それ、問題です!

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政治家の資産公開(その情報の価値)

2017-09-16 21:53:26 | 教育

  教育問題というカテゴリーとは、少々内容が異なるが、「情報の意味とその読み方」という観点で、分析をしてみたい。

 今年も、恒例の閣僚の資産公開があった。そもそも、この公開にはどのような意味があるのか、毎年、疑問に思っている。資産形成過程とその方法の是非が分かるのであれば、まだ幾分かの意味もあろうが、そういうことは読み取れない。
 そもそも、政治家を含めて、現在、だれが、どれほどの資産を持っているかということは、他人の台所をのぞき見る密かな喜びという程度の意味しかないのではなかろうか。たくさんの資産があるから悪いとも、また、資産ゼロ(驚くことにこういう報告をした閣僚もいるのである)だから清廉潔白だとも言えない。いくら資産があるかということと政治家の実績とは関係がないのである。時々、家族の名義にしているので、少なめの申請になっていると問題視されるが、たいした問題とも言えない。

 閣僚以外の衆院議員の資産報告もある。これも有権者にどれほどの価値がある報告かよく分からないが、閣僚の場合よりも低所得者が多い。最低限の収入は、歳費という明白な部分があるので隠しようもないが、資産に至っては、極貧の政治家も存在する。こんなに貧しい人達が政治家として活動しているのか、政務費の不正使用も無理はないと思う反面、まさかかかつての「井戸塀」政治家という清廉な人たちが多いとは思えないので、届け出に問題があるのかもしれないという疑いを持ってしまう。ともあれ、このような調査・報告は、国民にとってたいした意味はない。議員、事務所にとってもかなりの神経と時間を使うであろうこのような申請は、正常な政治活動(をしていればの話であるが)を阻害することにならないか。

  毎年のように新聞の紙面のかなりの部分を使って報道される、政治家の資産公開というデータが、有権者・国民に、具体的にどのような意味を持っているのかを、解説記事として付記してもらいたい。


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