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マスターズ甲子園、日高中津OBが21年ぶり聖地へ 〈2018年11月7日〉

2018年11月07日 08時30分00秒 | 記事

 

平成9年選抜出場以来、21年振りに日高中津のユニフォームが甲子園に


 高校野球OBが再び甲子園を目指す「第15回マスターズ甲子園」が10日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕。初開催だった和歌山予選(7月)を勝ち抜いた日高中津が県代表として出場する。平成9年選抜で分校旋風を巻き起こしたメンバーらも出場しており、21年ぶりに当時のままのユニフォームで再び聖地を踏みしめる。日高中津OBチームは11日の第4試合で徳島県代表の小松島OBと対戦する。

 マスターズ甲子園は、プロや社会人、大学の現役選手を除く全国の高校硬式野球OB・OG(部長や監督、マネージャーも含む)が世代を越えて出身校別に同窓会チームを結成し、再び甲子園を目指して戦う大会。初開催の県予選には、管内から日高中津と御坊商工・紀央館両チームはじめ11チームが出場。日高中津は予選リーグを突破し、準決勝で市和歌山を8-5で下すと、決勝では13-12で田辺に勝利。和歌山大会初の王者となり、優勝旗を手にして甲子園行きを決めた。
 甲子園で行われる本戦の第15回大会は、10日と11日の2日間で8試合を行い、地方予選を勝ち抜いた16チームが出場。広島県代表の広陵や宇和島東など全国制覇経験校のOB、昭和56年の選抜で御坊商工と雨中の激闘を演じた元巨人の槙原寛巳投手らを生んだ大府(愛知県代表)などが顔を揃えた。10日午前8時から開会式が行われ、OBらが入場行進で憧れの土を踏みしめる。
 同校野球部元監督の細峪規良監督(40)は「日高中津OBとして、また県高校野球のOB代表として夏の甲子園100回記念の年に出場できるのは光栄で、甲子園で野球を楽しみたい。全員が出場し、一生の思い出になる試合にしたい。分校で培った野球をして大きな声で校歌を歌ってきたい」と、心を躍らせている。
 参加する日高中津OBメンバーは次の皆さん。
【35歳以上】監督=細峪規良▽主将=仲道生▽選手=坂口年哉、相台真吾、原宗隆、岡本平、北山和也、加藤大雄、岩井聡史、田中貴信、西賢志、大江広真、大串隆、横貫吉紀、山本祐、玉置信賢、南谷将孝、辻本和豊、本田智宏、中元英隆、伊藤勝、岡田浩儀。
【34歳以下】主将=嶋上和希▽選手=平松陽介、方森孝路、渡辺敬之、瀬川洋司、阿比留将夫、桝井浩行、藤川雄太、黒田圭祐、神谷弘樹、松元靖寿、小早川圭、杉山学、中野達樹、松下尚則、湯上彰浩、瀧本剛士、榎本慎示、津村陽介、正木康喜、弓場大樹、羽佐拓真、丸山秀作、坂口雅映、西出航志朗、北村太志、中戸洸太、森春樹。


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秋の叙勲、小川啓次郎氏(消防功労)に瑞宝単光章 〈2018年11月6日〉

2018年11月06日 08時30分00秒 | 記事

笑顔で人生を振り返る小川啓次郎氏


 平成30年秋の叙勲で県内から45人が受章した。日高地方からは瑞宝単光章に消防功労で、御坊市藤田町吉田759、元御坊市消防団分団長の小川啓次郎氏(80)が唯一1人選ばれた。約42年間の永きにわたり地域の消防、防災活動に尽力した功績が認められた。伝達、拝謁は11月に順次行われる。

 小川氏は、昭和34年7月、御坊市消防団藤田分団に入団。平成5年に班長、翌6年に部長、12年に副分団長になり、平成14年1月、64歳の時に分団長に就任した。約42年の永きにわたり、地域の消防活動に尽力した。
 42年を振り返り特に印象に残っているのは、昭和49年1月に発生した、スーパー「千寿堂」の大規模火災。正月早々の火災だったが、すぐに全分団が招集された。活動中、小川氏は、近くの店舗の裏に置いていた油の入ったドラム缶を発見。目に付いて確認、すぐに危険と判断し、重いドラム缶を夢中で転がし安全な場所に移動させた。消火にとても時間がかかる中、火が鎮圧状態になったころ、近所の人が労いの声をかけてくれ、餅をいただいたことが記憶に残っているという。
 サイレンが鳴ると仕事中でも現場に駆けつけなければならず、職場の人にはずいぶん迷惑をかけたという。現役時代は胸騒ぎのする夜があり、そんな時は案の定、火災が発生することもあったようだ。「今でもサイレンの音に敏感で気になるが、後継者がしっかりやってくれていると思うと安心できる」と話す。
 小川氏は退団後の平成19年4月、レジオネラ肺炎なり、意識が戻らなくなったことがある。多臓器不全で心臓だけが動いている状態で3カ月が経過したが、奇跡的に一命を取りとめたという。今はこれまでと変わらない生活ができるまで回復している。
 小川氏の話 消防本部から受章の知らせを受けて、夢の中にいるような気持ちだった。驚いて言葉も出なかった。妻をはじめ団員、職場、地域のみなさんに助けていただいた。1人ではなくみなさんの力添えがあったからこそ受章できたと思う。本当にありがたい。


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「世界津波の日」高校生サミット、稲むらの火のトーチ掲げ閉会 〈2018年11月3日〉

2018年11月05日 08時30分00秒 | 記事

参加高校生ら全員が稲むらの火を模ったトーチを掲げた閉会式

閉会後の記者会見で中井さん(右から2人目)と伊森さん。
右は仁坂知事、左が西岡町長

 海外47カ国293人と、国内49校186人の高校生らが和歌山ビッグホエールに一堂に会して開いた「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山(県、県教委、広川町、広川町教委主催)は、最終日の1日、稲むらの火憲章宣言をとりまとめて閉幕。閉会式で中井充歩さん(日高3年)と伊森安美さん(串本古座2年)のふたりの高校生議長は「私たちは世界を変えることができる。行動を起こそう」と会場に呼びかけ、参加高校生全員で稲むらの火を模ったトーチを高らかに掲げた。

 午後、東京大学大学院情報学環の片田敏孝特任教授による津波防災講演会に続いて、総会を開催。主催者を代表して西岡利記広川町長は、このサミットに先駆け町内で行ったスタディツアーを振り返り「地震津波に対する訓練は繰り返すことが重要。あなた方の国・地域で訓練を定期的にするよう呼びかけてほしい」。安倍晋三総理からのビデオメッセージに続いて、自民党の二階俊博幹事長は「世界津波の日は、和歌山の有名な逸話・稲むらの火にまつわるもの。聖地和歌山で、一人でも多くの命を守るんだとの決心のもと共に勉強したこの機会は大変尊い。若き津波防災大使と、みなさんのことを呼びたい。サミットで学んだことを多くの友人と共有し、津波被害が少しでも少なくなるよう努力しようではないですか。いっしょに世界の人々が手をつなぎ、災害を少しでも減らす方向でみんなで頑張ろうではありませんか」と語りかけた。
 続いて、AからLまでの分科会の生徒代表が、それぞれの分科会で協議した内容を報告。それら報告を取りまとめ、中井・伊森両高校生議長は「若き防災大使は長い時間をかけて準備を進め、この2日間協力して取り組んだ成果を『稲むらの火憲章宣言』として取りまとめる。浜口梧陵の故事から人命救助、地域復旧・復興、将来の災害への備えについて考えることが大事。48カ国の生徒はここ和歌山に集まり、災害から命を守るため何ができるかを話し合い共有した」と述べ、分科会で取り組んだ(1)災害について知識を得る(2)災害に備え意識を高める(3)災害から生き抜く-の3つの分野の各アクションプランを発表した。
 閉会式では稲むらの火に敬意を表し、参加高校生全員が稲むらの火を模ったトーチを掲げて、薄暗い会場にいくつもの灯りが浮かび上がった。
 閉会後に開いた記者会見で、中井さんは「今回は3回目で最後の参加。絶対にいいものにしたいと伊森さんとふたりで頑張ってきた。特に有意義だったのは、48カ国という今までにない数の国の高校生が、稲むらの火をみんなで学べたこと。地震津波のない国の人でも、旅行先で遭うかもしれない。そういうのを理解し、発信していってもらえたら。津波の危険がある国々は、情報を共有し、問題点を出し合い、具体策を決めたのが意義深かった。この和歌山での学びを今後のサミットでも広げ、もっと世界中の高校生が防災についての意識を高められたら」。主催者を代表して仁坂知事は「最初に私は、エリートのあなたたちが人々を救うのだとげきを飛ばした。みなさんはそれに見事に応えてくれた。プレゼンや提言すべてが私の期待に応えてくれるものだった。自分たちが勉強したことを生かし、人々を救わねばとの自覚に燃えていた。今回のサミットは本当によかった」と生徒らの奮闘を絶賛した。


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日高川町文化賞と文化奨励賞受賞者発表 〈2018年11月2日〉

2018年11月04日 08時30分00秒 | 記事

舞台演出などに貢献した器楽部シルクロード

鐘巻伝統芸能教室


 日高川町は、平成30年度の文化賞と文化奨励賞受賞者を発表した。文化賞団体で、町のイベントなどで音響の舞台演出に携わる器楽部のシルクロード、個人では、中津が生んだ偉人として知られる芳澤あやめを顕彰する「あやめ踊り保存会」の会長を務めた信濃兵造さん(88)=高津尾=が選ばれた。奨励賞の団体では鐘巻伝統芸能教室実行委員会、個人で小野千寿子さん(58)=鐘巻=が受賞する。表彰式は21日午後4時から町農改センターで行われる。
  
 器楽部シルクロードは、昭和55年に設立され、現在は有川芳樹部長はじめ部員6人で活動。設立と同時に川辺文化協会に加入し、川辺文化祭などでは舞台発表のプログラム構成はじめ音響を担当し、裏方として舞台発表の場を支えている。町のイベントなどで軽音楽コンサートを開くほか、災害被災地や福祉施設でのコンサートなど多彩な活動を通じて町の文化普及、発展に貢献している。
 信濃さんは、中津出自の三大偉人と言われる元禄の歌舞伎役者・芳澤あやめの業績を顕彰する「あやめ踊り」の保存会長を長年務め、あやめ踊りを通じて町内外で芳澤あやめの偉業を後世に伝えてきた。保存会員の高齢化や会員が減少する中、平成25年から地元の中津中学生にあやめ踊りと太鼓、尺八などの指導を行い、生徒らが文化芸能祭で披露するなど後継者育成に尽力している。中津文化協会長、日高川町文化協会連絡協の副会長も務めた。
 奨励賞団体の鐘巻伝統芸能教室実行委員会は、平成21年度から小学生を対象にした能楽や日本舞踊教室を開催。町内だけでなく、日高地方の子ども達に日本の伝統芸能を体験できる場を提供し、練習の成果を町のイベントで発表している。
 同賞個人の小野さんは、日本画の制作活動を行い、平成21年の御坊市展市長賞はじめ市展や県展で入賞。平成27年には日本美術院展で入選、今年10月の県美術展覧会では最優秀賞を受賞した。日本美術院研究会員や県美術家協会員を務めるほか、臨床美術士としても活動している。


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本格始動に向け「エンジョイサッカー」 〈2018年11月1日〉

2018年11月01日 08時30分00秒 | 記事

ドイツで池上さん(左)の研修に参加した坂本さん(右)


 日高地方のサッカー文化を発展・活性化させようと取り組む「S・I・S Special Training」(坂本寿里也代表)が来年4月からの本格始動に向け、11月中にプレイベントを開催する。「エンジョイサッカー」と名付け、年中児から小学6年まで2年ごとの年代に分け、ボールに楽しむなど気軽に参加できる内容で本格始動へつなげたい考えだ。

 坂本さんは湯川小時代にエストラッサ湯川でサッカーを始め、湯川中時代は日高フューチャーズに所属。高校は名門の初芝橋本で大阪体育大学でもサッカーを続けたが、膝のケガで選手としてのプレーを断念し、大阪のクラブチームなどで指導者の道へ進み、10年間、子ども達を育てた。
 地元のクラブチームの減少、サッカー人口減少、高いレベルでプレーできる機会の少なさなど日高地方の課題がある中、坂本さんが幼少期にサッカーとともに、この地域で多くの仲間と出会い、育ててもらった思いから、6年前に同プロジェクトを立ち上げた。
 サッカーを始めるには既存チームに入団することでプレーできるが、自信がないなどの入団しにくい理由もあり、敷居を下げようとスクール開催を検討。指導に必要な資格は持っているが、今夏、海外での先進的な指導方法を体感するためにもJリーグのチームでコーチ経験のある池上正さんが有志を集めて実施する海外指導者研修へも参加。ドイツへ渡り、プロリーグ「ブンデスリーガ」に参戦の「FCシャルケ04」から小さな地域のクラブチームまで幅広く現場を見た。
 ドイツでは▽複合型のスポーツ施設▽一般市民へのスポーツ施設無料開放▽各種スポーツ指導者が働ける環境作り▽お金をかけずに気軽にスポーツを楽しめる環境作り-など「スポーツで地域の人々が幸せになる」環境作りが進んでいることを体感、子ども達に目を向け、初心者や経験者問わず一緒にできる今回のプレイベントを計画した。
 場所はすべて御坊小グラウンド。11月12日はU-6キッズ年代(年中、年長)が午後5~6時、U-8(小学1年、2年)が6~7時、U-10(小学3、4年)が7~8時30分、16日はU-8が午後5~6時、U-10が6~7時30分、U-12(小学5、6年)が7時30分~9時、26日はU-6キッズ年代が午後5~6時、U-8が6~7時、U-10が7~8時30分、30日はU-8が午後5~6時、U-10が6~7時30分、U-12が7時30分~9時に開く。U-6、8世代ではボール遊びを通じてサッカーの楽しさに触れてもらい、U-10、12には少し技術指導も入れるようなサッカーらしい楽しさを感じてもらえるようにしたいという。
 来年4月の本格始動に向けては、要請があれば学年を問わず、サッカー初心者の子どもたちを対象に各市町村の小学校で放課後に無料実施する地域巡回型サッカースクールや、御坊市内のグラウンドや体育館でU-10やU-12の年代で高いレベルを求める子どもたちへのレベルアップスクールといった企画導入を考えている。
 坂本さんは「プレイベントは、どのクラブに所属していても、サッカー以外のクラブをしていても、参加してもらえれば良い。サッカーを楽しみたいと思えることが大事で、サッカー好きの子ども達を増やすことで、既存のサッカーチームの活性化にもつなげたい。スポーツにより、住民の豊かな暮らしを実現できたら」と話した。
 プレイベントには事前申し込みは必要なく、当日参加も可能。問い合わせは坂本さん(電話090・3713・3259)へ。


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