今回は現場で実施する試験を紹介。
場所は、前回紹介した補強土壁部。
何の試験かと言いますと・・・
土の密度を確認する試験です。
盛土を行う場合、
土を盛って締め固めるのですが、その締固め度も規定されています。
(補強土壁は土の重量と強度でその構造を保っているので密度は重要!!)
なぜかと言いますと、
ただただ土を盛ると、土が緩んだ状態で仕上がります。
すると雨が降ると崩れたり、重たい物を乗せると沈んだりしますよね。
しかし、土を盛った後しっかり締め固めると、
雨が降っても崩れず、重たい物を乗せても沈みません。
ということで、盛土も強度が必要ということになります。
道路は、乗用車でも1~2t、大型車で荷を積んでいると25t~
とかなりの重量が道路に圧し掛かります。
強度重要です。
で、どのような試験かと言いますと、
砂置換法と言いまして、
まず盛土した土砂を抜き取り、そのあと
抜き取った孔にあらかじめ計量しておいた砂を充填。
抜き取った土砂の質量と置き換えた砂の質量から
体積を求めるものです。
説明より写真ですね。
まず、土の抜き取り。10~15cmの深さまで抜き取ります。
土を抜き取った後、砂で置き換え
砂が充填されれば現場での試験は終了。
抜き取った土と置き換えた砂を試験室に持ち帰り、
重量計測等を行い結果を導き出します。
この試験方法は、独自で行っているのではなくJISで規定された方法で、
試験に使用している器具、砂も細かい規定があります。
必要となる密度は、構造物により違いはありますが、
今回は補強土壁ということで95%以上の密度が必要。
当然施工は密度が得られるよう締固め機械を用いて何度も締固め作業を行います。
しっかり施工しているので、まず規定密度を下回ることはありません。
決まり事ということもありますが、万が一のための確認、
またしっかり施工している証明にもなりますので今後も
工事施工しながら密度試験行っていきます。
土木部 6022
現在、補強土壁の施工中です。
補強土壁とは・・・
簡単に言うと土止め。
土を盛って道路を造るのですが、
土ってその性質上、垂直には仕上げれないですよね。
そこで補強土壁で土止め。
土止め工法は、他にもありますが、
公共工事では、必要な強度を有している工法の中で
一番安価な工法を採用することが多いです。
補強土壁工法が一番安価だったかは分かりませんが、
最近は橋やカルバートなどの構造物周辺や、
用地に余裕がない場所などは、この補強土壁工法が
採用されていることが多いです。
実際の施工状況
1枚目の写真で盛土を止めているのがお分かりいただけるかと思います。
壁立てて、裏側の土を充填すれば簡単そうなものですが、
実際は、壁が倒れないようまた、盛土が崩壊しないよう
細かな部材を多く配置することでその構造を保っています。
約50mの延長で高さが約5.5mの施工、
盛土で仕上げれるのであれば、
約2週間で盛り上がります。
この工法は、約1か月の間ひたすら
壁立てて、
部材配置して、
土盛って、
の繰り返し・・・。
飽きます。
けど、止めるわけにもいきません。
前回の踏掛版同様、道路には必要な構造物。
明日も
壁立てて、
部材配置して、
土盛ります
土木部 6022
ようやく防寒着にさよならを告げれる
気温まで上がってきました。
しかーし、曇れば風が冷たくひんやり・・・。
いつになったら半袖で仕事ができるのやら。
でも、中には半袖で作業している人も。
写真の作業の中でも半袖が1名。
鉄筋を組み立てる作業、
当然近くまではトラックで運搬してくるのですが、
配置はすべて人力。
6m×7mの囲い(型枠)中に重量2.7tもの鉄筋を組み立てていきます。
そりゃ暑くもなります
組立完了はこちら
縦横決まった寸法で、ズレもなくキレイに組み上げてもらいました。
これは、構造物と土の部分を段差を防ぐために設けられる踏掛版。
このあとコンクリートを打設して踏掛版は完了となりますが、
道路の完成時には埋まって見えなくなってしまいます。
これだけ見れば、小さな構造物かもしれませんが、安全面でも
重要な役割を果たしている目に見えない構造物です。
皆さんの目に触れないかもしれない構造物、
まだまだたくさんあります。
すべては、安全で快適に道路を走行するために
必要不可欠なものです。
当たり前ですが、抜かりなく施工してきます。
土木部 6022