当地はバスがメインの交通手段である。電車である「近鉄南大阪線」が南北に走っており、駅前から各地へとバスが通じている。従って、通勤・通学・買い物等はバスに依存しており、地元のバス会社である「金剛バス」が運行を担ってきた。凡そ100年の歴史を誇る、地元密着型の会社だったのだ。子狸も金剛山登山で何度かお世話になったが、雪山登山のシーズン時などてんこ盛りの乗客だった。それがマイカー時代の幕開け、一家に1台~数台の車保有となると、乗客が激減するのは致し方無いのかなと。苦心して運営されてきた模様だが、運転手不足という事情もあって,終焉期となってしまったようだ。
メインとなるのは富田林駅前からの路線、千早赤阪村の各地へも金剛山へも此処から発着している。金剛山へは河内長野駅前からの南海バスに委ねるとしても、村内各所へは金剛バスのみが頼りだったのだ。それが12月20日でもって会社解散・運行停止だとか。村民の足は断たれた訳で、マイカーに頼れない層は交通難民かなと。無論、金剛バスも行政も放置していたのでは無く、運行継続を模索して引き受け会社を探していたようだ。幸いにして2社が継承してくれる模様で、とりあえずはホッとしている。但し、一部路線の廃止や便数の減少或いは料金値上げ等も考えられ、安心は出来ないようだ。
人口減少が劇的に進行している現在、全国各地で同様事態が発生する可能性は極めて高い。つまりマイカーに依存出来ない世帯は生活自体が不能となってくる。マイカーに頼れても当分の間だろう、待ち構えるのは高齢化・少子化の現象、何時まで持つのやら。住民世帯を中心部の一箇所に集めて・・・・・・・という、いわゆる「コンパクトシティ」の模索もあったようだが利害の調整が困難だろう。里山地帯の住民は人間からイノシシやアライグマへと変貌するのだろうか。彼らが税を払ってコミュニティーを形成してくれるのなら、それも有りかと。
冗談はともかく、金剛バスの消滅は近未来を象徴しているようで何とも不気味だ。それで無くとも気象異変とも呼べるような現象も続いている。昨日・今日あたりは歴史的な豪雪だとか。地球全体の平均気温の上昇が原因と言われているが。真偽の程は不明だが、異変が生じているのは事実だろう。人類はいつまで生き残ることが可能か・・・・・・そんな議論も必要な時代なのかも知れない。
地方の小さな私企業の存廃、大きな問題提起を行った模様だ。ご覧の皆様方はどのような論考を展開されるのだろうか。