それ、問題です!

引退した大学教員(広島・森田信義)のつぶやきの記録

新聞の正体

2018-03-12 22:29:07 | 教育

  (三次市・風土記の丘の美術館に展示された雛人形)

 新聞販売店が経営的に追い詰められ、新聞社からの過酷な要求に絶えきれずに自死をする者も出てきているという。(『月刊文藝春秋』、95年3月号)
 また、新聞奨学生が、募集広告の内容と全く異なる不利な条件での労働を強いられ、勉学を諦めるという矛盾した事態を招いているともいう。
 新聞は、ブラック職場を糾弾する役割を果たしている。我々は、ネットやテレビだけでなく、新聞で、非人間的なブラック職場の実情を知ることができている。ひどい職場があるものと仰天していたのだが、その新聞の配達に関わる人達の職場がブラックそのものであるという事実を知って、あのきれい事を言った新聞に関係する職場が、非人間的なブラック職場そのものであることをどう理解してよいのか分からなくなっている。少なくとも、「おまえがきれい事を言うな」とは言うべきであろう。
 NIEは、教育(学校)に新聞を導入する教育活動であるが、その目的、内容の文書を通覧してみて、新聞の自画自賛の印象が強く、メディア・リテラシーに最も必要とされるクリティカル(批判的)な読書能力育成の内容は乏しいというよりも欠落している。新聞の売り上げ部数が減少している理由の一つは、読者が新聞の胡散臭さを見抜いていることと関係があるはずである。広告まみれの紙面もごめん被りたい。