常識を疑えなどと知識人ぶって言うつもりはさらさら無いが…
子供の時から夏になって蝉が鳴きだすと
「蝉はなあ、地上に出たら一週間しか生きられない可哀そうな奴なんだ」
こう大人達から教わったはずだ。
子供は素直で
「ああ、一週間したらこの蝉たちは死んでしまうのか」
と哀れに思う。
そして地面に転がりじたばたする蝉を見て死がそこまで迫っている事に気が付くのだ。
この様に死を意識したのは蝉経験が初めてだという人は多かろう。
そして今度は自分がこの死の話をするようになる。
「いいか、蝉は成虫になってたった一週間で死ぬんだよ」
と。
♪てな事言われてその気になって~♪
嘘じゃねーか!!!!!
蝉は地上に出ても一週間じゃ死なないぞ!!
つい最近この大嘘をあばいたのは岡山県の高校生。
公園で大量の蝉を捕獲して背中に番号を振りその姿を観察し続けた結果、羽化した後の寿命は10~30日(勿論種類にも依る)である事が判明したのだ。
何故こんな簡単な事が昆虫学者には出来なかったのか。
専門ではないからこそ疑問を持って実に単純な調査が出来たとも言える。
まさに盲点を突いた訳だ。
専門家や学者先生は知識があり過ぎて常識を疑えない。
この高校生は面白い観点と発想の持ち主だ。
ただこういう人は権威の中で生きている爺共に無視されるんだよなあ…
そしてもう一つ
「蝉は7年間も地下で暮らし地上では僅かしか生きられない…」
このニュアンスは殆ど地下暮らしが可哀そうという発想で語られる事が多いだろう。
やっと地上に出られたのだと。
いや、そうかい??
温度も湿度も一定で外敵も少ない地下は安全安心な楽園じゃなかったのかなあ。
だから危険な地上生活を短くしたんじゃないのかね、生存戦略で。
すべて人間の感情論で説明するのは大きな誤解を生むから控えるべきだ。
しかし世の中常識と銘打って出鱈目な事が多い様な気がする。
気を付けねば。
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