窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

俣落川林道

2019-08-26 12:34:40 | 道東の地理・地形

西別岳に登りに行きましたが、雨と強風が強く登攀を断念。そのまま帰るのも癪なので

いつもは素通りする俣落川の源流を目指すことにしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

              ◆  俣落川林道  ◆

俣落川は標津岳と武佐岳の間に位置する俣落岳に発します。雪解け水や雨を集めた小川

から発生する川で、なだらかな丘陵地を流れ下り俣落で標津川と合流します。

明治時代までは鬱蒼たる原生の森林が広がる地域でした。大木を切り出し、林業が

盛んでした。そのあと、牧草地になり、植林されてきました。

川は全く護岸工事は行われず、多くの釣り人が入り、ヤマメやオショロコマをたくさん

釣っています。魚が多いのはエゾシマフクロウが営巣し繁殖していることから推察で

きます。

林道は砂利が敷き詰められ、道に植物が生えていないことからよく整備されています。

もっと原始的な森を想像していましたが、エゾアカマツの植林地が多く、昔の面影は

ほとんど感じません。

林道の傾斜はなだらかで人や馬車が入りやすく、手入れがよくできる丘陵地だった

のでしょう。それでも自然度は高く、林道は木々のトンネル状態。林道に沿って流れる

俣落川周辺の植物は昔の森を思わせる生態に戻りつつあります。

ヒグマが多いらしく、川周辺のフキや他の植物が喰い荒らされた食痕が見られます。

上流には今ではほとんど見られないバッコヤナギの大木が残っていました。

瀬のところでは上流から流されてきた大きな石がごろごろ。過と言って毎年荒れている

雰囲気はありません。おそらく伐採した後、保水ができなくなり鉄砲水が出たことが

あったのでしょう。

それにしても長い林道でした。1時間走っても俣落岳のふもとにたどり着きませんでした。