毎朝、漁師は朝6時頃に番屋にやってきます。スノーモービルに乗り換え、湖に
仕掛けた網を目指します。風蓮川の河口や湖上の各所を回り、網を上げ、入って
いる魚を選別収穫し、雑魚を置き去りにし、移動して行きます。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 氷下待ち網漁に集まるオオワシ ★
漁師が動き出すと周辺の森で待機していたオオワシやオジロワシが湖上に飛んで
きて氷の上におり、漁師の網揚げを待っています。
遠くから見ると点々と黒い粒が転がっているように見えます。双眼鏡で見ると
すべてがワシです。本州では絶対見ることができない光景です。
ワシは漁師を警戒しません。網揚げが始まると周囲に集まってきます。揚げて
いる間はきちんと距離を開け、待っています。雑魚が置き去りにされ、漁師が
移動するとワシが集まってきます。
われ先に飛んできます。黒山のワシだかり。早いもん勝ちといった動きで、置き
去りの雑魚を拾い上げ確保します。やってくるワシ、みんなに当たるわけでは
ないので、必死になるのです。
掴んだ魚を横取りされることがあるので、すぐに現場を離れていくワシも多い
ので、黒い鳥だかりはほんの数分で終わります。遠くから見るとほとんどが
オオワシです。
体の大きいオオワシがオジロワシを圧倒しています。力関係ではオオワシの方が
断然強いのです。大きさが一回り大きいから当然ではありますが。
しかし、それは警戒心が働かないときだけです。オオワシは知恵を働かせる能力
が高く、周囲の状況を見極めるまで、決して近寄りません。
状況判断の早いカラスがやってきて食べだし、その後トビやカモメが集まって
きて参加します。次にオジロワシがやってきます。カラス、トビ、オジロワシに
とりこの時間帯だけが放置された魚を食べるチャンスなのです。
漁師が来て、網揚げをし、雑魚を氷の上に残し、去って行く、日常のこととして
毎日行なわれると、もうオオワシの独壇場です。
強者が勝つ。