(2017.5.31 安積疏水の“円筒分水”:須賀川市)
それは、須賀川市泉田字雁沢地内にある西部電機の裏手にありました。
道路から、安積疏水のこんこんと流れる水路をたどって草むらを進みます。
これが安積疏水の円筒分水(えんとうぶんすい)。想像していたより大きな設備にわたしも“ワイフ君”も少し驚きました。
これは、流れてきた安積疏水の農業用水を耕地面積に対して平等になるように分配するための利水施設。用水を中央の円筒から湧き出させ、円筒に開けた穴から外周の堀に流します。ここの場合、穴は全部で10個あり、分岐する2本の水路に対し3個と7個になるように仕切りがつけられていました。
向かって左が穴3個分の水路、右側が7個分流れる水路です。これなら上流からの水量がいかように変化しても、分岐の水路に流れる量は常に3:7。様々なところでこのような利水施設が活躍しているみたいですが、古くから続いた間の水争いをなくすためにこのような設備が考案されて用いられたんですね。
錆びた吐き出し口の金具に、日本遺産に認定された安積野開拓と安積疏水の歴史、そして先人たちの偉業と知恵を感じてきました。
★ネット上の資料を参考に『円筒分水堰』と記載していましたが、一般的には『円筒分水』または、土木分野の工事の名称『円筒分水工』をそのまま設備の呼称として用いられるそうなので、文中の記載を『円筒分水』に変更させていただきました。
先人たちの知恵ですね。
初めて知りまして、
勉強させていただきました。
またどうぞよろしく。。。
ですが、安積疏水のことを調べていてこれは面白いと思い、ぜひ実際に見て確かめたいと思ったのです。“ワイフ君”がどのような反応を見せるか少々不安だったのですが、ことのほか喜んでくれたのでホッとしました。
おたずねの仕切りのことですが、この設備の仕切りはコンクリートの作り付けで、移動はできません。現代の技術をもってすれば“なでら男さん”のおっしゃるような可変流量式の設備も可能でしょうね。
おそらく“なでら男さん”が見られたというものもこのような設備だと思います。
どこのが、一番古いのでしょうかね?
そのほかにも円筒分水データベースというものが沢山あって、大玉村玉井字長井坂地内にも「長井坂円形分水」というものがあると記載されています。これも見てみたいですね。
(参考)http://entoubunsui.com/entoubunsuidata.html
(参考)http://entoubunsui.com/
須賀川市内に1ヶ所あると聞いていたのですが、民家の庭とかではないのですね?
フラッと立ち入っても大丈夫なのでしょうか?
私は自転車でも見に行ってみようと思います。
場所は“Google Map”などで「須賀川、西部電機」で検索して見れば分かると思います。ちょうど西部電機の裏側になりますから、西部電機南側の民家の先に道路を横断して安積疏水の水路があります。その水路に沿って行けば大丈夫です。
実際に見ると感動ものです。
わざわざ、同じ大きさの小さい穴を3つと7つ開けてあるのは、公平な量が流れていることを証明するためなんでしょうかね(^^ゞ
このような形にしたのは、まったく“へばなさん”のご推察通りだと思います。おっしゃるように、溢れるほど流れてきても、チョロチョロしか流れてこなくても3対7ですよね。いい仕事してますね。