ひねくれ亭日常

散歩と徘徊が日常の独り言

ミスドを買いに二時間かけて自転車

2021-02-15 14:15:07 | グルメ

ド田舎大学のある市には何もなかった。

吉幾三の歌そのもの。

45年前のド田舎県ド田舎市はコンビニも無いし、マックも無いし、洋式トイレは無いし…

私が3年の頃、隣県にミスタードーナッツが出来たのだがこのニュースは瞬く間に前県に広がった。

まあ何て事は無い、テレビも新聞も二県にまたがっているからなんだけどね。

でも地域で初めてミスドが出来るって事が田舎じゃ社会ニュースになる訳よ。

最近じゃスタバがそうだった様に。

で、ミスドがどんなものかは知っていた。

遠征で都会へ行った時に食べた事があるから。

「こんなどえりゃあうめえもんが世の中にあったとですかばい」

ド田舎大学生は店先で腰を抜かすのである。

隣県にミスドが出来たニュースは学内を震撼させた。

しかし、汽車(電車ではない、汽車)に乗ってまで買いに行くほどとは誰も思わない。

汽車賃の方が高くつくし絶対他人に馬鹿にされる。

或る後輩は思案した。

「ミスドを最初に学内に持ち込めば間違いなく英雄だ。それをあの子にあげたら多分上手くいくだろう」

そこで彼は自転車に飛び乗ると隣県目指して走り出したのである。

その距離40キロ、向かい風、上り坂彼の目の前には試練の嵐が吹きまくる。

「うう、こんなもんに負けてたまるか!ミスドだミスドだ。俺が最初のミスドマンになるんだあああ」

往復4時間掛けてドーナツ4個を持ち帰った。

ハンドルよあれがド田舎の灯だ…真っ暗だった。

 



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