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愛媛県新文書 “3年前 加計氏が安倍首相に獣医学部構想説明” 2018.5.21 NHK / 安倍晋三…と加計孝太郎氏、食事やゴルフ14回 2017.7.24

2018-05-21 21:31:29 | 加計疑惑

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愛媛県新文書 “3年前 加計氏が安倍首相に獣医学部構想説明”

加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県は、3年前に柳瀬元総理大臣秘書官が官邸で学園側と面会したことに関連する県の新たな文書を21日に国会に提出しました。文書には、学園側からの報告内容として「3年前の2月末、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載されています。



加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、柳瀬元総理大臣秘書官は、今月行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。

愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。

これを受けて、愛媛県は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出しました。

愛媛県は内容を明らかにしていませんが、NHKが入手した文書には、当時、県が学園側から受けた報告の内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。

さらに、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。

このほか、4月2日に総理大臣官邸で面会した際の柳瀬氏の発言をまとめたとするメモには、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したと記載されています。

今回、新たな文書を提出したことについて、中村知事は午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。

安倍首相の説明

安倍総理大臣は、加計学園の獣医学部新設の計画について初めて知ったのは、学園が国家戦略特区の事業者に選定された去年1月20日だと国会で繰り返し説明してきました。

また、去年7月の衆議院の予算委員会で、加計学園の理事長が長年の友人であることを問われると、安倍総理大臣は「『時代のニーズにあわせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたい』という趣旨の話は聞いたことがあるが、『獣医学部をつくりたい』、さらには『今治市に』といった話は一切無かった」と述べました。

さらに、今月14日の衆参両院の予算委員会で、柳瀬氏が獣医学部新設をめぐり3年前に学園側と3回面会したことを問われると、「柳瀬氏から報告は受けていない」と述べました。

柳瀬元秘書官の説明

柳瀬元総理大臣秘書官は、今月10日に行われた衆参両院の参考人質疑で、3年前の4月2日に総理大臣官邸で加計学園の関係者と面会したことを認めました。

しかし、面会した一行の中に愛媛県と今治市の担当者がいたかについては、「会った記憶はない」、「10人近くの随行者の中にいたのかもしれない」と述べていました。

一方で、学園の関係者とは、詳しい日付は覚えていないとしたうえで、3年前の4月2日以外にも同じ年の2月か3月に1回と、今治市が国家戦略特区に提案する6月4日の前後に1回の合わせて3回、総理大臣官邸で面会したことを明らかにしました。

自民 二階幹事長「疑念残らないよう対応を」

自民党の二階幹事長は記者会見で、「機会を得て、報告を聞いてみたいと思っており、これからの国会審議でも、疑問や疑念が残らないようにしっかり対応していきたい。疑問があれば、しかるべき時に尋ねてもらえれば、安倍総理大臣が納得のいく答弁をすると思う」と述べました。

また、二階氏は、愛媛県の中村知事の国会招致について「それぞれの委員会が判断して、お越しを願いたい時には、そういう意見を言ってもらえばいい。われわれの側から直接、意見を申し述べるべきではない」と述べました。

立民 辻元国対委員長「柳瀬氏の証言がうその濃厚な証拠」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は国会内で記者団に対し、「『柳瀬元総理大臣秘書官の証言がうそだった』という濃厚な証拠が出てきたと思うし、『1国の総理大臣が国会や国民に対し、うそをつき通してきたのではないか』ということにつながると思う。『うそをうそで上書きして、書き直そうとしても無理だ』ということだ」と述べました。

国民 玉木共同代表「核心的な疑惑出てきた」

国民民主党の玉木共同代表は国会内でNHKの取材に対し、「『加計ありき』がより鮮明になったし、『一連のストーリーは安倍総理大臣の指示から始まったのではないか』という極めて核心的な疑惑が出てきた。この疑惑を明らかにすることなく、ほかの重要法案の審議は到底できない。安倍総理大臣、加計理事長、愛媛県の中村知事ら関係者に一堂に予算委員会の集中審議に集まってもらい、真実をしっかり話してもらわなければならない」と述べました。

公明 石田政調会長「国会審議の中で議論に」

公明党の石田政務調査会長は記者団に対し、「詳しく把握していないので、これから精査をしないといけない。文書自体が、どういうものなのか、よくわからないので、国会審議の中で議論をしっかりしていくことになるのではないか。国民の中ではふに落ちていないと思うので、国会でしっかり説明していかなければならない」と述べました。

共産 小池書記局長「総理の進退に関わる重大な文書」

共産党の小池書記局長は国会内で記者団に対し、「安倍総理大臣の進退に関わる重大な文書だ。文書を見ると、安倍総理大臣と学園の加計孝太郎理事長の会談がすべてのスタート台で、安倍総理大臣が『いいね』と答えたことで、すべての話が始まった。『加計ありき』どころか『安倍ありき』だ。国会で虚偽答弁を続けてきた安倍総理大臣の責任は極めて重大で、解明なしでは何も進まない」と述べました。

維新 馬場幹事長「特別委で集中審議を」

日本維新の会の馬場幹事長は国会内でNHKの取材に対し、「資料の事実関係は確認していないが、事実であれば、今までの安倍総理大臣の説明が違っていることになる。説明の場を作り、きちんと真相究明していくことが必要で、国会に特別委員会を設置して集中的に審議すべきだ」と述べました。

加計学園「コメントできない」

愛媛県が国会に提出した新たな文書について、加計学園はNHKの取材に対して、「責任ある担当者が不在で、文書の内容も把握できていないため、現段階ではコメントできない」としています。

 

 

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<追記 2018.5.23> 東京新聞:首相、森友記録廃棄「誠に遺憾」 加計氏と面会19回:政治 ...

 

 

2017年07月24日 00時07分 JST | 更新 2017年07月24日 19時18分 JST
https://www.huffingtonpost.jp/2017/07/23/abe-kake_n_17568126.html

安倍晋三首相と加計孝太郎氏、食事やゴルフ14回 「食事代、先方が支払うこともあった」安倍首相
萩生田光一氏ブログより
 

学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題などをめぐる、衆院予算委員会の閉会中審査が7月24日、安倍晋三首相出席で始まった。

民進党の大串博志衆院議員は、安倍首相が2013年の第二次安倍政権発足以来、加計学園の理事長、加計孝太郎氏と14度、食事やゴルフで接触していたことを示し、「大問題なのでは」とただした。安倍首相はあくまでも「気の置けない友人関係」として、申請に関する依頼を受けたことや、依頼を受けて自ら働きかけたとする疑惑は否定した。

 

大串氏は第2次安倍内閣における安倍総理と加計氏の接触記録を提示した。面会回数は14回に及んでいた。この記録を示した上で以下のようなやり取りが行われた。

大串氏安倍総理は、加計理事長が獣医学部を新設し、国家戦略特区に申請するという話を聞いていなかったのか。

安倍首相加計さんとは政治家になるずっと前からの友人関係。彼が私の地位や立場を利用として何かを成し遂げようとしたことは一度もなかった。時代のニーズに合わせて新しい学部に挑戦したいという話は聞いていた。過去にも様々な学部・学科を作ってきたが、具体的に何かを作ろうとしている、獣医学部を作りたいという話は、一切なかった。今治市にという話も。

 

大串氏安倍総理は申請の事実をいつ知ったのか。

安倍首相申請が正式に認められた国家戦略特区の諮問会議、2017年1月20日に初めて知った。わたしは知りうる立場にはあったが、具体的な説明はなかった。

大串氏これだけの面会記録があるのにか。俄かには信じられない。

安倍首相国家戦略特区は自治体、今回は今治市の申請ということになる。事業者は決まっていない。

大串氏いつ知ったのか。はっきり答えてほしい。9月から秋にかけて色んな議論が行われている。総理からも検討を深めようという話があった。申請を(文科省の担当者ら)みんな知っていた。総理だけが知らないのはあり得ない。

 

安倍首相国家戦略特区というのは、自治体が申請するわけです。私は特定の自治体ではなく、全体において指示している。それが諮問会議、ワーキンググループの肝でもある。中身については私に報告はななった。

大串氏面会の食事代について聞きたい。

安倍首相私がごちそうすることもあるし、先方が支払うこともある。友人関係ですので割り勘もある。何か頼まれてごちそうされたことはない。気の置けない友人関係なので。

大串氏国家公務員には倫理規程がある。権力関係にある人と食事をしてもいけない。申請者と一緒に食事、ゴルフをしてかつお金を払ってもらったのは大問題。だから「1月20日まで知らなかった」と言っているのではないか?加計学園は、特区の事業者に認められる前、2016年10月には既に学部新設の予定地でボーリング調査を始めていた。なぜそんなことができるのか。加計学園の理事長、加計孝太郎氏の参考人招致が必要だ。

 

 

大串氏が示した面会内容の詳細は以下の通り。

 

第2次安倍内閣における安倍総理と加計氏の接触記録

2013年11月18日 午後6時33分、東京・赤坂の日本料理店Sで加計氏と食事。

2014年6月17日 午後6時30分、東京・芝公園のフランス料理店CでA氏、加計氏らと食事。

2014年12月18日 午後7時4分、東京・銀座の中国料理店H。A氏、加計氏と食事。

2014年12月21日 午後6時55分、東京・赤坂の飲食店K。昭恵夫人、加計氏らと食事。

2015年8月15日 午後5時40分、(山梨県鳴沢村の別荘)A氏、加計氏、本田悦朗内閣官房参与らと食事。

2015年8月16日 午前7時、山梨県富士河口湖町のゴルフ場Fカントリー倶楽部。A氏、加計氏、本田内閣官房参与とゴルフ。

2015年9月21日 午前7時57分、山梨県鳴沢村のNゴルフ倶楽部。加計氏、友人、秘書官とゴルフ。

2016年3月18日 午後6時36分、東京・赤坂の日本料理店S。A氏、加計氏と食事。

2016年7月21日 午後6時25分、山梨県富士河口湖町の焼き肉店T。B氏、加計氏と食事。

2016年7月22日 午前7時19分、山梨県山中湖村のゴルフ場Fゴルフコース。B氏、加計氏らとゴルフ。

2016年8月10日 午後6時21分、山梨県富士河口湖町の居酒屋R。加計氏、秘書官らと食事。

2016年8月11日 午前6時42分、山梨県山中湖村のゴルフ場Fゴルフコース。A氏、加計氏らとゴルフ。

2016年10月2日 午後6時、東京・宇田川町の焼き肉店Y。A氏、C氏、加計氏らと食事。昭恵夫人同席。

2016年12月24日 午後6時2分、東京・丸の内の鉄鋼ビルディング。同館内のエグゼクティブラウンジでA氏、加計氏、昭恵夫人らと食事

 

 

 

 


愛媛県 加計関連の新文書 国会に提出 ~報告内容に「3年前、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載が! 2018.5.21 NHK 

2018-05-21 18:54:44 | 加計疑惑

スーパーJチャンネル・・速報で
3年前の面会で獣医学部説明で安倍総理は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と・・・
2017年1月20日に初めて知ったは大嘘だった!

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 文書には、学園側からの報告内容として
「3年前、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載されている。

 

愛媛県 加計関連の新文書 国会に提出

加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県の中村知事は、3年前に柳瀬元総理大臣秘書官が官邸で学園側と面会したことに関連する県の新たな内部文書を国会に21日に提出したことを明らかにしました。
 文書には、学園側からの報告内容として「3年前、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載されています。

加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、柳瀬元総理大臣秘書官は、今月行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。

愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。

これを受けて、愛媛県の中村知事は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな内部文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出したことを明らかにしました。

文書には、学園側からの報告内容として「平成27年2月25日、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、国際水準の獣医学教育を目指すと説明した」などと記載されています。

このほか、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて、柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。

中村知事は21日午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。

自民 二階幹事長「疑念残らないよう対応を」

自民党の二階幹事長は記者会見で、「機会を得て、報告を聞いてみたいと思っており、これからの国会審議でも、疑問や疑念が残らないようにしっかり対応していきたい。疑問があれば、しかるべき時に尋ねてもらえれば、安倍総理大臣が納得のいく答弁をすると思う」と述べました。

また、二階氏は、愛媛県の中村知事の国会招致について「それぞれの委員会が判断して、お越しを願いたい時には、そういう意見を言ってもらえばいい。われわれの側から直接、意見を申し述べるべきではない」と述べました。

維新 馬場幹事長「特別委で集中審議を」

日本維新の会の馬場幹事長は国会内でNHKの取材に対し、「資料の事実関係は確認していないが、事実であれば、今までの安倍総理大臣の説明が違っていることになる。説明の場を作り、きちんと真相究明していくことが必要で、国会に特別委員会を設置して集中的に審議すべきだ」と述べました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

提出された愛媛県地域政策課文書によると・・
2015年(平成27年)03月作成

【獣医師養成系大学の設置に係わる加計学園関係者との打合せ会等について】
1、 加計学園から、(加計)理事長と安倍首相との面談結果などのついて報告
したいとの申し出があり、3月3日同学園関係者と県との間で打
合せ会を行った。
2、加計学園からの報告等は、以下の通り。…と続き
2015年2月25日に(加計)理事長と首相とが面談(15分程度)した内容が記され…
『首相からは「そういう新しい獣医学部の考えはいいね」とのコメントあり』などとあります。

 

 

 【追記】2018.5.25
「安倍首相と加計氏面会」と報告=今治市長-県文書を一部裏付け:時事ドットコム

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018052501128&g=pol
 - 学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり、愛媛県今治市の菅良二市長は25日、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が2015年2月に面会していたと市担当者から報告を受けていたことを明らかにした。


 

 


 

 

 


のんが水木しげるの反戦漫画に寄稿した解説文が素晴らしい! 「戦争って怖いではなく、戦争は本当にダメだ」 2018.5.20 リテラ

2018-05-21 14:17:20 | 地震 災害

『水木しげる漫画大全集』67巻(講談社)
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のんが水木しげるの反戦漫画に寄稿した解説文が素晴らしい! 「戦争って怖いではなく、戦争は本当にダメだ」

2018.05.20

 京極夏彦が責任監修を務め、6年にわたって刊行を続けてきた『水木しげる漫画大全集』(講談社)。この全集の最終配本となる67巻が5月1日に発売された。この67巻には『白い旗』、『敗走記』そして、水木しげるの代表作のひとつと評される『総員玉砕せよ!! 〜聖ジョージ岬・哀歌〜』の戦記もの3作がおさめられている。

 水木しげるが戦争への怒りを爆発させた名作『総員玉砕せよ!!』がおさめられる全集67巻に解説を寄せているのが意外な人物だった。なんと、女優・ミュージシャン・芸術家と多方面で活動する、のんが解説文を寄稿しているのだ。京極夏彦から「水木先生の作品を読んだことがない、若い世代の感想を聞きたいのです」と依頼されたという、のんによる解説文だが、その内容とはいったいいかなるものだったのか。

「戦争は、本当にダメだ」と題された解説文によると、のんはそもそも戦争をテーマにした映画や小説、漫画を見たり読んだるすることがほとんどなかったという。その理由を彼女は、〈戦争について観たり読んだりするのが、本当に「怖い」のです。恐ろしい場面が頭の中をぐるぐると回って、思考が停止する感じがして、いつも眠れなくなってしまうのです〉と綴っている。

 しかし、そんな彼女も、水木しげるの描く戦争をテーマにした漫画には入り込むことができた。それは、これらの作品がただただ人と人が凄惨に殺し合う姿を激しく描くのに終始するといったものではなかったからだ。

 たとえば、『総員玉砕せよ!!』の序盤では、空腹や重労働や上官による体罰に対して下っ端の兵隊たちが文句を言ったり、時には、上官の入るお風呂にこっそりオシッコをしておく復讐をしたりと、地獄のような兵隊生活のなかに垣間見える日常風景をユーモラスに描いている。この「戦時下の日常生活」というフォーカスの当て方は、のんが主演声優を務めたアニメ映画『この世界の片隅に』にも通じるものだ。のん自身も両作品に共通点を感じたのだろう、『総員玉砕せよ!!』は『この世界の片隅に』とちがって戦場そのものを舞台にした作品ではあるが、それでも〈淡々と描かれ〉た〈戦場での生活〉にも〈共感しながら読んだ〉のだという。

「玉砕」に衝撃を受けたのん「初めて戦争ってとんでもないと心の底から思った」

 

 しかし兵士たちの淡々とした日常に共感する一方、のんが〈どうしてもわからなかった〉と告白するのが、「玉砕」という言葉だ。作品を最後まで読んだ彼女は「玉砕」にショックを受ける。

 のんはそれまで、戦争とはいっても〈いざとなったら持ち場から逃げ出すことができるんだろうな〉と思っていたのだという。しかし『総員玉砕せよ!!』の後半部で描かれるのは、「逃げたら殺す」と脅迫され、そして、逃げたら、本当に殺される世界だ。

 そんな場面を目の当たりにしたのんは、解説文のタイトルになっている「戦争は、本当にダメだ」との思いを強く抱いた。その衝撃をこう綴っている。

〈『総員玉砕せよ!!』を読んで、当時の兵隊さんが「生き残ったら恥だ」「犬死にしないように、突撃して早く玉砕しなければ」と思っていたことがわかりました。この事実を知った時、「戦争って怖いな」ではなくて、初めて「戦争は、本当にダメだ」「戦争って、とんでもないことなんだ」と心の底から思いました〉

『総員玉砕せよ!! 〜聖ジョージ岬・哀歌〜』は、1973年に講談社より出版された作品。舞台は、1945年のニューブリテン島。水木が実際に所属していた臨時歩兵隊第二二九大隊(ズンゲン支隊)がモデルとなっている。

 先に述べた通り、物語の序盤は、兵隊生活の理不尽な体罰や、死と隣り合わせの恐怖が、時にユーモアも交えながら描かれる。しかし、ストーリーの中盤以降、ラバウルにいる10万人の将校たちのためにバイエン支隊の兵隊500人が捨て石となって玉砕するよう命令がくだってからはトーンが一変。兵隊たちが無慈悲に殺されていく姿が凄惨に描かれる。

 だが、兵隊たちにとって、この玉砕命令は悲劇の始まりに過ぎなかった。バイエン支隊の玉砕は大本営にも伝えられ、戦意高揚のための美談として喧伝されたのだが、実は多数の生き残りがいることが発覚。これが大問題となる。

 生き残りの兵隊たちは命からがら聖ジョージ岬へ逃げ帰るが、そこで待っていたのは、「敵前逃亡」の罪であり、「卑怯者」の汚名であった。せっかく生き残ったのにも関わらず、責任をとるため、部隊を率いた隊長たちはその場で自決を強制される。そして、その下についていた兵隊たちは、聖ジョージ岬に上陸する米軍に対して玉砕攻撃を仕掛けるよう命じられた。今度は逃げることのないように監視役までついており、その監視役には逃げる兵士を射殺しても構わないという権限が与えられていた。そして、物語は兵士たちが無惨に討ち死にし、誰にも顧みられることなく白骨化していくさまを生々しく描いて終わっていく。

のんが衝撃を受けた「総員玉砕せよ!!」は90パーセントが事実

 

 あまりにむごい物語だが、さらに恐ろしいのは、これがまったくのフィクションなどではないということだ。水木は〈この「総員玉砕せよ!!」という物語は、九十パーセントは事実です〉(『水木しげる漫画大全集067』あとがき)と告白している。

 実際には、生き残った者たちはミャンマー守備隊に配属され、再びの玉砕攻撃はなかった。そのあたりは史実と異なるのだが、この配置は戦闘が起きた際、生き残りの者たちが率先して突撃して戦死することを期待したものであり、少しでも戦況が違っていれば『総員玉砕せよ!!』の物語通りになっていた可能性が高い。

 水木本人は、マラリアと左腕のケガのため玉砕命令が出る前に部隊から離れていたので戦死を免れているが、彼自身も中隊長から「次は真っ先に死ね」と言われている。『総員玉砕せよ!!』が〈九十パーセントは事実です〉と語られている理由はそういった面にある。

『総員玉砕せよ!!』は基本的に全編、水木しげるの名を聞いて誰もが思い浮かべるであろう可愛らしいあのタッチで描かれているのだが、クライマックスに近付くと、進撃するアメリカ軍や、無惨に打ち捨てられた兵士の死体だけがリアルなタッチの劇画調で挿入されるように構成されている。

 絵のタッチがいきなり変わるこのギャップは、「戦争の恐ろしさ」や「戦争のむごさ」といったものを読者に対して強烈に訴えかける。水木は2006年8月16日付毎日新聞大阪朝刊で「『総員玉砕せよ!』を描いたのは、戦争を体験した漫画家として、残さなければならない仕事だと思ったからだ。心ならずも亡くなった人たちの無念。敗戦は滅亡だった。食に困らず、豊かさを味わえる現代は天国のようだ。戦争をすべきでない」と語っているが、作品を読むと、それだけの強い情念を込めた鬼気迫る作品であることは、十二分に伝わってくる。

 のんは解説文で〈「戦争って怖いな」ではなくて、初めて「戦争は、本当にダメだ」「戦争って、とんでもないことなんだ」と心の底から思いました〉と書いていたが、彼女の心がそれだけ揺さぶられたのは『総員玉砕せよ!!』に込められた水木の猛烈な怒りが伝わったからだろう。

 これを機会に、ひとりでも多くの読者に、水木が放つ戦争への怒りと平和への思いが伝わればと思う。


木村草太の憲法の新手(80)高度プロフェッショナル制度 労働者側にメリットなし 2018.5.20 沖縄タイムス

2018-05-21 00:48:57 | 労働 生活一般

 

木村草太の憲法の新手(80)高度プロフェッショナル制度 労働者側にメリットなし

木村草太さん木村草太さん

 高プロの対象は、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務」とされる。

 さらに、(1)「使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定められている」こと(2)「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」ことという条件を満たす必要がある。

 この条件を満たす者が同意すれば、労働基準法上の「労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金」の規定の適用を除外することができる(労働基準法の改正案41条の2)。

 高プロには、労働問題専門の弁護士や過労死の被害者遺族などから強い批判の声が上がっている。

 まず、現行法でも、業績に応じてボーナスを出したり、賃金を上乗せしたりすることは禁じられていない。また、勤務時間内に、なすべき業務が終了した場合に、賃金を減らすことなく早退を認めても、現行法には違反しない。労働者にとって、高プロ導入のメリットはない。

 他方、使用者には過重労働や過労死を防ぐ安全配慮義務がある。労働時間の上限規制や、最低限の休憩設定義務は高プロ対象労働者にも必要なはずで、これらの適用を全て除外するのは不適切だ。

 この法案で実現されるのは、「成果で賃金が支払われる制度」ではなく、「成果がでない限り、いくら働いても残業代が出ない制度」であり、「残業代ゼロ法案」と批判されるのもやむを得ない。

 また、法案には、憲法の観点からも疑問がある。憲法27条2項は、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と規定する。労働基準は、政令や省令など行政機関限りで決定するのではなく、国民の代表が集まる国会で討議をして、法律という厳格な形式で決めるべきだからだ。

 しかし、高プロの規定の肝心部分は、「厚生労働省令で定める」とされている。法律には多少の基準が定められるのみで、対象業務・合意の方法・対象労働者の年収基準は、行政の判断で変えられる。これでは、国会が労働基準を決定しているとは言えないだろう。

 さらに、多くの論者が指摘するように、「労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない」という効果は強烈すぎる。条文通りに適用すれば、休憩なしの24時間勤務を連日命じることも、理論的に可能になってしまう。

 成果を基準に賃金を支払い、柔軟な労働時間を設定したいなら、高プロよりも良い方法はいくらでも考えられる。この法案を強行に実現するのは、あまりに危険だ。

(首都大学東京教授、憲法学者)

 

「木村草太の憲法の新手」が本になりました

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