シジュウカラガンが亜種ヒシクイの群れと一緒にいるのを初めて観察しました。
5年前から根室半島や野付半島で10羽前後の家族群が秋に観られていましたが、
春、群れで牧草地に降りているのを観察するのは初めてです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ シジュウカラガン ★
場所は野付半島のそばの牧草地、500羽以上の亜種ヒシクイの群れと一緒に68羽
のシジュウカラガンが降りていました。
朝の6時過ぎ、野付湾に注ぐ当幌川の河口から飛び立ってきた連中です。
近場の牧草地で牧草の新芽を食べ、それから内陸の方へ飛んでいくはずです。
シジュウカラガンは1938年から62年まで日本での観察記録が途絶えました。
絶滅したと考えられました。ところが1963年、アリューシャン列島で再発見、
アメリカ合衆国による保護計画が始められました。
元来、シジュウカラガンはアリューシャン列島から千島列島にかけ繁殖していま
した。
それが毛皮目的で繁殖地に移入されたキツネ類が逃げ、野生化。彼らによる捕食
が原因でほぼ絶滅したと考えられていたんです。
やがて、1983年に日本とアメリカのリカバリーチームによる保護活動が始まり
ました。
のちにロシアも加わり日米露3国の共同事業になりました。米国魚類野生生物局
から譲渡された個体を日本で繁殖、増加さ、1995年にエカルマ島で放鳥を開始
しました。1995年から2010までに551羽が放鳥されました。
成果は着実に実り、平成30年には5000羽を越すシジュウカラガンが東北に飛来
するまでになりました。
北海道では十勝川流域で定期的に観察されていましたから、いずれ根室地方で
多数のシジュウカラガンが渡る途中で見られるはずだと思っていました。
それが現実になってきています。これから春と秋には多くのシジュウカラガン
が根室の原野で滞在する光景が見られるようになるはずです。
千島列島には野付半島や根室半島を通過して行くのが、一番いいはずだから。
個体数が増えて、よかったですね
草原を歩く雁の群れをみて、ハワイのネーネー(ハワイガン)を思い出しました