窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

海辺のマガモ・厳寒期を過ごす

2020-02-17 19:26:59 | カモ類

野付湾ではマガモが厳寒の冬を過ごすことは、今や普通です。春別川の河口で

生活するマガモは50羽以上います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ 海辺のマガモ・厳寒期を過ごす ★

増えてきたのは20年前ほどからでしょうか。内陸の小さな河川にたくさん生

えていたバイカモをマガモが食べ出したのがきっかけのように思えます。

30年前は寒さが厳しく、内陸の川は氷が張っていました。それが次第に凍る

ことが少なくなり、厳寒期にマガモがバイカモを食べに来るようになりました。

西別川の源流にはたくさんのバイカモが生息していましたが、春になると藻が

ほとんど食べられ、釣りをやっている人たちがビビりました。そこはオショロ

コマやヤマメがたくさん生息していたのです。

誰がこんなに食べつくしたのか、新聞記事にもなったほどです。当時はオオハ

クチョウがやってきて食べつくしたと書かれていました。でも、考えてみると

オオハクチョウは周辺に木々がたくさん生えている渓流には絶対にやってきま

せん。

危険が発生した時に滑走して飛び立てないからです。疑問に思って調べてみると

なんと夜にやってくるマガモだったのです。

そのころからマガモが目だって越冬するようになりました。しかし食べつく

されたバイカモはなかなか回復しません。小さな河川ではほとんど絶滅して

しまいました。マガモが選んだのが海岸に注ぎ込む河口でした。根室海峡に

注ぐ春別川の河口部は毎年運ばれてきた砂が堆積し、砂嘴の砂浜が陸に平行に

伸びてきています。

そこには海流が運んでくるアマモがたくさん集まります。マガモはアマモを

食べ、生活を始めました。オナガガモやヒドリガモもいましたが、次第に減り、

今ではマガモだけになりました。

早朝、どこかで食事をしてきたマガモの群れが河口に戻ってくる光景が見ら

れます。