昨日は施設の子達と焼きそば作りをした。
皆で材料の買い物から行ったのだが、それぞれ職員は2、3人の子を担当して連れてスーパーを歩いた。
私は一番の元気者のミサコちゃん小学3年生と、ハルくん小学5年生を担当してお肉ともやしを買いに歩いていた。
しかし、なぜかマサトくん中学2年生まで私のグループに加わって手を繋いできた。
あれ?マサトくんはユウさんの担当のはず。
(ちゃんと見てろよユウ)
とばかりにユウさんの方を見ると、一番手がかからない4年生の男の子だけを連れて遠くの方を歩いていた。
まったく、相変わらずな男だ。
あんな男にマサトくんを任せるわけにはいかない。
マサトくんに目を放したら、どこかに走っていったり何をするかわからない。
私はマサトくんとミサコちゃんと手を繋ぎ、ハルくんにカゴを持ってもらって歩いた。
肉ともやしだけを買うにも、子供達は違う方に行きそうになったり、商品に穴を開けそうになったり。
なんとか無事に買い物を終え、施設に帰った。
さてここからが本番。
包丁を持たせるから、片時も目を放せない。
若い正職員マミさんが、○○ちゃんと○○ちゃんはキャベツ、○○くんは玉ねぎね、というように振り分けて指示した。
子供達は危なっかしい手つきで野菜を切り始めた。
私は特に心配な玉ねぎと人参を切ってる子達の間に入って見ていた。
トン…トン…
そうそう、ゆっくりでいいよ、ゆっくりね、と。
子供達が真剣に切ってる間、子供達を見守るでもなく、アニメの話をしている大の大人二人、ヒロキとユウ。
私の中で、もうあの二人は野菜の切れ端のごとく捨てたので、別にいいが。
「ヒロキさんユウさーん、ホットプレートを出したりして準備してれば?」
お!
そこにパートのアイさんのひと声。
アイさんは普段、私やヒロキ、ユウとは違う階の子達を担当して仕事をしているから、ヒロキユウのダメぶりをよく知らない。
アイさん、これで少しはわかってくれたようだ。
アイさんはしっかり者で厳しい人だから、ヒロキユウと普段一緒に仕事をしたら、とんでもないことになるだろう。
ヒロキユウは、私と一緒で救われているのだよ、感謝しろ。
いや…?
むしろヒロキユウのようなバカ男ズは、厳しいアイさんと一緒の方が良かったのかもしれない。
その方が本人達のためにもなったのだ。
ていうかさ、アイさんはまだ28歳。
ヒロキと同い年、31歳のユウに至っては年下なんですけどーちゃんとしろよバカ男達。
「あ、もうそこからは危ないから、たかぽんさんが切ってあげた方がいいんじゃないですか?」
と、アイさん、今度は私へのひと声。
気がついて両脇の玉ねぎと人参を見たら、小さくなっていた。
「あ、そうだね、じゃああとは私が切るね」
て…、え?
包丁を持った私の手に、皆の視線が注いでいる。
もしや、たかぽんさんは年の功で、さぞ包丁さばきが上手いのだろうと注目している?
げっ…見てる。
子供達も、アイさんもマミさんもヒロキもユウも…。
とんとんとん…
(み、見ないで!)
とんとんとん…
(おばちゃんだからみんな料理上手と思ったら大間違いよ!)
とんとんとん
調理をする部屋の中で、私の華麗な、いや加齢な、包丁の音だけが響き渡っていた。
とんとんとん…
とんとんとん…
皆で材料の買い物から行ったのだが、それぞれ職員は2、3人の子を担当して連れてスーパーを歩いた。
私は一番の元気者のミサコちゃん小学3年生と、ハルくん小学5年生を担当してお肉ともやしを買いに歩いていた。
しかし、なぜかマサトくん中学2年生まで私のグループに加わって手を繋いできた。
あれ?マサトくんはユウさんの担当のはず。
(ちゃんと見てろよユウ)
とばかりにユウさんの方を見ると、一番手がかからない4年生の男の子だけを連れて遠くの方を歩いていた。
まったく、相変わらずな男だ。
あんな男にマサトくんを任せるわけにはいかない。
マサトくんに目を放したら、どこかに走っていったり何をするかわからない。
私はマサトくんとミサコちゃんと手を繋ぎ、ハルくんにカゴを持ってもらって歩いた。
肉ともやしだけを買うにも、子供達は違う方に行きそうになったり、商品に穴を開けそうになったり。
なんとか無事に買い物を終え、施設に帰った。
さてここからが本番。
包丁を持たせるから、片時も目を放せない。
若い正職員マミさんが、○○ちゃんと○○ちゃんはキャベツ、○○くんは玉ねぎね、というように振り分けて指示した。
子供達は危なっかしい手つきで野菜を切り始めた。
私は特に心配な玉ねぎと人参を切ってる子達の間に入って見ていた。
トン…トン…
そうそう、ゆっくりでいいよ、ゆっくりね、と。
子供達が真剣に切ってる間、子供達を見守るでもなく、アニメの話をしている大の大人二人、ヒロキとユウ。
私の中で、もうあの二人は野菜の切れ端のごとく捨てたので、別にいいが。
「ヒロキさんユウさーん、ホットプレートを出したりして準備してれば?」
お!
そこにパートのアイさんのひと声。
アイさんは普段、私やヒロキ、ユウとは違う階の子達を担当して仕事をしているから、ヒロキユウのダメぶりをよく知らない。
アイさん、これで少しはわかってくれたようだ。
アイさんはしっかり者で厳しい人だから、ヒロキユウと普段一緒に仕事をしたら、とんでもないことになるだろう。
ヒロキユウは、私と一緒で救われているのだよ、感謝しろ。
いや…?
むしろヒロキユウのようなバカ男ズは、厳しいアイさんと一緒の方が良かったのかもしれない。
その方が本人達のためにもなったのだ。
ていうかさ、アイさんはまだ28歳。
ヒロキと同い年、31歳のユウに至っては年下なんですけどーちゃんとしろよバカ男達。
「あ、もうそこからは危ないから、たかぽんさんが切ってあげた方がいいんじゃないですか?」
と、アイさん、今度は私へのひと声。
気がついて両脇の玉ねぎと人参を見たら、小さくなっていた。
「あ、そうだね、じゃああとは私が切るね」
て…、え?
包丁を持った私の手に、皆の視線が注いでいる。
もしや、たかぽんさんは年の功で、さぞ包丁さばきが上手いのだろうと注目している?
げっ…見てる。
子供達も、アイさんもマミさんもヒロキもユウも…。
とんとんとん…
(み、見ないで!)
とんとんとん…
(おばちゃんだからみんな料理上手と思ったら大間違いよ!)
とんとんとん
調理をする部屋の中で、私の華麗な、いや加齢な、包丁の音だけが響き渡っていた。
とんとんとん…
とんとんとん…