
学校法人「森友学園」による補助金詐欺事件で、25日に保釈された籠池被告が緊急の記者会見を行った。
会見の冒頭、籠池被告は、「お久しぶりでございます。長い10カ月入っておりましたので体力も弱っている。大変なもんやなと思う」と述べた上で、「国策勾留だと認識している」と強調した。
【緊急会見】籠池被告「佐川さんがうその証言し歯車がおかしくなった」(05/25 20:53)
【緊急会見】「安倍首相は正々堂々と伝達報告すべき」籠池被告強調(05/25 20:41)
【緊急会見】籠池被告「冤罪」...妻の諄子被告への対応を非難(05/25 20:26)
【緊急会見】籠池被告「小学校建設はあきらめていない」(05/25 20:20)
***********************:
凶悪犯罪ではなく、逃げ隠れできる状況にもない籠池夫妻を10か月も勾留し、面接さえ禁止(特別に国会議員には認めざるをえなかったが)とは、いかなる法的根拠に基づくのか。しかも今回の保釈にも検察は待ったをかけたが、大阪地裁により保釈が認められた。
不当、違法な長期拘留と言うほかないが、こういう超法規的で恣意的な検察庁の所業は後をたたず、これでは、民主制国とは到底言えない。行政権の肥大化は民主政治の否定となるが、とりわけ警察や検察という実力組織の恣意的な権限行使は、危険で恐ろしく、公共悪というほかない。
第三者機関であるオンブズマンの創設で、役人=検察官の勝手な行いを監視しなければ、再び戦前のような狂気が再現されてしまう。検察や警察による冤罪事件は後をたたないが、それを防ぐためのオンブズマン制度がない。その創設は急務である。また、国会の行政監視委員会に強い権限を与えて、国会から行政機関への監視を行う制度を実効性のあるものとしてつくることが必要だ。
行政権の肥大化は目に余る。
※わたしは、籠池夫妻の思想や行動には、まったく賛成できないし、彼らの行為には強い憤りをもつが、それと、検察庁の異常な権限行使とは次元を異にする。人権無視の公権力の行使はより罪が重い。
武田康弘(元凝視監視委員会調査室・客員調査員)