お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

模倣から始めるスタイル(似顔絵雑記)

2012-10-10 19:57:13 | 雑記
山中伸弥教授のノーベル賞受賞報告の番組を見てから、

(似顔)絵のスタイルは、模倣から始めた方がよい

と思うようになりました。
その対象はアートやデザインをかじったことがある人限定です。
(全くの素人さんは、この限りではありません。自由に描いていいと思っています。)

模倣から始めないと、結果として模倣してしまう可能性があるからです。

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以下は、苦い思い出です。

私が美大予備校に通っていた頃、アクリル絵の具で描く平面構成という課題がありました。
その課題製作で、『「ペン画」という書籍に描いていた黒地に白で描く技法』+『漫画のスクリーントーンを背景に描く』という、オリジナリティーゼロの作品を描きました。
そうしたら、二人の生徒、AさんとBさんが見ていて、その表現をほめてくれました。
Aさんは、
「背景をもっとその表現で埋めた方がいいよ」
とアドバイスまでしてくれました。

何故、アドバイスまでしてくれたかと言うと、Aさんもその技法と似た技法で描いたことがあるからでした。
私は、Aさんの作品を見る機会は一度もなかったのですが、その数日後、Aさんは似た技法で作品を描いていました。
私も、「なるほど、Aさんは、自分もその技法を使っているよ」ということをアピールしたのだと納得しました。

けれど、問題なのはもう一人の生徒、Bさんです。
(このブログを見て下さっている方なら分かると思いますが、完成度の高い(と自分で思った)作品のタッチやスタイルはすぐにやめ、全く別の作品を作りだす傾向があります。)
しばらくその絵を描かなかったら、Bさんが、全く同じスタイルの作品を描き始めたのです。
私は、「仕方ないから、新しいスタイルを見つけよう」と思っていたのですが、
そのスタイルを知っている先生から、「どうして全力を出して描かないんだ?あの絵はよかっただろ?」
と注意されてしまいました。
そして、私は以前の技法で描きました。
すると、Bさんは
「パクられたー!!」
と騒ぎだしました。
散々騒がれましたが、私のオリジナルの技法でもないですし、先生も私のほうが先に使っていた技法だと知っていたので、無視していました。
そうしたら、Bさんは壊れてしまいました。

何もしないのも罪かと思いました。

思い出すと、もう一人全く違う生徒、Cさんからも、
「私の技法をパクらないように言って下さい」
と先生に、私に聞こえるように訴えていました。
そうしたら、当然ですが
「前から、彼が描いてる技法だから」
と先生は擁護してくれました。
Cさんとも、仲が悪くなってしまいました。



そういうことが、似顔絵でも起こりうると思いました。
私がそのとき耐えられたのは、模倣のルーツをしっかり自覚していたから、
そして、先生が過去の私の作品を知ってくれていたからです。

自分のスタイルのルーツを自覚しないと、知らないうちに「パクり」の汚名をかけられたり、結果として模倣のような作品ができてしまうと思います。

けれど、私は同じスタイルの似顔絵を描くつもりはありません。
最終的には、今まで描いた似顔絵の部分全てを繋ぎ合わせて、一つのスタイルを作り上げるかもしれませんが、同じタッチやスタイルの似顔絵を続けて描くつもりはありません。

私の似顔絵のタッチやスタイルの多くは、美術書に載っている技法の発展です。

以上のようなことがおこることを思い出すと、しっかりと自分の作品のルーツを知って描くことが大事だと思いました。

そうしないと、オリジナリティへの道もないと思えるのでした。

そこで、浮かんだのがスキマです。ルーツを知りつつ、スキマを狙っていく。そうすれば独自性のある似顔絵も描けるようになるのではと考えています。




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山中伸弥教授に挑戦!!(似顔絵)

2012-10-10 15:17:37 | ・その他似顔絵
山中伸弥教授の似顔絵


ノーベル医学生理学賞を受賞された山中伸弥京都大学教授の似顔絵を描いてみました。

「二番じゃダメなんです」

文字似顔絵です。
ローマ字のほうが、漢字や平仮名、カタカナより難易度が低いみたいです。

「おめでとうございます!!」
と祝っている場合ではなく、日本の現状は既に遅れをとっているそうです。



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内なる他者へ(自由詩)

2012-10-10 12:26:00 | 作詩・ヤバソン画談
内なる他者へ

私はあなたの存在を否定してはいけない

私はあなたの囚人であってはいけない

私はあなたの独裁者であってはいけない

私はあなたを善や悪と決めつけてはいけない

そうしなければ

私とあなた

そして、まだ現れぬあなたたちは自分として

生きてはいけない



それは、内なる世界だけではない








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