岩波から出ている山藤章二の本に
「はじめての八十歳」というのがある。
内容は、「八十歳を迎えたら、今までと違う世界が見えてきた」みたいなことが書いてあるんだけど
私が今アッピールしたいのは、そのタイトル
「はじめての八十歳」という表現。
ぐっと引き寄せられたのね。
「一度だけの八十歳」でもなく、
「八十歳になってわかったこと」でもなく
『「はじめての」八十歳』なんだよ。
八十歳を二度も三度も出来る筈なんかないのに、
「はじめての」なんだ。
こういう表現に出会うと嬉しくなってくる。
ああ、いいなあ、って思うんだ。
表現は、気づき。
表現は、生き方。
山藤章二は、八十ニ歳。
歳を取れば取るほど感性に奥行きが出てくる。
バキューン。
初めて逆上がりができた時のことを覚えているか
身体と宇宙がくるんと回った瞬間を覚えているか
嬉しくて何度も何度も回ってみた
すると今度は身体と宇宙と喜びが一緒にくるんと回った
いい日だった
得意満面の日だった
私の原点の1つだ