私の工具たちシリーズ。今回はトルクレンチです。
ブランドはエマーソンで、車のタイヤ交換用にインターネットで買いました。価格は確か4400円くらいでした。以前ジムカーナをやっていた頃は、月に数回タイヤ交換していたのですが、今は年に2回しかしません。
このトルクレンチ、差込角1/2インチで、3kg・m~21kg・m(SI単位では29.4N・m~205.8N・m)まで対応します。
さて、一般的に乗用車のホイールナットの標準締め付けトルクは、11~12・m程度ですが、このトルクの強さを感覚的にご存知の方は結構少ないんじゃないでしょうか。「えっ、もういいの?」と拍子抜けするくらい軽い力です。今まで自分がどれだけ無駄な力を使ってホイールナットを締め付けていたのか分かりました。男性なら、十字レンチでナットを締めると、大概規定トルクを超えてしまいます。
ホイールナットを足で踏んで締めるなんて持っての外です。もちろん私はやりませんが。
ネジはなぜ締まるのか。それはネジの弾性変形を利用しているからです。ネジを締めるとネジが伸び、元の長さに戻ろうとする力で固定されるのです。ですから、素材の弾性域を超える程、ネジを力任せに締めて塑性変形させてしまうと、いくら締めても締まらないネジになってしまいます。でもって、締まらないからと更に力を入れて締めていくと...降伏点を過ぎてネジが破断してしまいます。
ネジの締まる原理から考えると、ブレーキやホイール、サスペンションなどの支持に使われているボルトナットの材質はむやみに変更しない方がいいですね。鉄、ステンレス、アルミ等、材質や合金の種類により、SS(応力-歪)曲線が皆異なるので、適正な締め付けトルクが変わってしまいますから。
ボルトやナットを、親の敵みたいに締める人も少なくないと思いますが、そんな事してたらいつか自分が返り討ちに遭ってしまうかも知れませんよ。
話は反れましたが、私の工具たちその6、トルクレンチの紹介でした。