ウクライナ、ポーランドなど3カ国をWTOに提訴 農産品禁輸で
2023年9月19日午前 8:11 GMT+92ヶ月前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WCFJ37LZOVJJDLM7FNDBD2CZSQ-2023-09-18/
欧州連合(EU)のウクライナ優遇政策が、特に東欧諸国に様々な不利益をもたらしてそれに耐えかねた一部の国がEUの政策に反する行動をとり始めました。
それが、ポーランド、ハンガリー、スロバキアの3カ国のウクライナ産農産物の禁輸措置の発動になりました。自国の農家を守るための処置です。
これに対しウクライナが、欧州連合(EU)のウクライナ優遇政策を理由にWTOに提訴しました。
このWTO提訴が、それまでポーランドが支援のために我慢してきた反ウクライナ感情を一気に表面化させました。感情が爆発したと言ってもいいでしょうね❓
それに輪をかけたのがゼレンスキー氏の国連での発言などの行動です。
※参考記事
ポーランド、ゼレンスキー氏の国連演説に抗議 穀物輸入巡り
2023年9月21日
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AL4OXOCSVNK5HJZOLWELC66AXM-2023-09-21/
「欧州の友人がモスクワを手助け」発言にポーランド猛反発、首相「ウクライナに武器供与しない」
2023/09/21 21:09
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230921-OYT1T50293/
ポーランド、ウクライナへの武器供与を停止へ 穀物輸出で対立
2023年9月21日
https://www.bbc.com/japanese/66874151
※それまではポーランドは先頭に立って積極的にウクライナを支援してきました。しかしウクライナがそれに対して感謝する様子は少なかったように見えます。ウクライナの迎撃ミサイルのポーランド着弾事件もありました。それに対してウクライナは謝罪も補償も申し出ていません。調査に対しても協力的でないそうです。ポーランド政府がブチ切れる下地は他にも積み重なっていたのではないかと思います。WTO提訴が引き金になって爆発したと言うことでしょうね❓
実は、ポーランドとウクライナの関係は2015年以降、急速に悪化していました。ロシアの軍事侵攻が一時それを棚上げしていました。
ポーランドとウクライナの関係
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%A8%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82
このような経緯があるためにポーランドの悪化したウクライナに対する感情は元には戻らないと思います。
ウクライナ側の歴代政権のポーランドに対する高圧的な態度があり、ゼレンスキー氏がそれにダメ押しをしました。結局ウクライナは、ポーランドにとっては(極悪)ウクライナにしか過ぎなかったわけです。そうなればポーランド国民のウクライナに対する悪感情は、多分増幅したと思います。国民の悪感情を、ポーランド政府が無理に抑えていた側面が強いからです。
ポーランドのトラック運転手の国境封鎖問題もその一つの現れです。もう我慢できない!と言うことでしょう。ポーランド農民が加わっているようですし、スロバキア国境でも同じ動きがあるようです。
2023年11月22日 1:57
NATOは異常なウクライナ援助をいつまで続けられるか❓<ウクライナ紛争2023.11.22
https://smcb.jp/diaries/9175727
EUの東欧諸国を無視した余りにも不公平なウクライナ優遇政策に東欧諸国が反旗を翻したと言えます。
ポーランドに限ってみてもポーランド国民はウクライナを支持していませんし、当然支援に反対していると思います。それがポーランドの総選挙の結果に表れています。
『ポーランド総選挙、親EU野党勢力が過半数確保へ-通貨と株急騰』
2023年10月16日 8:23 JST 更新日時 2023年10月16日 18:41 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-15/S2LAFBT1UM0W01
これまでウクライナ支援を主導してきた与党が過半数割れしました。ウクライナ支援に反対する野党連合が過半数を握りました。ウクライナ支援は、議会からも否決されるケースが増えると思います。
それだけではありません。EUのウクライナ支援予算もハンガリーが反対の姿勢を示しています。
『EUのウクライナに対する経済支援(500億ユーロ)も軍事支援(200億ユーロ)もハンガリーが同意しないため成立の目処が立っておらず、EU関係者は「もしハンガリーが拒否権を発動すれば加盟国に対して2ヶ国間の支援策を設定するよう要請する」と述べているが、EUに拠出した資金からではなく加盟国の独自資金でウクライナ支援を行って欲しいという要請にどれだけの国が同意するのか分かっていない。』
アメリカのケース
『「時間さえかければウクライナ支援法案(600億ドル)が下院を通過するのか」さえ怪しく』
https://grandfleet.info/european-region/czech-presidents-counter-offensive-strategy-is-disappointing-and-supporting-countries-are-feeling-war-fatigue/
つまりウクライナのWTO提訴は、ポーランドの国民感情の爆発を招きそれをスロバキアが応援しハンガリーが便乗するキッカケを作りました。ハンガリーは、元々反ウクライナ親ロシアです。スロバキアでも政権交代が起こりウクライナ支援に反対する親ロシア政権が誕生しています。
ウクライナがこれらの国々から支援を得るのは、難しくなりつつあります。そしてこの3か国はEUの加盟国です。3か国が協力してEUの政策に反対すれば、EUとしてのウクライナ支援予算すら決議できなくなります。
それを招いたのは、過去のウクライナ政府の高圧的な態度です。身から出た錆と言えるでしょう。ゼレンスキー氏はそれをダメ押ししました。
ポーランドが非協力的になればウクライナ軍の訓練から支援の武器・物資の輸送まで全部、妨害されます。その影響をゼレンスキー氏は、考えていなかったのでしょうね❓
まずは、国境封鎖されてしまいました。