窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ヒバリシギ C. subminuta

2019-08-28 18:02:29 | シギ・チドリ

ヒバリシギがたくさん来ています。来ているのは分かるのですが、彼らは干潟湿地の

草むらの中におりて餌を捕るので、遠くからは見つけずらいのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

              ◆  ヒバリシギ  ◆

本州で見かけるのはほとんど内陸部。田んぼや池などの浅いところの草陰にいることが

多く、見つけづらく、淡水を好むシギだと言われています。

野付半島の湾内の湿地はほぼ塩水の影響が強いところで、餌を捕り生活しています。短い

オオシバナやヤチスゲが生えている湿地を歩くと5m先からチュリリとかわいらしい声を

上げ、素早く飛んでいきます。その声をきっかけに周りにいたヒバリシギが一斉に飛んで

いくこともしばしば。100羽以上は入っている感じです。

トウネンの群れに入っていることがあります。トウネンが干潟の浅瀬を好み、忙しく泥の

中のゴカイや水生の昆虫、ユスリカのボウフラをたべていますが、ヒバリシギは草陰にいて

様子を見てトウネンに混じります。

動きがきびきびして、トウネンの動きが遅く感じるのが不思議です。見ていると草の上部に

付いているユスリカの成虫をこまめにつまみ、食べています。よけい忙しそうに見えます。

カラスが襲来するとトウネンと一緒に飛びますが、ヒバリシギは飛び上がりが垂直で、

トウネンよりジャンプ力があります。おそらく繁殖地の環境が違い、生活様式もかなり

違うのだと思います。

彼らはシベリヤ中部やカムチャッカ半島で局地的に繁殖するシギで、まだ詳しき調査が

されていないのが現状です。観察しにくいシギですが、行動学的になかなか魅力的な

シギだと思います。

      英名 Long-toed Stint はヒバリシギの指の長さからつけられています。



アカエリヒレアシシギ P. lobatus

2019-08-28 00:48:57 | シギ・チドリ

8月18日、野付湾内に広がる干潟湿地の水路にこれまで見たことのなかったアカエリヒレア

シシギの群れがいるのに気づきました。分散していて数は数えることができませんでしたが、

500羽以上はいたのではないでしょうか。

おばんです。小太郎でごじゃります。

           ◆  群れで飛来 アカエリヒレアシシギ  ◆

二日前、低気圧が通過した時に入ってきたようです。普段は洋上を通過して行くので、

立ち寄ることはめったにありません。悪天候で一時的に退避してきた可能性が大です。

彼らが好きなプランクトンが多い羅臼沖の根室海峡に集まっていた群れの一部ではないで

しょうか。

満潮時に海水が入り込んでくる湿地の奥の方でトウネンの群れと一緒に食べ物を捕って

いました。警戒心が強いかと思い、慎重に水辺に近寄ってみると意外や少しも逃げる

様子を見せません。

腰を据えて観察することに。水に浮かび、ぐるぐる回りながら水をかき混ぜています。

水中の中にいる生き物を底の方から浮かび上がらせているのです。なにがいるのが気に

なり調べていると小さなボウフラがいます。相当な数です。

そういえば去年、場所は違いますが、ユスリカが水辺の植物に大量に付いていたことを

思い出しました。今はちょうどユスリカの大発生するときです。

水から上がり草が茂っているところに近寄り、上の方をしきりに突いているアカエリが

いました。羽化し草に集まっているユスリカを食べているのです。

アカエリたちは運よくユスリカの羽化に出会ってしまったのです。ボウフラと羽化した

ユスリカがたくさんいます。

一心不乱に食べ続けます。とにかく止まりません。近くに来る個体は威嚇して追い払い

ます。アカエリだけでなくトウネンやヒバリシギまでも威嚇します。

まだ首の赤茶色は薄くなっていますが、夏羽の面影が残っている個体がほとんどです。

1週間後に行ってみました。まだ残っていました。ユスリカの発生が続き、飛び立たなく

ても十分食べ物があるからです。きっとなくなればいなくなります。

さて来週はいるでしょうか。