美浜町は、松原地区高台津波避難場所整備計画で、築山造成のための盛土に、日高港塩屋地区泊地しゅんせつ工事で出るしゅんせつ土を利用する。国土交通省が手がける同工事から、造成に必要なすべてにあたる3万8000立方メートル分のしゅんせつ土の無償提供を受け現場までの運搬費用も国が負担。町は工事費1億円を削減できる。
高台整備計画は、吉原のダイワボウマテリアルズ(株)和歌山工場南、西川東側の土地に、津波時の高台被難場所となる築山を作るもの。平成25年3月、県は内閣府の南海トラフ巨大地震の浸水想定を更に踏み込んだ浸水想定を発表。そこで松原地区に避難所の必要性が浮上し、町が計画した。
高台避難場所の地盤高は15・5メートル。高台避難所における最高津波高を標高11・37メートルと想定し、巨大地震による広域地盤沈下と現況地盤液状化による地盤沈下を考慮、余裕高2メートルを見込んで算出した。のり裾は9500平方メートルで、避難場となる山頂は2400平方メートルの台形方。避難人口は対象地区住民約1930人全員を収用できる2000人を想定している。
高台には、食料や毛布、飲料水などを保管する備蓄倉庫6基とマンホールトイレ20カ所、トイレ洗浄用耐震性貯水槽、かまどベンチ10基、手洗い場、時計塔、緊急車両駐車場5台分を設置。避難誘導灯としてソーラー式LED照明20基を配備し、その蓄電池から携帯電話やスマートフォンを充電できるよう、USB端子も備える。高台の西側麓には、体の不自由な車での避難者も想定し、44台収用できる駐車場も整備する。
昨年3月から、同高台への避難対象地区となる新浜、田井畑、浜ノ瀬で住民説明会を開催。同8月には国有地使用許可を得、同12月末までに、松などの伐採が必要となる個所の保安林解除手続きも終えた。
計画場所は、一部が県の埋蔵文化財包蔵地のひとつ、吉原遺跡にかかることから、昨年6月に試掘確認調査を実施。土器のかけらが出土しことから、美浜松原郵便局南側の400平方メートルの一角を、早ければ7月下旬から9月上旬まで、発掘調査する。
平成28年度は5月にも入札を行い、6月議会に提案して承認を得た上で、樹木伐採を終えた8月から盛土工事に入る。平成29年度には、築山周辺の補強工事と施設整備を行い、平成30年9月には舗装を完了しすべてを完成させる予定。総工費は3億3500万円。
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