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米子の親戚の105歳のおばあさんが亡くなった。
お葬式に参列したら、一俵香奠の張り紙があった。
聞いたことはあったが、見るのは初めてだった。
見るまでは、「米1俵」と書いてあるものかと思っていたが
「玄米1俵」と書いてあった。
一緒に行った親戚はこれを見て、この分を香奠とは別に届けないといけないと
思ったというほど、珍しい光景だった。
が、地元の親戚の方は、それを聞いて逆に驚いておられた。
精米した米は日持ちしないので、昔は玄米で届けたからだと言われた。
ところ変われば、ということだろう。
昔は、町内の方が香奠の受付をした際、香奠に米1俵も届ける親戚が
こんなにあるという誇りで張り出した、名残りだそうだ。
米が現在とは比べ物にならないくらい高価な時代の話だ。
親戚の話では、これはいらないと町内に言ったそうだが、
もう半紙に書いて準備がしてあると言われたので、
親戚の主だったところを書いて渡したのだとか。
これも今は米子の市内ではほとんどないそうだが、
米子も少し田舎になると、今も残っているのだとか。
米子というより、伯耆の国の風習のようだ。