日高高校中津分校の3年生が、同校OBの紀州備長炭製炭者とタッグを組んで、備長炭で焙煎したオリジナル珈琲の販売を目指す。規格外の備長炭の端材を活用して珈琲豆を生徒らが焙煎し、パッケージやネーミング、価格などを考えてネット販売する取り組みで、日本一の生産量を誇る紀州備長炭を通して地域の産業を学びながら、経営感覚などのキャリアを高めるのが狙いだ。
同校OBで紀州備長炭製炭業「B-STYLE」を営む湯上彰浩さん(33)は、備長炭を大阪府内の焼き鳥店などに出荷しているが、そんな中でコース料理に出せる備長炭焙煎珈琲の生産を依頼された。規格外の端材を使えば、備長炭のロスカットにもつながると、ブラジルとエチオピア産の豆を取り寄せて珈琲の焙煎を開始したところ人気となり、依頼された店舗や知人などを通して100グラム800円で販売している。
紀州備長炭焙煎の珈琲生産を通して、分校生のスキルアップにつなげようと、湯上さんの協力を得て製造販売することを模索。21日に高津尾地内にある町製炭研修所を訪れた3年生22人は、湯上さんから備長炭の製炭工程などを聴いたあと、実際に備長炭を使って珈琲豆を焙煎した。今後は、湯上さんの生産した備長炭の端材を譲り受けて、生徒らがオリジナル珈琲豆を焙煎。パッケージやネーミング、炭や珈琲豆の仕入から原価、販売価格などを考え、湯上さんの協力を得て通販サイトなどで早ければ5月にも販売を目指す。
生徒からは、中津分校と珈琲を掛け合わせた「名前は中津分コーヒー」「色々な産地の豆を混ぜた中津分校ブレンド珈琲をつくろう」という声も聞かれ、湯上さんは「備長炭は世界一の品質の炭。こんな近くに世界一の炭があることを知ってほしい。規格外でも備長炭が出来るには時間と労力を費やしている。将来的には珈琲豆の売上げで減少している原木(ウバメガシ)を植樹する費用にもなれば」と語りかけた。
中津地区出身の原大晟君は「地元で生産される日本一の紀州備長炭を詳しく知ることができ、珈琲を商品にして販売する経験は社会に出ても役立つはず」、仲愛奈さんは「紀州備長炭を将来に受け継ぎ、地域の振興に役立つような取り組みになればうれしい」、顧問の網代涼佑教諭は「地域の産業を知るとともに、起業を目指したり、将来のライフプランなどに生かせる経験になれば」と話した。
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