前回の書き込み(「問答無用」)の一部には書いた内容だが、事態に動きがあったようなので、改めて取り上げる。
高知県の町議が、倉敷の豪雨被災地にボランティアとして仲間4人と出かけた。ある情報によると2日にわたって、終日、軽トラックでの土砂運搬の仕事に従事し、初日は知人の世話で宿泊できたという。
朝日新聞ニュースは、2日目の騒動を伝えているもののようだ。2日目も労働をした後、宿舎を探すことになり、避難所になっている小学校での宿泊を希望して断られた。野宿覚悟で、缶ビールを飲み、再び避難所を訪れ、宿泊を要望。押し問答の末、校舎の廊下での宿泊を認められたという。自衛隊設営の仮設風呂も利用したという。
話題の町議は、町議会に辞任願いを出したという。
このニュースに、私は納得できないでいる。
1 4人で、四国から、わざわざ倉敷まで、おそらくは軽トラックで駆けつけるなど、 ボランティアの鑑ではないか。
2 宿泊所として、はじめから避難所を予定していたわけではない。初日は、知人に依 頼している。2日目は途方に暮れた末のことであるらしい。
3 一時は、野宿を覚悟して、缶ビールを飲んだ。暑い中の重労働の後、ビールでのど を潤すなど、当然のことである。誰もそのことを非難はできない。仮設風呂を利用す ることのどこに問題があろうか。
4 避難所となった小学校の校長は、ボランティアの宿泊をかたくなに拒否.ボランテ ィアは、「自分のことは自分で処理するのが前提」ということのようだ。しかし、こ の前提は、被災者は自分のことは自分でしなさいというに等しく、あまりに杓子定規 で、ボランティアの善意に対して失礼である。高知県という遠方からのボランティア が途方に暮れるのは当然である。避難所の廊下の使用が可能だったのなら、なぜ最初 から受け入れないのか。受け入れ側の品位に関わる対応ではないか。
5 この議員の行為は、高知県の町の品位を傷つけたことになるのか。辞任しなくては ならないほどに失礼なことか。低次元の意識レベルを露呈したのは、町議会の方かも しれない。
結論的に言うなら、ボランティア町議とその友人グループに感謝してしかるべきであり、今回の一連の行為を議員辞任の理由にしたり、恥ずべき行為と自らをおとしめる必要はない。町議は辞任などしてはならない。
こんなことをしていたら、ボランティアという善意の人は参加しにくくなる。この問題の問題性を、被災地の被災者に直接訊いてみたい。同じ目的の作業を、損得無視で一緒にしてくれている人達に対する最低限のマナーは守りたい。
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