「産業革命以来の大変革」は間近──電力会社が挑戦する「水素社会」
2023年3月24日(金)12時30分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2023/03/post-101182_1.php
日本のマスコミを見ると、日本は電気自動車で出遅れているというような記事を、よく見かけます。実際、電気自動車は販売量が増えていて、それが未来の自動車のように見えます。
しかし、本命は水素エネルギーです。その次は、核融合エネルギー。核融合は実用化には、程遠い技術です。これから開発されていく技術です。一方、水素エネルギーは既に実用化されています。あとは、水素の生産価格を引き下げることと、関連インフラの整備。そして水素をエネルギーとする車や船、発電その他利用する製品の生産コストの引き下げです。これは、量産化でカバーできると思います。
水素を生産することに関しては、めどが立ちつつあります。
記事から引用>
カリフォルニア州とニューヨーク州でも水素燃料電池を搭載した長距離トラックや宅配トラックの実証試験が行われている。アメリカでは水素を燃料とするフォークリフトやバスの導入も進み、既に多くの州で水素で走るさまざまな車の実証試験が実施され、本格的な実用化に向けデータが蓄積されている。
ハイグリッド・プロジェクトのような実証事業は今後も全米各地で行われ、グリーン水素の安全性やコスト効率が検証されるとともに普及に向けた技術開発も進むだろう。
DOEは既に水素燃料の輸送と貯蔵を支える水素インフラ整備を進めるための官民のパートナーシップ、H2USAを立ち上げている。
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水素は天然ガスより高価だが、量産化によるコスト低下が期待される。水電解装置の製造で世界最大手のノルウェー水素企業ネルは、早ければ2025年にはグリーン水素の製造コストは化石燃料と同程度になるとみている。
DOEは今後10年で水素1キロ当たりの水素の製造コストを1ドルまで下げ、水素社会の実現に王手をかける計画だ。
<引用終わり
つまり価格の問題は、やがて解決され10年後には価格競争力のあるエネルギーになる可能性が出てきました。アメリカは、それに向けた様々な取り組みをしています。もちろん、ドイツやノルウェーでもされていますが、アメリカの取り組みが、一番大きいと思います。既に米国内には2500キロ以上に及ぶ水素パイプラインが整備されていて、ほぼ全ての州に水素の製造施設があるとのことです。
アメリカは、もう水素型社会への移行段階にあると言っていいでしょう。アメリカがそうなれば、他も大抵そうなります。
水素にはさまざまな用途があります。基本的にガソリンエンジンを利用するもの全てに置き換えることが出来ます。それは、乗用車・トラック・列車・発電・船舶その他ほぼ全ての化石燃料を利用しているものと置き換えることが出来ます。さすがに飛行機は、どうかなと思いますがプロペラ機なら十分可能でしょう。
化石燃料に変わる次世代のエネルギーである事は間違いありません。おそらく10年後には、それが普通になると思います。
例えば、トヨタやホンダが電気自動車の開発を遅らせてきた最大の理由です。もう、水素エンジンを搭載した乗用車が実用化されているからです。水素の生産価格が安くなり、関連インフラが整備されれば、即大量生産に移行し市場に投入することが出来ます。だから、トヨタやホンダにしてみると、過渡期的な電気自動車に多額の投資をすることは、出来たらしたくないことなんですね。
だから、税金はこの技術開発とインフラ整備に投入するべきです。アメリカがその方向で社会全体が動き始めている以上、それがスタンダードになります。それが世界に普及していくことは、地球環境への負荷を大きく減らすことになると思います。