さて、巷ではワークライフバランスがどうのこうのとか言われるようになってきましたが、私の身近なところではいったいどうなっているのか、すこし考えてみました。
「残業するな、残業時間をゼロにしろ。」と言葉やメールが度々飛び交います。
残業時間が多いと、仕事のやり方が悪いと言われる反面、必要な仕事を片付けずに定時で孵ったりすると、責任感のない奴だと言われます。殆んどの人は、仕事のやり方が悪いと言われても、自分の仕事を片付ける方を選ぶのですが、そうすると、人事評価が下がって、翌年の収入に悪影響が出ます。
仕事の量が減らない限りは、どうやったところで評価は悪くなってしまうのです。
人員は増やさない、仕事の量は減らさないと言う、会社の方針は分からないでもないのですが、従業員を袋小路に追い込んでどうするんだと思います。
私の会社は以前、労働基準監督署から、所謂サービス残業について是正勧告を受けてから、いろいろと残業時間について管理が厳しくなりました。
私達事務職の社員は、デスクのパソコンの電源オンオフが自動記録され、その時間が勤務時間、残業申請時間と著しく違わないかチェックされるようになっています。
つまり、サービス残業が実質的にできないのです。ですが、そのはずですが、このチェック機能というのがものすごくいい加減で、サービス残業できてしまうのです。
それは、勤務時間申請時に入力する、「休憩時間」という項目です。この休憩時間ですが、無制限に入力できます。
例えば、午後5時が定時で、午後9時まで就業した場合、素直に計算すると残業時間は4時間となるのですが、このうち3時間45分を休憩時間として入力すると、残業時間は15分と計算されます。
定時後4時間も会社にいて、その間3時間45分も休憩してるなんて、不自然極まりないのですが、これに関しては、まずチェックが入る事は有りません。
労働基準監督署から是正勧告を受けて、えらい苦労して勤務管理システムを更新したハズなのですが、結局まともに管理できないんですね。
事業撤退で希望退職だとか、配置転換だとかやろうと言う会社が、こんなルーズなことしてて、交渉中に従業員からこんなのを切り札に出されたらどうするつもりなんでしょうか。
もし、本当に従業員に残業をさせたく無ければ、すごく簡単な方法が有るでしょう。定時になったら問答無用で電源落として、電話回線切断して、パソコンのサーバーをシャットダウンすればいいんですよ。
こんな簡単な事、どうしてしないのか。それは、そんな事本当にやったら、現場の業務の根幹が揺るぎ、会社経営が立ち行かなくなるからです。
経営者も労働組合も管理職も従業員もみんなわかっているのに、いつまで絵に描いた餅を眺めているつもりなんでしょうか。
いい加減に本音で語って貰いたいものです。