窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

キアシシギ

2019-08-02 14:57:11 | シギ・チドリ

シギ・チドリの渡りを告げる声。キアシシギの透き通ったピーウィという声が干潟に命を

吹き込んできます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

              ◆  キアシシギ  ◆

 秋の渡りは7月から始まっています。最初に姿を見せるのはトウネン。次にメダイチドリ、

キョウジョシギです。そのあとキアシシギがやってきます。

前述の鳥たちはあまり声が目立ちませんが、キアシシギの声は遠くからでも良く聞こえて

きます。そのせいか、秋の渡りで早く渡ってくるシギと思われがちです。

シベリア北東部やカムチャッカ半島の山間渓流の樹木が疎らな草原、小石まじりの川原

などツンドラ地帯で繁殖します。そのせいか活発に動き回って採餌をします。

渓流に特化したせいか脚は他のシギに比べ短く、流れの速い川の中での採餌でき、干潟

でも泳ぎ回る小魚をうまく捕ることができます。

夏羽は他のシギに比べ実に地味です。灰褐色の色合いで、周りの石や樹木に溶け込んで

います。そのせいか繁殖が確認されたのは20世紀に入ってからです。

キアシシギは日本ではたくさん渡ってくるシギの種ですが、世界的に見れば生息地が

非常に限定的で、ヨーロッパやアメリカでは見ることはありません。日本の鳥好きには

ごくごく普通に見慣れたシギで、「キアシか」とスルーされるのですが、欧米の探鳥家

から見れば非常に恵まれているのです。

と思えば、野付半島の干潟や湿地で見るキアシシギがとても貴重なシギに見えてきます。

干潟ではとても見つけづらく、アマモの上で採餌しているときは声からみつけ出すこと

が多いのです。

前傾してアクティブに動き回る姿。魚を捕る姿。常に水の中で行動する姿。繁殖地での

行動を想像してしまいます。