「間を感じ、間から生まれる」
予備校生のときに「無から有は生み出せない」などというニヒルな小論文を書いてしまったことで、作品が生み出しにくくなってしまったことがあります。
最近では、「無から有を生み出すんだ!!」という、事実でなくともそういう気概がなければ作れないという立場でした。
ところが、「早間」早い間という言葉にであって、「もともと間をもっていた」ことに気付かされました。
無であるか有であるかを論じると、混沌か秩序かという、曲げられない立場の方に出会うことになると思います。
「無だったのか、有だったのか」という自分で設けてしまった議論からはなれて、何も作られていない間から、描いていけばよいのではないかなどと考えて色を置いて塗っています。
人物画で、色を置いて描く最大の欠点は、線がひきづらい点ですが、西洋的な表現のなかに「間」を作ってきた先達の人物画に似てくるやもしれません。
似顔絵で描いてみたら、笑って頂けました。笑えるというのも似顔絵の一つの長所だと思い出しました。