異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

【風刺漫画】対米従属・ニューヨークタイムスに安倍首相とトランプの関係が! "Heng on U.S. Ties with Japan"

2017-02-10 23:48:30 | 外交、国際

https://www.nytimes.com/2017/02/05/opinion/heng-on-us-ties-with-japan.htmlより転載

The Opinion Pages |Heng

Heng on U.S. Ties with Japan

Photo
 

Prime Minister Shinzo Abe of Japan has the distinction of being among the first to feel the sting of Donald Trump’s actions.


おしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが 〔リテラ 2017.2.8〕

2017-02-10 15:46:59 | 立憲主義 民主主義

★「お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日」2017.02.06  
動画 ⇒http://www.dailymotion.com/video/x5ap37v

再放送日 お笑い芸人VS.原発事故
マコ&ケンの原発取材2000日
2月12日(日)11:00~ BS日テレ

2月12日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」


おしどりマコ・ケンの情報発信サイト.  
OSHIDORI Mako&Ken Portal / おしどりポータルサイト

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おしどりマコ“原発”追及のジャーナリズム精神に改めて感動! 会見500回、東電との闘いを描くドキュメントが

2017.02.08
NNN_170208.jpg
『NNNドキュメント』公式サイトより


 おしどりマコ・ケンをご存知だろうか。妻のマコはアコーディオンを、そして夫のケンはパントマイムや針金を使って夫婦漫才をする芸人カップルだが、それ以上に注目されているのが福島第一原発事故に対する取材活動だ。2人は3.11の原発事故以降、取材活動をスタートさせ、東電の会見にも出席、その結果をメディアに発表してきた。

 そんなおしどり夫妻だが、これまで原発の取材活動をめぐり、度々バッシングや炎上騒動の標的にされてきた。たとえばネットでは“放射脳の虚報”“芸人のくせにジャーナリスト気取り”“エセ科学の金字塔”などといった批判が踊り、中には“売れない芸人が原発問題をウリにしている売名行為だ!”などという非難まであった。

 しかし、実はおしどり夫妻の原発問題へのアプローチはそういった誹謗中傷とは真逆、むしろ、非常に客観的で精緻な調査に基づいており、ジャーナリスティックなものだ。そのことを改めて再確認させられたのが、2月5日深夜放送の『NNNドキュメント'17 お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日』(日本テレビ)だった。

 そもそもおしどり夫妻が原発取材を始めたきっかけは、3.11の原発事故直後から、政府や東電が繰り返した「直ちに影響はありません」という説明に違和感を感じたことだった。2人には原発に関する知識はなかったというが、しかし妻・マコはかつて医学の世界を目指し、鳥取大学医学部生だった経歴があった。被曝による健康被害について、関心や知識的バックグラウンドもあったのだろう。

 加えて医学の道を断念し芸人になった理由も“震災”に関係がある。神戸出身のマコは、学生時代に阪神淡路大震災を経験している。その際、被災地での惨状を目の当たりにし、“医学では人は救えない、お笑いこそが癒しだ”と感じて大学を中退、お笑いの道に入ったという異色の芸人なのだ。そんなおしどり夫妻が東日本大震災、そして原発事故に遭遇したのは、東京に移住した3カ月後のことだった。そして事故直後から東電や政府の説明に疑問を持ったマコは、猛然とネットで情報収集を開始する。同時に事故の状況を把握するため東京電力の会見をチェックし、その内容を書き起こす作業も開始したという。だが、そこで感じたのもまた違和感だった。それが東電と一部記者との馴れ合い、癒着だ。

 会見では特定の記者たちだけが東電から指名され、マコにとっては歯がゆく的外れな質問ばかりする。一方でマコが聞きたい疑問をぶつけてくれるが、しかし東電から“滅多に当たらない”記者がいた。しかもその記者が、“たまに”当てられると、別の記者(おそらく大手の御用記者)から「ひとりよがりの質問はやめろよ!」「あなたの質問だけじゃないからさぁ」と質問を遮るようなヤジが飛んでいた。こんな会見では真実などまったくわからない。自分たちが会見の場に行って、きちんとした質問をする記者を擁護したい。そして真実を知りたい。そんなマコの熱意にケンは喜んで追随した。

 こうして2人の東電通いがスタートしたが、同時にマコは原発に関する猛勉強を開始する。そのきっかけも東電会見にあった。ある時、原子力設備管理部課長(当時)だった黒田光氏がこうつぶやいたという。

「どうせ女の人にはわからないと思いますけどね」

 この言葉を聞いたマコは、悔しさを感じたと同時にこう奮起したのだ。

「なんだ、この野郎、この中で一番(原発に)詳しくなってやる!」

 番組で映しだされる2人の自宅は、原発に関する書籍で部屋を埋め尽くされていた。マコは「これまでに15メートル以上の本を読んだ」と語っているが、その中には原子工学や甲状腺ガンなどの専門書もある。会見で質問するため、原発事故の真実を取材するため、原発に関する科学的根拠を求め、猛勉強の日々をマコは過ごしたのだ。番組ではその様子が克明に映し出されるが、その熱意に夫のケンは「どこでもいっつも勉強していて、ちょっと寂しかったなぁ」と語っているほどだ。

 2人の現在までの東電会見出席は500回以上にのぼるが、しかしおしどりの取材活動はそれだけではなかった。2人は被災地にも頻繁に足を運び、現地でも精力的に取材している。そこで出会い、親しくなった人々は “生の情報源”ともなった。飯舘村の学校関係者、子どもの被曝を心配する福島の母親たち、そして何人もの原発作業員たち———。そうした人々の証言は東電のインチキ会見の反証の材料ともなった。実際、番組では、原発内の事故で被曝した作業員の除染について、ネタ元の作業員からの詳細な状況を聞き、東電の「問題がない」との説明が“ウソ”だったことを暴いてもいる。

 何か疑問があれば、即行動する。地元病院や行政にも問い合わせることも厭わず、福島の人々からの取材や情報をもとに、東電会見での数々のウソやごまかしを暴くマコ。また当初、非公開でマスコミがさほど関心を寄せていなかった「県民健康調査」検討委員会を取材し、数々の国際会議やシンポジウムにも出席。そこで専門家と知り合いになり、“日本政府は異常な対応をしている”ことを引き出す。

 実際、マコが会見で質問し、追及したことで、東電や政府が隠蔽しようとした事実が次々と明るみに出ている。原発敷地内から放出された莫大な量のセシウム、子どもたちの甲状腺被曝についてのデータ、原発作業員の被曝、1、2号機の排気筒亀裂状況、行政による初期被曝測定が行われていないこと、県民の健康調査における内部被曝に関する項目の不十分さ、甲状腺癌について放射線被曝とは無関係との根拠にされたチェルノブイリと福島の“比較グラフ”の欺瞞、国が定めた積算線量の基準“年間20マイクロシーベルト”問題、除染を被曝した住民に押し付けさらにそれをモデルケースにしようとしていること――。

 こうして番組から浮かび上がってくるマコの取材活動は、東電に飼いならされた職業記者たちに比べても、公正でジャーナリスティックな追及をしていることがわかってくる。

 事実、こうした活動によりマコは、2016年の「平和・協同ジャーナリスト基金 奨励賞」を受賞、海外でもドイツの「核戦争防止国際医師会議」にジャーナリストとして招かれるなど高い評価を得ているほどだ。

 一方、今回のドキュメントから浮かび上がってくるのは、東電のデタラメさや、情報の隠蔽、そして事故の矮小化だ。たとえばおしどり夫妻が初めて東電の記者会見に行った2011年4月19日、マコはその前日に原発施設内から立ち上った“白煙”について質問している。もちろん放射性物質が含まれているのではとの疑念からだ。しかし東電は「(放射性物質は)完全にゼロというわけではございませんが、含まれていると思います」と数字を提示することなくごまかそうとした。だがマコはその後もこの問題を繰り返し追及、そして3カ月後に出てきたのは驚愕の事実だった。

 それは“白煙”によって1〜3号機合わせてセシウム134と137が合わせて毎時10億ベクレル放出、さらに遡って4月4日から9日まででは毎時2900億ベクレルというとてつもない量の放射性物質が出ていた事実だ。当初東電が説明した「完全にゼロ」どころの話ではなかったことがマコの追及によって、判明したことになる。

 さらにマコの最大の功績ともいえるのが福島県の子どもたちの健康被害、甲状腺ガンについてだろう。2011年5月末の会見でマコは甲状腺について、原子力安全委員会でこう追求している。

「3月30日に飯舘村の小児甲状腺サーベイ検査ですが、電話で確認したのですが、直接お母様方はご存知ではない。これは人体実験だったのかと怒っているのですが、それぞれお子様の値がいくつだったのか教えて下さい」(マコ)

「現地対策本部では行ったと直後も、全体の結果の発表はされています」(原子力安全委員会審議官・加藤重治氏)

「その発表はみなさん基準値以下だったという発表だけで、お母様方は
どれくらいの基準値以下だったのかご存知ないんです」(マコ)

 当時、子どもたちの甲状腺検査は行われているが、それは単にサーベイを当てられて「大丈夫」と言われて帰されるだけのもの。その検査が何なのか、検査の数字が何なのかは保護者には一切伝えられていなかった。そのことを地元の関係者や母親への取材で知っていたマコは、疑問を委員会の会見でぶつけたのだ。

 その後、安全委員会は「数値は書いていない」とその発言を訂正、ようやくデータが示されたのは5カ月後のことだった。つまり委員会による検査データ隠蔽をマコが阻止した形なのだ。それだけでなく、マコは、子供たちの甲状腺ガン発症をスクープしてもいる。そのことは「週刊文春」(文藝春秋)2012年3月1日号に「衝撃スクープ 郡山4歳児と7歳児に「甲状腺がん」の疑い! 福島からの避難民11人に深刻な異常が見つかった」として記事化された。

 原子力や放射能について猛勉強し、お笑いで鍛えたセンスで東電のインチキを鋭く見抜き、そして普通の感覚で素朴な疑問を質問する。マコのこうした姿勢は、これまで広告や様々な便宜供与でメディア支配し、御用記者ばかりを相手にしてきた東電にとっても“想定外”だったのだろう。番組ではマコの追及に対し、不快感や困った表情、時にはぎょっとした顔をする東電担当者たちが随所で見ることができる。またある時には東電担当者の机に「マコちゃんは適当なとこでカットしてください」とのメモがあったというが、これも東電がマコの追及を恐れ、たじたじとなっていたことの表れだろう。

 ところが、これだけの真摯な調査や追及を行っていても、ネット界隈では、「芸人を名乗るデマゴーグ」などおしどりたちへの卑劣な誹謗が続いている。その手口は、ほんの小さなミスや用語の使い方を針小棒大にあげつらい、言ってもないことをでっち上げてそれをデマだと攻撃し、すべてをデマだとして葬ってしまう例の手口だ。しかも、その攻撃はこのドキュメントが放映された後も続いている。

 明らかになった真実を無視して、原発の危険性を否定するという目的のためにだけ、デマ呼ばわりするネトウヨと原子力村応援団連中の卑劣さには辟易とさせられるが、それはこれまでマスコミが原発事故の“その後”をきちんと報じてこなかったことも大きい。

 マスコミは豊洲新市場問題ではあれだけ大騒ぎしているのに、もっと危険な事態が進行している原発事故については、ほとんど報道しようとしない。今回、おしどりマコ・ケンを取り上げたこのドキュメントも、放送されたことは評価に値するが、しかし、放映時間は日曜日の深夜帯。芸人が大企業を追及していくというドキュメントはエンタテインメント性もあるのに、キー局で大量に放映されている社会情報番組では触ろうともしない。マコは番組の最後にこんなメッセージを残している。

「自分で知って調べて考えること。それはいつでもどこでも誰でもできること。大切なのは中立ではなく独立すること。そういう方が増えてくださったらなと思います」

 中立ではなく独立。この言葉を多くの人々が受け取ってくれることを願いたい。
伊勢崎馨

 

 

 

 


【沖縄】 博治から 博治へーその5 〔テルヤ寛徳ブログより 20172.8〕 / 辺野古海上工事「反対派『将来のため闘う』」

2017-02-10 13:49:17 | 沖縄

「写真 テルヤ寛徳」の画像検索結果「写真 テルヤ寛徳」の画像検索結果http://terukan.ti-da.net/e9339075.htmlより転載

博治から 博治へーその5

2017年02月08日

 わが同志、山城博治が逮捕・拘留されてから115日目の本日(2月8日)、那覇拘置所で接見した。名護警察署留置場での接見も含めると、今日で10回目となる。

 博治は、独居房での長期不当勾留にもめげることなく元気です。ブログをご覧の皆さん、どうかご心配なく。
 
 今日の博治は、いつになく表情が明るい。接見室で会った瞬間にわかった。
 向かい合って10数秒経過したところで、博治が「ヒゲを剃りました」と言う。なるほど、ヒゲを剃った博治の顔を見るのはいつぶりだろうか。私の口から出たのは「ヒロジ、チュラニーセーナトゥン(美男子だ)」。二人で爆笑した。

 博治から妻・多喜子へ、自宅にある電子辞書か漢和辞典の差し入れ要望があった。
 
 実は、先週の私との接見後、虫歯の痛みがあったという。
 「嘱託医の診断は受けたか」と問うと、「痛いなら抜歯するか?」と聞かれたので断った、とのこと。私も「保釈後は、歯の治療もできるので、安易に抜かない方がいい」と応じた。
 すると、博治が「先週、兄の正和から甘いお菓子の差し入れがあった。ありがたく頂戴したら、歯に沁みた」と苦笑する。釣られて笑いながら「健康管理は自己責任だ」と戒めた。



 昨日(2月7日)の沖縄タイムスに「辺野古から 博治さんへ」「沖縄は絶対に諦めない」と題する社説が掲載された。私も、一読して感動を覚えた。
 長期拘留中の博治と辺野古新基地に反対する市民を繋ぎ、勇気を与える社説だ。権力を監視する使命を有するジャーナリズムの本領発揮といったところか。

 那覇拘置所の独居房では地元紙1紙を読むことができ、隔月で代わる。博治も先月は琉球新報、今月は沖縄タイムスを読んでいる。
 私が、切り抜きしてきた社説を持参し、話題にすると、博治は、独居房内で記した日記を私に示した。くだんの社説が書き写してある。(独居房内では切り抜き保存ができない)
 社説を読んだ博治は、房内に折りたたんだ布団に突っ伏して号泣した、という。よほど感動したのであろう。

 私が「博治さん。拘置所の狭い空間の中では一人ですが、外の世界では決して一人ではありません。県内や国内だけでなく海外からも、多くの励ましの声が届いていることをお伝えしたいと思います」と、沖縄タイムス社説末尾の一文を読み上げると、博治は感極まって、また涙した。私もまた、もらい泣きしてしまった。

 沖縄タイムス社説では、辺野古新基地建設に向け、海上工事が始まったこと、7日以降に最大14トンの大型コンクリート製ブロックが計228個海中に投入されること-などが書いてある。
 今この瞬間も博治は、国家権力むき出しの工事強行に歯ぎしりし、闘争現場にいれないことを悔しがっているに違いない。

 沖縄タイムス社説に勇気を得た博治は「励ましの声は、しっかり受け止めました。必ず元気で闘争現場に戻り、辺野古新基地建設を多くの県民とともに止めたい」と述べ、「照屋さんから(沖縄)タイムスの論説委員に私の感謝の気持ちと決意を伝えてください」と強く頼まれた。

 今日は、博治との接見を終えてから、すぐに上京した。国会事務所に入ると、石垣さんという女性から「ヒロジさんの接見時に」と題するメールが寄せられていることを秘書から知らされた。そこには「沖縄タイムスのこの社説の事をヒロジさんに伝えて下さい!ヒロジさんも読めている
事を願っています。黒塗りでないことを.. 」と記されていた。
 石垣さん、博治を気遣ってくださり、ありがとう。博治は、ちゃんと社説を読んでますよ。

 今日の接見時には、辺野古や高江の闘争現場で歌われている「沖縄 今こそ立ち上がろう」(作詞・山城博治)についても語り合った。
 その話も書き綴りたかったが、長くなりそうなので、次の「博治から 博治へ」で記そうと思う。

 

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東京新聞 2017.2.7 朝刊「反対派『将来のため闘う』」

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<コスタリカ報告③> ”子どもが一人でもいれば学校を建てる、小学生でも落第する” (伊藤 千尋)

2017-02-10 12:08:25 | 立憲主義 民主主義

伊藤 千尋さんFBより

コスタリカ報告、小学生でも落第する

 訪問4日目のテーマは教育です。私たちが滞在していたホテルに、日本の文部科学省に当たる公教育省から5人が説明に来てくれました。午前中に2時間、コスタリカの教育システムをうかがいました。対外担当のクリスティーさんを代表に、小学校や中学校の顧問、中学校の数学教師の方々です。

 コスタリカには4053の小学校があり、生徒数は40万1786人で先生の数は3万2368人います。農村部には先生が一人だけの学校もあり、それが1261校つまり小学校全体の31%を占めるというのですから、どんな僻遠の地にも、子どもがいれば通える学校を作ろうという意思を感じます。
 先住民の地区では先住民の言語や文化の授業もあります。中南米の多くの国では農村部や先住民の地区の教育はほとんど放っておかれていますが、コスタリカでは子どもが一人でもいれば学校を建てるという姿勢です。

画像に含まれている可能性があるもの:2人、座ってる(複数の人)、室内 

 小学校の前にプレ・スクールという就学前の教育が1~2年あります。これを含めて中学校までが義務教育です。無償だし、給食も無償です。ただ小学校でも落第があります。6%が落第するそうです。これを聞いた訪問団の皆さんから驚きの声が上がりました。

 「なぜ落第があるのですか?」と質問したら、「日本では生徒全員が授業を完璧に理解するのですか?」と逆に聞かれました。授業がわかってなくても出席したら進級させる日本と、落第させてでも生徒にとことん理解させようとするコスタリカの違いですね。小学校卒業時にだれもが求められるレベルまで理解しているよう、がんばって追いつかせるのだそうです。

 4年前から進めているのが創造性と革新をキーワードに子ども自身が自分の人生を設計するプログラムです。生徒が幸せで満たされること、同級生と道徳的な価値観を共有し共存、信頼関係を築くこと、自然との間で持続可能な発展ができること、だれかの言葉をうのみにするのではなく批判的に考えて自分自身の考え方を抱くようになること、だそうです。

 そのさいのコンセプトとして民主主義、人権、平和の三つを挙げました。民主主義では地域や国家の活動への参加、政治の透明性、国や地域独自の民主制度の尊重をうたい、人権では生徒の権利の保障、規範に従った人権の保護、家庭での権利と義務に基づく実践を、平和ではこの国に根を下ろした民主主義の価値としての自分と他人の自由、より調和のとれた関係を築くことに責任を負うこと、などを掲げています。すべてのカリキュラムにこれが含まれ、実践を通してこうした価値観を獲得してもらおうというのです。

 このあと移民の子の教育について言及されました。コスタリカ憲法19条は「外国人も教育、健康ではコスタリカ国民と同じ権利を持つ」と、憲法33条は「人間は国籍や人種、宗教にかかわらず誰しも平等である」と規定しています。したがってコスタリカにいる外国籍の子どもたちもコスタリカの子と同じように無償で教育を受けられるのです。しかも子どもたちが育った国の文化を尊重します。たとえば隣国のニカラグアからの移民が多い地区ではニカラグアの文化を授業で教えます。
 ちなみに、この国の移民政策には驚かされます。コスタリカの人口はつい最近まで400万人でしたが、今は500万人を超えました。つまり100万人規模で移民を受け入れたのです。このあたり、たった一人の移民の受け入れにもためらう日本政府や難民で右傾化する欧州、さらにはメキシコとの間に壁を築こうとするトランプ大統領と発想が雲泥の差ですね。

 とはいえ、コスタリカの教育が万事うまくいっているのではありません。なにせ経済的には貧しい農業国です。学校を建てる建設費が不足しており、午前と午後で生徒が別々に校舎を利用する二部制や三部制さえもあります。教科書をすべての生徒に配ることもできません。ニカラグアからの移民の子の中には学校に行ったことがない子もいます。
 そのような中で先生たちはどのように工面しているのか、このあと貧しい地区の現場の先生を訪ね、その活動に感激しました(続く)。


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H・Iさん
 「なぜ落第があるのですか?」と質問したら、「日本では生徒全員が授業を完璧に理解するのですか?」と逆に聞かれました。

 授業がわかってなくても出席したら進級させる日本と、落第させてでも生徒にとことん理解させようとする、これが国際的な教育の権利保障。日本では、落第すなわち悪い、誰が、となって等しく教育を、の憲法が生かされていないと思います。コスタリカの教育のほうが常識。

 

 <関連>

<コスタリカ報告>独裁者を作らない仕組み:うらやましい民主政治~ 現政権だけでは憲法を変えられない、議員は連続再選不可、 etc (伊藤千尋)

 <コスタリカ報告②> 最高裁長官は女性、憲法・国民主権が生きている! (伊藤 千尋)

 

 


<コスタリカ報告②> 最高裁長官は女性、憲法・国民主権が生きている! (伊藤 千尋)

2017-02-10 09:55:37 | 教育 学校 家庭 いじめ

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、座ってる(複数の人)

伊藤 千尋さんFBより

コスタリカ報告、最高裁長官は女性

 低い建物が多く空が広い首都サンホセに、ひときわ目立つ高層のビルがそびえます。飾り気のない灰色の壁には、目隠しして天秤を持つ「正義の女神」の浮彫り。最高裁判所です。
階段を上がって玄関を入るとすぐ右側は違憲訴訟の窓口で24時間、365日開いています。僕が行ったときも市民3人が窓口で訴えを起こしていました(写真)。この国では市民が気軽に憲法違反を訴えるのです。

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、座ってる(複数の人)、室内

 大法廷の部屋に案内されました。どっしりとした椅子が22席、馬蹄形に並びます。22人の最高裁判事が一堂に集まる場です。「どこでもいいからお座りください」と言われ、みんな好きな席に座りました。正面の長官席には広報官の女性が座って説明しました。

 最高裁の判事22人のうち女性が6人います。最高裁長官は女性です。

... 最高裁には4つの法廷がありますが、中でも重要かつ特色あるのが第4法廷です。俗に憲法法廷と呼ばれます。ここでは基本的人権にかかわるすべての案件を7人の判事が審議します。その役割は①憲法がきちんと守られるようにする②基本的人権の擁護③少数派を護る④平等と正義をすべての国民にもたらす、が柱です。

 中でも多いのは病院や市役所での対応が遅いとか人権が無視されたなどの訴えです。子どもを遠くの公立学校に越境入学させようとしたら拒否されたとして違憲訴訟を提起し親が勝利したケースもありました。

 過去には、薬を買いに行ったら求める薬がなかったので薬屋と薬事行政を相手取って違憲訴訟を起こしたおじいさんもいました。判決は、「おじいさんにとって薬がなければ健康な生活が維持できないので明白な憲法違反だ。薬屋はおじいさんの薬を常時、置いておくよう。また、おじいさんはどこに旅行するかもしれないので、全国の薬局にこの薬が常時おいておかれるよう国は薬事行政をきちんとすべし」というものでした。
 これがコスタリカです。日本国憲法では第25条生存権で「健康で文化的な生活」が保障されているのに、実態はかけ離れています。国民はそれをあきらめていますが、コスタリカは「憲法に記された理想は実現されていなければならない」という発想です。憲法に反する実態があれば市民は直ちに違憲訴訟で訴えるし、裁判所側は迅速な判決で答えるのです。

 2016年に出された違憲訴訟の数は179637件です。そんなにあれば裁ききれないのではないかと思われるでしょうが、7人の判事だけが処理するのではありません。副判事の役割をする補助員が6人いますし、さらに窓口に持ち込まれた時点で弁護士資格を持った60人を超す係官が対応します。人権関連の案件は訴訟を起こして1か月程度で判決が出ますし、大きな訴訟でも1年半で判決に至ります。

 最近はどんな刑事事件があるのかという質問に広報官は「麻薬組織がのさばって暴力事件が増えている」と答えました。そのさいに、コスタリカに軍隊がないことに乗じて外国の薬組織が入り込み警察力だけでは対応できないと、あたかも再軍備を求めるかのような発言をしたため訪問団の参加者が色めき立ちました。広報官は「だからといって軍隊を持とうということにはならない」と弁明しましたが、煮え切りません。

 これについて国会でオットン・ソリス議員に聞いたところ、彼は「強大な軍隊を持つ米国もコロンビアも麻薬組織を一掃できないではないか」と、武器には武器をという発想を一蹴しました。そして「平和という点ではコスタリカ国民は一致している。コスタリカの選挙で再軍備を主張する候補がいたら、一票も入らないだろう」と明快に語りました。

 麻薬は南米のコロンビアで作られ、消費地の米国に運ばれますが、その途中にあるコスタリカを通らざるを得ないため麻薬組織が暗躍しています。コスタリカにとってはいい迷惑です。コスタリカ沖の海上では米国の艦船が麻薬運搬の船を監視しており、米国の船がときどきコスタリカの港に入って水や食料を補給します。これを指して「コスタリカは米国に基地を提供している」と息巻く人々がいますが、誤解です。基地など提供していませんよ。米国の艦船は入港のたびにコスタリカ側に申請し許可を受けなければなりません。こんな面倒なシステムにしています。米国の言いなりになる日本と違って、コスタリカは小さな国ですが米国に毅然と主権を知らしめているのです。

 

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