ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

27 スサノオはどこで死んだか?

2009-03-29 10:33:07 | Weblog
●ヒメ 21:42
ちょっと待ってよ。へぼ将棋みたいに「待って」が多いけど、カントク、熊野で考えておかなければならない事が残ってない?

●ホビット 21:42
エルドラドからの殴り込みです。ちゃんと、僕も読ませていただいています。
ここは「どこ派」の私の出番でしょう。ヒメの関心は、スサノオがどこで死んだか、ではありません?

●カントク 21:45
すまんすまん、ヒメがミステリー作家であることをうっかり忘れておった。ヒメが事件現場にこだわるのはもっともじゃ。

●ボク 20:34
前に述べたように、大国主神は兄弟神の迫害から逃れ、伯耆から木国に大屋毘古神を訪ねたあとに、さらに追われてスサノオのいる根の堅洲国に向かいます。この記載からすると、スサノオがいた場所は、和歌山市の伊太祁曽(いたきそ)神社より東になると思います。
一方、大国主はスサノオの娘の須勢理毘売(スセリヒメ)と黄泉比良坂から地上に出たとされていますから、木国から地下の黄泉国に入り、島根の黄泉比良坂(島根県東出雲町の揖屋)から地上に出たことになります。

●ヒナ 20:38
参考までに補足しますと、日本書紀の一書(第五)では、イザナミは「紀伊国の熊野の有馬村」に葬った、と書かれ、一方、古事記では、イザナミは「出雲国と伯伎国の堺の比婆山」に葬られ、黄泉の国にイザナミを訪ねたイザナギは、黄泉比良坂(出雲国の伊賦夜坂)から地上に逃れたと記しています。
紀伊国と出雲は、スサノオ神話だけでなく、イザナミ神話でも繋がっています。

●マル 20:45
全部がフィクションなのか、それとも、一部に真実が含まれているのか、謎よね。

●カントク 20:46
整理していこうではないか。まず、古事記にはスサノオから大国主までの7代の王と妻・妻の父の名前が書かれている事から見て、大国主が訪ねたスサノオと言うのは、スサノオの5・6代目の紀伊にいる後継王であろう。
代々、スサノオの名前を襲名する一族が熊野におり、大国主はそのスサノオ一族の助けをえて、スセリヒメとともに出雲に攻め上って兄弟神を破り、出雲を統一したのではなかろうか。

●ヒメ 20:52
カントクは推理小説作家に転身したらどうなの?鋭いじゃない。
そう考えると、「紀伊国の熊野の有馬村」に葬られたというのは、イザナギではなくてスサノオの可能性もあるわよね。
イザナミ伝承とスサノオ伝承がどこかで混線した可能性はある。

●マル 20:57
出雲国風土記にスサノオが死んだ場所や物語がでてこないのは、スサノオが出雲の国の外で死んだ、という可能性を示しているわよね。

●ヒメ 20:59
船に乗り、朝鮮半島と倭国を往来し、筑紫から出雲、播磨を始め、各地に交易を広げた海の民の王、英雄スサノオは熊野で死んだ、その姿が目に浮かんできたわよ。

●カントク 20:46
確かに、戦国時代のように、土地に命をかけて領土拡張を行った時代の歴史観で古代を見てはダメだな。古代ギリシアのように、海洋を縦横に行き来する通商部族による通商国家の形成、という史観が必要だと思うよ。

(ネタモトは『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)

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2 コメント

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トランプエレメント (サステナブル)
2022-02-06 01:13:46
 安来は電気製鋼の発祥の地、トランプエレメントを再生して不思議な金属を作っているところ。
返信する
鋼の古里安来 (冶金考古学者)
2010-04-18 11:18:18
そういえば揖屋の隣の安来はスサノオが名付けた地名らしいですね。
返信する

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