木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

田圃は乾田へ

2024年09月13日 05時23分18秒 | 棚田

ここ数日、水路の流量が良好だ。どうやら田圃への水の必要性が終わった模様。当地では稲穂も色づき、今や遅しと収穫の時を待っている。稲刈り予想は今月の末か来月初め、あと2~3週間なのだ。そうなってくると、田圃の乾田化が要求される。つまり田圃から水を落として固い土壌とする必要性が。何せコンバインやバインダーが走り回るのだ。水気のある田圃だと支障が出かねない。

結果、彼方此方で水の導入を止めに掛かったのだろう。水路の流量が増えたのは、まさに止水のおかげ。助かるのは我々畑組、何せ稲作中はどうしても田圃優先、畑組は一歩譲っていたのだ。用水路から分岐した我々の水路にも水が流れて来た。本日は朝から快晴、滅法暑いが水タンクへの導水を計ることに。何時もの如くポンプとホースをセットする。水タンクは例のサツマイモ対策で空っぽなのだ。

エンジン始動、元気よくスタートする。流量が豊富なのでホースも水圧が強い。200リットル程度の水タンクはしばしの時間で満タンとなった。ついでにナスやピーマンの畝にも大量に散布しておく。水が豊富な事は何という幸せ、周囲への影響を考慮する事無く使えるのだ。話は変わって富士山の山小屋、ラーメン用のお湯一杯が200円とか何とか。雪解け水や天水のみが頼りなんだろう。

用水路に水が豊富となれば、畑組の出番だ。冬野菜の種蒔きや植え付けに取り組むタイミングなのだが、まだまだ暑さは続きそう。当面35度前後まで上昇の見込みとか。水が豊富でも気象条件が斯様な有様では、チョット・マッテ・クダサイ・・・・・とならざるを得ない。仲間達も状況を読み取ってるのか、出動が控えめだ。恐らくだがエアコンの効いた部屋でひっくり返っているのだろう。

市中に米が無いとか隠してるとか大騒ぎだが、当地でも間もなく収穫だ。10月の末には当地の新米が出回るかと見込まれる。もうしばらくの辛抱ですぞ。サツマイモも間もなくの出番、イモ・タコ・ナンキンのマダム衆にも朗報かと。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年もクワイ栽培を

2024年07月22日 05時01分05秒 | 棚田

師匠の趣味というか特技というか、際だった能力に「クワイ栽培」がある。当地ではほとんど見掛けぬ野菜で、師匠以外に栽培事例を見たことが無い。特徴として田圃の冠水状態が必要で、わざわざ水浸しにするメリットも少ないのだろう。クワイの商品価値ウンヌンと言うことにもなるが、店頭に並ぶことも少ないようだ。家庭で必要とされてるとは言い難いのかも。

このクワイ、縁起物として主に「お節料理」で用いられる模様だ。クワイには芽が出るので、目が出る、つまり立身出世が叶うとの理解がされたようである。師匠宅が立身出世に拘っておられるのかどうかは不明だが、毎年恒例のクワイ栽培の模様だ。師匠のクワイ栽培の特徴は水路での栽培である事だ。

我々が所属する用水路は数十軒の農家を潤し、一番最後の使用となるのが子狸と師匠の田畑なのだ。つまり水系の最末端に位置する。後の利用者は無く、水は再び河川へと戻っていく。従ってある程度融通が効くのは事実なのだ。こうしたメリットを十分に活用されたみたいで、水路の中の土砂の貯まり部分をクワイ畑として活用されてるのだ。

ご存じの方もおられるだろうが、クワイは直径2~3センチ程度の球形で里芋に似たような食感である。個人的には余り好みではないが、縁起物には相違無いだろう。お節の重箱以外で見かける事は少ないのでは無いだろうか。

毎年同じ場所で挑戦されてるようだから,連作障害の心配等も無いのだろうう。収穫は年末近く、寒い時期の取り込みだ。用途は多分だがお節用かと思われる。関西では吹田市が産地だったらしいが、最近は余り聞かない。需要も供給も尻すぼみなのかも知れませんね。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田圃の中干し

2024年07月17日 05時29分35秒 | 棚田

水田とは水を用いて稲の栽培を行う耕地のことである。何を解りきった事をとお叱りを受けそうだが、この時期その水が水田から消えている。つまり田圃に稲はあれど水は無いのだ。不思議に思われる方もおありだろうが、「田圃の中干し」と呼ばれる正規の農作業なのだ。つまり水田から水を落とすことによって、以下のような一定の効果を狙っている。①土中に酸素を補給し根腐れを防ぐ、②根の活力を高める、③土中の有害ガス等を抜き取る、と言った風に説明されている。要は豊かな収穫を迎える為の定番的な農作業の一形態なのだ。シーズンがこの7月で、品種等により異なるが1週間から2週間程度実行される。

農園界隈でも田圃によるが、大半は「中干し作業」に入った模様だ。近くの田圃を覗いても水の姿は無い。無論、このまま収穫へと走るわけでは無く再び水の導入は図られる。そして9月頃、今度は収穫作業を見込んで本格的に水を落として仕舞うのだ。目的は稲刈りがしやすいように地面を固めることにある。

作業は簡単だ、導水門を閉め排水門を開けるだけ、単独行為での作業が可能なのだ。無論、植え込まれた稲はそのままの状態である。

田圃の中干しが始まると、夏の到来を実感する。ある意味、季節の到来を告げる伝統的な行事とも言えるかも。そういえば今週中にも「梅雨明け」かとも噂されている。小中学校も週末頃には夏休みに入るだろう。本格的な夏の到来だ。

稲も随分と大きくなって来た。もう2ヶ月半程もすると稲刈りだ。当地では10月の初旬がシーズンである。稲刈りを終え収穫の喜びと共に祝いの秋祭りへと突入する。秋祭りは10月第3の土日、この時期には全ての田圃で収穫が終わっているだろう。中干しの効果もまた実感出来るはずだ。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田植え始まる

2024年06月03日 05時09分30秒 | 棚田

村の棚田でも田植えが始まった模様だ。つい数日前だった、田圃に水が導入され代掻きが始まったのだ。そろそろかなと眺めていたら、あっという間に棚田は水面へと変わっていた。変わり身の早さは楠木流軍学だろうか。それはまあともかく、尾根筋に連なる水面の数々は何とも美しい。これが水面が無ければ棚田の価値は半減するのかも。当然ながら環境を得たカエル等は騒ぎ立て、水生昆虫等ははしゃぎ回っている。何処に潜んでいたのかアカハライモリ等も。

農園へと出動する前、少し時間を割いて棚田地帯を歩いてみた。数ヶ所では田植機が走り回っており、当地の定例行事が始まったようだ。ムラの田植えは6月の第一土日が基準日・・・・・・みたいなものか。この日前後に実施されるケースが多い。我々が稲作に従事していた頃の大まかなスケジュールは以下のとおりだった。

     5月上旬  種籾の水浸

     5月中旬  種籾を苗床へ移動

     6月上旬  田植え

    10月上旬  稲刈り

    10月下旬  脱穀・籾すり→玄米で配分 

6月2日、ムラの基準日だ。仲間達の森の作業を横目に農園へと出動、師匠宅を通り抜けると田植機が鎮座していた。どうやら本日師匠宅も田植えの予定日のようだ。スタッフは師匠・師匠夫人・息子氏の3名だろう。無論中心と為るのは息子氏だ。田植機に乗車、田圃を走り回って植え込み作業だ。苗の補充が師匠夫人の役割、指揮を執るのが師匠といった案配だろう。

師匠宅は息子氏が全面的な協力態勢なので大きな心配は無い。技術もノウハウも滞りなく継承されつつあるのだろう。息子氏が定年退職を迎えた日には速やかに引き継がれていくのだろうと思う。翻って、継承者がいない農家は悲惨だ。体力の衰えと共に農作業から撤退するしか無いのだろうか。「食料安保」を訴える政治家諸氏はほぼ皆無のようだが、明日のこの国は大丈夫なんだろうか。棚田地帯を巡って回っても、僅かな田植機しか見掛けなかった。ただの出遅れであるのなら不幸中の幸いなんだが。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棚田のハザ掛け風景

2023年10月05日 05時20分54秒 | 棚田

当地も彼方此方で稲刈りが進行中だ。手法は2種類に分類され、コンバインとバインダーの使用機械によって大別できるかと。相違点は「機械乾燥」と「天日乾燥」との乾燥手法の違いだろうかと思う。機械の使用違いは、平野部と山間部とに区別できるかと。つまり平野部の田圃ではコンバインによる機械乾燥方式の稲刈り、山間部ではバインダー使用の天日乾燥方式の稲刈りといった案配だ。原因は田圃の地形にある。コンバイン使用の手法が効率的なんだが、山間部ではバインダー使用に頼らざるを得ないのだ。結果、山間部の棚田地帯では画像のような「ハザ掛け風景」の出現とあいなってくる。

無論、部分的には棚田といえどコンバインの使用が可能なケースも存在する。師匠の田圃などその典型だろう。従って山間部の棚田と言えば、全てに見られる現象では無く、手間暇の故か次第に減少中の風景だ。何とも牧歌的で農村風景を演出するような光景だが、絶滅危惧種に近いかも知れない。今のうちに瞼に焼き付けておくべきだろう。

我々が稲作に従事中もハザ掛け風景を出現させていた。手間暇の掛かること多大な作業だが、出来上がった光景にはしばしの自己満足に浸っていた。何とも絵になる風景なのだ。手間暇を厭わぬ作業にはそれなりのメリットもあり、一概に非効率的とも言い難い。稲穂を稲木に逆さまに掛けることによって、茎や葉に残る栄養分を余さず米粒に注入し、うまみを増加させる作用が存在する。つまり米の美味しさに拘る方は、あえてハザ掛けの手法を選択する事例も。個人的には、「水の相違」と「天日干しの採用」とが米の美味しさを決定づけるものと信じている。

コンバイン方式に比べバインダー方式は要する労働がかなり多めだ。従って若い衆はコンバインを好み、就農条件の一つとする者も。初期投資の拡大が続き、新たな就農を阻害する原因の一つかも知れない。但し、機械化の恩恵は計り知れず、作業スピードなど圧倒的だ。師匠の田圃も僅か1日で稲刈りが終了してしまった。使用する田圃の地形条件にもよるが、可能であればコンバインの採用が必然かも知れませんね。

当地でも数少なくなってきた「ハザ掛け風景」、今のうちに撮影を続けておこうと思っている。そのうちに郷土史の世界でしか見られぬ光景に変貌するかも。残しておきたい光景なんだが。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする