僕が義兄に呼ばれたのは、
受け取ったお金を、家に運んで欲しいとの依頼でした。
その時、義兄は駒沢の国立病院に入院していて、動けない状態でした。
でも、これって仕事ですね。
ベッドのマットレスをまくると、¥100万円の束が出てきました。
『お金を運ぶのは良いけど、幾ら運ぶの?』
『ここに¥800万あるから、これを運んで欲しい。小遣いをやるけど、幾ら欲しい?』
『いらないよ、運ぶ位何でも無いもの』
『じゃ~、¥10万で我慢しろ、俺はケチだな』
『こんな事で¥10万円貰って良いの?』
『少ないけど、頼むわ』
『裏口入学の紹介で¥1500万円貰ったけど、
紹介者の二人に、お礼で¥700万円渡したから、¥800万円になった、
この残りを妻に渡してくれ』と頼まれました。
紹介者、あ~、あの二人かと、顔が浮かびました。
あの二人、借金があるから返せば良いのに、どうせ酒代で終わっちゃうな、
人に迷惑を掛けても、何とも思わない人達も居ると云う、見本の二人・・・
上池袋びっくりガード西口、
下東口、向かって右側のビルの2階に義兄の会社が在りました。