それ、問題です!

引退した大学教員(広島・森田信義)のつぶやきの記録

プロ野球ドラフト会議を観て

2017-10-26 21:48:55 | 教育

 わが家の庭に実ったりんご(土岐&アルプス乙女)

 今日は、プロ野球のドラフト会議があった。7球団が同じ選手を指名するなど、予想通りであったが、喜びを隠しきれない選手や関係者がある一方で、指名から外れた気の毒な選手もいて、特に後者については、かなりの期間取材をして、カメラとレポーターが待ち受けているのに残念な結果が出て、見ているのもつらいような事例もあった。しかし、ながら、この会議は、プロを目指す野球選手にとってはおめでたい行事であることには違いない。選に漏れた人たちは、長い人生を見直す契機を与えられたのであるから、今後も意思を貫くのか、新しい生き方を切り開くのか、しばらくはゆっくりして、その後に先達のアドバイスを受けながら、前向きに取り組んで生きて欲しいと願うばかりである.テレビでは元ヤクルトの古田捕手・監督が、「ぼくも指名がなくて……」と過去のつらい思いあを披瀝していたが、これも幾ばくかの励みになる言葉であったろう。
  これからしばらくは、球団との交渉過程が報道され、これまで縁のなかったような額の契約金や年俸が話題になろう。選に漏れた人は、自分には関係のない他国の話だとでも思ってやり過ごして欲しい。
 ドラフト会議の一方で、このところ、戦力外通告を受ける選手が話題になる。一般にスポーツ選手の活躍期間は短い。引退後の長い人生を考えると短期間の収入の多さは、人生を狂わせることもあろう。しかし、突然やってくる戦力外通告は、いかにも非人間的である。結婚後まもない選手、幼子を抱えて大黒柱のはずの選手が、一夜にして無収入になる。しばしばテレビでドキュメントを放映するが、気の毒で見ていられない。何とかならないのかと思いつつ、歯がゆい思いをしている。 そこで提案であるが、選手全員が、契約金、年俸の一定割合を、選手の「失業手当基金」として、拠出し、積み立てておくことである。プロ野球の選手には、びっくりするような高額の契約金や年俸を手にする者もあるが、彼らとて、いつ負傷し、病気になり、現場から離れることになるか分からない。「明日はわが身基金」として、拠出してはどうだろう。
 最近は、大学などでも、「任期制」採用の教員が増え、落ち着いて研究と教育ができない状況があり、収入が途絶えることもある。ローンも組みにくいと聞く。成果主義・能力主義などと言えば聞こえはよいが、すべてが同じ、しかも高次の能力を有することをを前提とするような制度は人間的でも、生物学的でもない。グループを作ると構成員の中には、必ず一定の割合の怠け者、貢献できない者が生じるのだという。できる者、できない者を抱え込みながら生きていくのが望ましい集団だと言えるのかもしれない。豊かな者は、そうでない者のために、今、恵まれた境遇にあるものは、そうでない者や、そうでなくなるかもしれない自分のために行動し、準備をしておこう。自己責任とばかりは言えない、弱者切り捨て社会、職場にならないことを願っている。