「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花・・・・・」古来、美人を形容する言葉として用いられてきた台詞である。現在もその本旨は変わっていないのではなかろうか。個人的な好みをお許し願えればユリの花だが、農園でも野生種のユリがひっそりと咲き誇っている。畦道の傍らだから、何方かが植え込んだ物では無く野生種の一種であろう。つい先だってまでは赤い「オニユリ」が主役だったが、何時の間にか純白のユリにその座を交代している。形状から見て、恐らくは「テッポウユリ」かと推察、植物の同定は難しいが、形状・色・開花の状態・咲いてる現場等によって推察するしか無いであろう。棚田地帯の荒れ地等では各種の野草が咲き誇るが、ユリの中ではではオニユリ、テッポウユリ、ササユリ、ヤマユリ、カノコユリ、オトメユリ等々が代表的だろうか。
①テッポウユリかと推察・・・・その1
②テッポウユリかと推察・・・・その2
ユリは何れも美しいが、中でもお気に入りは「ササユリ」である。ピンクの花が小雨に濡れてひっそりと佇んでいる様は何とも形容しがたい。里山の代表的な名花であったが、最近はすっかりと見なくなってきた。地域の開発と里山の衰退により生息環境が著しく劣化してるからだろう。当地でも至る所で見掛けたが、最近は森の果樹園で数カ所ぐらい。絶滅危惧種に相当するかも知れない。森の果樹園でも気を付けて作業してるのだが、刈払機の作業で、ついうっかり・・・・・と刈り込んでしまうことも無い事も無い。開花期以外だとなかなか気が付かないものだ。
③テッポウユリかと推察・・・・その3
④テッポウユリかと推察・・・・その4
「テッポウユリ」かと推察した純白のユリの花、撮影して数日したら姿が消えていた。開花期が短いのかも知れないが、撮影できただけでもラッキーだった。野生種の花はひっそりと咲き、静かに消えていく。自己主張も余り無いが、その静けさが彼らの潔さでもあるのかも知れない。