトロフМирноградのすぐ西がポクロウシクPokrovskです。
ロシア軍の砲兵部隊がかなり前に進出しているようですから、ウクライナ軍がこれを攻撃する手段を失っているのだろうと思います。
事前に行ったであろうランセット(ドローン)攻撃でウクライナ側の火力をかなり破壊したと言うことであろうと思います。
榴弾砲で大きな前衛拠点であるデイミトロフを砲撃されているようでは、相当危機的と言えます。
デイミトロフ~ポクロウシクの攻防戦は、年末ではなく10月ごろに早まるかもしれません。
そこから20km位西に行くと州境です。
ブトゥソフ氏の報告の通り「ポクロウシク方面の状況は危機的だ」。
このような状況です。
もうウクライナ軍としては、どこで防衛戦を行うか決めて、この方面の部隊を後方に集結して(撤退させて)戦うしか方法は無いと思います。
今のように拠点を全部守ろうとすれば、拠点ごとに各個撃破されるだけでしょう。
そんな事をやっていれば、年末にはロシア軍は州境まで到達すると思います。
※ここに来て急にウクライナ側に停戦に向けた動きが出てきたのは、これが理由のようです。
※現在のロシア軍の進撃した地点
◎ロズヴァツケLozuvats'keの西に2km弱進出
南に下って南を包囲する動き
◎プロレスProhresからの西へ2・5km進出
ルートT-0511の2km程度の地点にイワニフカIvanivkaとVesele、この先がフロデイフカHrodivka。
フロデイフカHrodivkaはデイミトロフМирноградの外郭防衛ライン
線路沿いを南西に下るとセルヒウカSerhiivkaとゼランヌZhelanneに行きつく
◎つまりデイミトロフМирноградの外郭防衛拠点のフロデイフカHrodivkaまでロシア軍の現在地から5km程度まで肉薄
◎これまでの進撃スピードなら数週間で到達可能
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27